日本ケンタッキー・フライド・チキンが、ブランド刷新を軸とした大きな成長戦略を打ち出した。今回の取り組みを「第二創業」と位置づけ、現在の1339店舗(2025年)から2030年には全国1700店舗体制への拡大を目指す。
3月9日に都内で開催された事業戦略発表会で、社長の遠藤久氏は「世界情勢やコスト構造など、外食業界を取り巻く環境は大きく変わっている。これまでの延長線だけでは勝てない。次の成長フェーズに向けてゲームチェンジを起こしていく」と語った。
〈メニュー拡大 バーガーやデザート強化〉
成長戦略の1つ目が、メニューの拡大だ。
KFCのブランドを象徴する商品は、創業者カーネル・サンダース氏のレシピを受け継ぐ「オリジナルチキン」である。この品質へのこだわりは守りながら、チキンメニューの幅をさらに広げていく。
特に、ランチやディナーでも利用しやすいよう、バーガーのラインアップを強化する。2026年秋にはバーガーの大幅リニューアルも予定している。
そのほか、スナックやモーニング需要にも応えるため、デザートやドリンク、サイドメニューも順次拡充する。その第一弾として、スナック感覚で気軽に楽しめる新カテゴリー「サクッとケンタ」シリーズを3月11日から数量限定で販売する。ラインアップは、チキンの「まるかじりケンタ」と、ザクザク食感にこだわったポテト「カーネルクランチポテト」の2品で、間食や軽食、メニューにもう1品プラスしたいときなどの利用を想定している。
「まるかじりケンタ」は、骨なしの鶏モモ肉を使用し、看板メニュー「オリジナルチキン」の味わいをそのまま楽しめる商品。
「カーネルクランチポテト」は、衣にコーングリッツを使うことで、サクサクのクランチ感を実現。軽食として選ばれた際に“物足りなさ”を感じさせないことを意識し、これまでのポテトとは一線を画す新しい選択肢として開発した。価格は、Sサイズ290円、Lサイズ430円(各税込)。
日本でケンタッキーといえば、クリスマスなどのハレの日や、家族・グループ利用といったシーンに強いブランドとして知られる。一方で、日常的な食事需要にはまだ伸びしろがあり、KFCをより身近な存在として感じてもらいたい考えだ。
〈次世代店舗で売上倍も 2030年1700店へ〉
2つ目の柱が、店舗体験の進化である。
KFCは「テイクアウト中心の店」というイメージが強いが、コロナ収束後は店内飲食のニーズが高まっている。こうした状況を踏まえ、店内で過ごす時間の快適性も高めていく。遠藤社長は「店内飲食の体験価値を高めることを重要なテーマにしている」と話す。
その象徴となる次世代モデル店舗を、4月3日に神奈川県相模原市にオープンする。新店舗「相模原大野台店」では、グローバル基準のモダンなデザインを採用し、厨房の効率化も進める。
また、同店では新メニューやオペレーションのテストも行う。さらに、期間限定で販売して好評だった「ケンタの鶏竜田バーガー」を、全国で唯一通年販売を行う店舗とする。
店舗数は、2025年の1339店舗から2030年には1700店舗体制を目指す。路面店や商業施設型の店舗だけでなく、テイクアウト・デリバリー専門の小型店舗など、出店地の特性に合わせてさまざまなタイプの店舗を展開していく。
〈AI活用のアプリ戦略 顧客ごとに異なる“えこひいき”を〉
3つ目の柱がデジタル戦略だ。今後は公式アプリをビジネスの中心に位置づける。
アプリでは購買履歴やライフスタイルデータをもとにAIを活用し、一人ひとりにパーソナライズされたサービスを提供する方針だ。例えば、チキンをよく購入する人にはチキンのクーポンを、デザートをよく購入する人にはデザート関連の特典を配信するなど、“自分のために用意されたサービス”と感じてもらえる仕組みを構築する。
また、ロイヤリティプログラムも見直す。これまでのようなステージリセットを廃止し、購入を続ける限り特典を維持できる仕組みに変更する。
今回の「第二創業」に合わせ、新タグラインを「しあわせに、ガブッ。」に定めた。さらに新アンバサダーにはタレントの佐藤栞里さんを起用。佐藤さんの自然体で前向きな魅力が、KFCの目指す「日常に寄り添うKFC」のイメージに合致するとしている。
メニュー、店舗、デジタルの3つの改革を進めることで、KFCは“特別な日のブランド”から“日常の食事の選択肢”へと進化を図る考えだ。
今回掲げた「第二創業」は、その転換点となる大きな挑戦となりそうだ。









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