3月に開催された栄養フォーラムで、在宅療養者に蔓延している低栄養の問題が明らかになった。
フォーラムには、大規模病院の医師、(管理)栄養士、薬剤師はじめ、大手給食サービス企業や食品・厨房機器・衛生管理商材メーカーの代表者と国会議員など約150名が参加した。
低栄養とは、食欲の低下や、噛む力が弱くなるなどの口腔機能の低下により徐々に食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養が不足している状態をいう。特に高齢者に多く、体重減少や筋力低下、さらには認知機能低下や褥瘡(床ずれ)を引き起こす。厚生労働省が発表したデータによると、65歳以上の低栄養傾向の人は、男性12.4%、女性20.7%となっており、年齢が上がるにつれて、低栄養状態に陥るリスクが高まっている。
30年以上在宅医療に力を入れ、多くの高齢者やがん末期患者の在宅看取りを支えてきた日本在宅ケアアライアンスの太田秀樹氏は、「在宅療養者の8割が低栄養あるいは低栄養予備軍であり、命に関わるという認識が必要だ」と提言する。
低栄養の背景には、社会的なものと医学的なものに2分されると説明。社会的な背景としては、閉じこもり、独居・孤食、不適切な食事介助、調理技術の低さ、栄養への無関心、経済的困窮――を挙げ、医学的な背景では、がんなどの疾患、認知症による意欲低下、口腔・えん下機能の低下――を挙げる。
海外では、低栄養が新たな疾病として認識されていることを話し、「もはや、単なる低栄養ではない」と問題の深刻さを訴える。
太田氏は、「栄養状態を早期に評価し、適切な食支援で進行を予防することが重要」だが、「在宅における栄養ケアは課題が山積しており、在宅食支援の意義を発信し続ける必要がある。残念ながら、黎明期と言わざるをえない」と現状を説明した。
〈フードネクサスジャパン・中村氏、「在宅への配食事業を支える持続可能な制度が不可欠」〉
続いて、フードネクサスジャパン代表理事の中村仁彦氏は、事業者の立場から、在宅配食サービスには重要な社会的役割があるものの、事業継続が極めて難しい窮情を説明した。
中村氏が代表を務める富士産業グループの一員である(株)ベストは、山形県鶴岡市に本社を構え、40年来、地域に根差した在宅配食サービス事業を展開している。一般常食だけでなく2種の刻み食、ミキサー食、腎臓食、透析食、術後食、塩分制限食などの治療食や、禁止食に対応した食事を月曜日から土曜日まで、昼食と夕食で350食ほど提供している。
中村氏は、在宅配食が抱える構造的な問題として特に、コスト上昇と病院から在宅への移行時における情報の断絶を挙げる。コスト上昇では、「食材、米、燃料、光熱費、そして人件費と、全ての経費が上昇している」と窮状を語る。過去10年で、例えば米は1.5倍の価格になるものの、配食サービス価格は、常食で2割程度に、治療食・介護食など個別対応食は1割4分に届かず、大きく変わっていないとする。
「医療的配慮の必要性は増加しているにも関わらず、制度的な補填というものがなく、市場価格に依存しているため、利用者ご家族の負担が増大している」ことから、価格転嫁が難しいと話す。
栄養情報の断絶については、移行時に食形態情報・栄養管理の指示が途切れてしまう問題を指摘。栄養情報が不明な場合、自社栄養士がかかりつけ医または退院した病院に直接連絡し、栄養情報を確認することもあるという。「この労力と時間は決して少なくないものであることを認識して欲しい」とベストの長年の苦悩を代弁する。
重要な社会インフラであるにもかかわらず、事業継続が難しい配食サービスが抱えるこうした課題にいかに対応していけばいいのだろうか。
中村氏は、▽在宅配食サービスへの制度的財源整備▽栄養管理の連続性▽共通食形態基準の導入▽配食の医療的位置づけの確立▽在宅栄養支援の制度化・財源整備▽――を提案する。
「これらは全て重要だが、我々事業者だけで実現できるものではない」とし、「事業者や利用者だけに負担を強いる状態では、無理が生じてしまう。入院期間の短縮による在宅患者の増加が前提なのであれば、持続可能な制度の導入が必須であることを伝えたい」と語った。









![日清食品 ラーメン山岡家 醤油ラーメン [濃厚豚骨スープの旨みが広がる] カップ麺 117g ×12個](https://m.media-amazon.com/images/I/51YlvYcaKyL._SL500_.jpg)

