ニチレイは3月24日、東京・築地の本社で社長交代に関する記者会見を開き、4月1日付で就任する大櫛顕也新会長(現社長)および嶋本和訓新社長(現取締役)が所信などを話した。その中で嶋本新社長は来期からの方向性について、要旨次のように話した。


最優先で取り組む最重要課題は、長期経営目標「N-FIT 2035」を具体目標として達成するため、100年企業に向けた三本柱の構造改革▽経営改革▽事業モデル改革▽組織/風土改革――によるグループ成長の再加速を目指すことだ。

「経営改革」について、事業環境の変化の度合いやスピードが増す中、愚直に計画に向き合うだけでは不十分で、変化への即応力が競争力の強化につながる。そのため、変化を前提に常に進化し続けるため、新たなニチレイ型の経営サイクルに転換を図る。そのためには、意思決定の迅速化や権限移譲も重要なポイントになる。新年度からCxO制度を導入したこともそれにつながる施策と捉えている。

また、その実現に欠かせない人材やスキル、データ基盤など経営資源をしっかりと掛け合わせた経営サイクル、事業運営スタイルにバージョンアップしていく。

「事業モデル改革」について、これまで国内事業においてはフーズとロジグループのシナジーを強化してきたが、食品事業の統合により調達から生産、商品開発、販売、低温物流までのフードバリューチェーンすべてにニチレイグループの機能がつながった。グループ一体のフルシナジーを発揮できるような、将来につながる総合的な成長ストーリーや付加価値を創出できる新たな事業モデルを作り上げていきたいと考えている。

そのためにも、国内における事業モデル改革の中心は食品プラス低温物流の事業、機能、人材の組み合わせ・掛け合わせに挑戦することと考えている。

海外事業においては、低温物流に加え、食品事業でも積極的にM&Aに挑戦していく。海外M&Aはロジグループがうまく活用し、事業領域やエリア領域を拡大してきた。そのノウハウをフーズにも水平展開していく。
特に食品事業の新領域拡大については、持株会社(ニチレイ本体)での関与を一段強める考えで、持株会社の高久(祐一)取締役にはCGO(Chief Global Officer)を担ってもらう。同氏は海外投資案件の対応経験も豊富で、その知見も活かして一緒に開拓のスピードアップをしていく。

そして海外事業でも食品事業と低温物流事業のノウハウの相互活用というシナジーの具現化を図っていく。

「組織/風土改革」について、最重要課題と位置づけている、100年企業に向けてグループ成長の再加速を進めるためには、持株会社、事業会社、そして従業員が三位一体となって1つのベクトルに向かい連動する組織であることが不可欠だ。そのため、80周年の機会に企業経営理念を改定した。私自身もこのプロジェクトの中核メンバーとなり、5,000人あまりの従業員へのアンケートも交え、延べ人数で700人の若手・中堅・経営層メンバーと白熱した議論を重ねた。これはニチレイグループの将来を経営と従業員が一体となって考え出した旗印になると信じている。

「ミッショ/使命・存在意義」は「食からひろがる幸せを、ニチレイが未来へつなぐ」、「ビジョン/ありたい姿」が「食と人と地球の架け橋になる、価値創造カンパニー」、「バリューズ/価値観」が「ニチレイズム=▽誠実に向き合う▽質を追求する▽期待を超えて挑む▽力を合わせ共創する▽人を大切にする――」と、この価値観は私自身が今後も常に直接従業員やステークホルダーに語りかけ、まさに全員のベクトルを同じ方向に向けることこそ私の使命だと考える。

4月1日からのニチレイグループの新たなミッションは、食を通じて人々の暮らし、社会、そして地球全体に幸せと価値を広げていきたい、届けたいという思いと、その幸せを未来へとつないでいくという決意を込めている。

刷新した経営理念の具現化により、豊かな食生活と健康を支え続ける企業として、あらゆるステークホルダーからの信頼を獲得し、従業員一丸となって力強く前進し、新たな成長のステージに向かって参る。大櫛現社長から受け取るバトンをしっかりと継承し、100年企業に向けて三本柱の構造改革によるグループ成長の再加速を目指す。

〈冷食日報2026年3月25日付〉
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