物流危機が続く中、ネスレ日本は2月9日、自動運転トラックによる長距離幹線輸送の実証の往路として、神奈川県横浜市の倉庫から関西方面へ向けた運行を実施した。同社にとって自動運転トラックによる幹線輸送の実証は2回目であり、将来的な商用運行を見据えたものとなる。
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物流業界ではドライバー不足や輸送能力不足が続いており、いわゆる「物流2024年問題」後も課題は解消していない。どのメーカーも安定した輸送網の確保は重要な経営課題となっている。
〈2025年12月の姫路から千葉への輸送を経て、2回目以降は関東・関西間を往復で実証〉
ネスレ日本は2025年12月、姫路工場(兵庫県姫路市)から千葉県までの区間で自動運転トラック幹線輸送の実証実験を行ったことを発表している。今回の横浜発の運行は2回目の往路にあたる。 同社は国内で複数の製造拠点を持つが、主力のコーヒー製品「ネスカフェ ゴールドブレンド」は姫路工場から全国へ輸送している。関東・関西間など600kmを超える長距離輸送はトラック依存が高く、将来的な輸送力不足が課題として認識されてきた。
同社サプライ・チェーン・マネジメント本部の坂口治夫さんは次のように語る。「長距離輸送は今後ますます難しくなると考えています。将来的に“自動運転トラックを使いたい”と思っても、他社も活用したいという状況になれば、必ずしも自分たちが使えるとは限りません。だからこそ、早い段階から実証に参加することが重要だと考えました。私たちメーカーは、工場で製品を作っても、お客様の手元まで運べなければ意味がありません。
実証実験は2026年8月までに計4回予定されており、品質や運用面を検証した上で商用運行への参画を目指す。これまでの検証では輸送品質に問題は確認されていない。一方で実運用に向けた運行方法の見直しも進む。
現在は朝に積み込み、当日夕方に到着する運行だが、倉庫の受け入れ時間との整合を踏まえ、午後に積んで翌朝に到着するなどの運行も検討している。坂口さんは「実際の物流の流れに組み込めるかどうかを確認している段階」と話す。車両には再生可能ディーゼル燃料が使用され、環境負荷低減の検証も進めている。
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〈幹線輸送の実装へ向けた技術検証、自動運転の現実的な課題にも対応〉
自動運転は現時点ではレベル2(ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転)且つ高速道路区間に限定されている。将来的に、高速道路区間でのレベル4(自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態)での運行を見据えつつ、まずは実績の積み上げが重視されている。 自動運転幹線輸送を手がける株式会社T2は三井物産とPreferred Networksなどが出資して設立された企業で、現在約40社が実証に参加。商用運行車両は現時点で数台にとどまり、量産には時間がかかる見込みだ。
T2社で事業開発本部ソリューション企画部の五十嵐誠さんは、「2030年度以降には2,000台のレベル4自動運転トラックの運行を目指している。車両の量産や法整備、社会受容など段階的に進める必要がある」と話す。
製品の安定した輸送やスケジュール通りの運行、積み込みなどの現場連携といった基本的な事項に加え、荒天や道路上の障害物、通行止め発生時の対応など、実運用を想定した幅広いケースについて検証を進めている。
五十嵐さんは、「東京と大阪の間を自動運転トラックが24時間循環し、荷物を持ち込めば自動的に運ばれる世界を目指したい」と語る。
〈自動運転は選択肢の一つ、「運びきる」ための物流戦略〉
ネスレ日本は特定の輸送手段だけに依存する考えではない。トラック・貨物鉄道・船舶、そして新しい選択肢である自動運転トラックなど複数手段を組み合わせた物流体制を構築している。 坂口さんは物流戦略の根幹をこう語る。 「これからのメーカーの仕事は、モノを作るだけでは十分ではありません。運びきることが重要です」。
ネスレ日本はこれまでも鉄道や船舶、トラックなど様々な方法で運んできました。手段は一つではありません。その選択肢の一つとして自動運転トラックがあります」 ドライバー不足が続く中、自動運転トラックは将来の幹線物流を支える新たな選択肢として検証が続いている。









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