カバヤ食品は今秋、ロングセラーのチョコレート菓子「さくさくぱんだ」の生地を小麦粉から米粉へ変更する。ブランドを象徴するパンダのモチーフはそのままに食味を高め、グルテンフリー化を実現した。
ブランド史上、最大規模のリニューアルで新規および休眠ユーザーの取り込みを図る。

◆「価値で勝つ」ブランド戦略

カバヤ食品「さくさくぱんだ」米粉に切り替え、食味を向上 新規・休眠ユーザーの取り込み図る
カバヤ食品 大須賀氏
カバヤ食品 大須賀氏
「従来の『可愛い』主導のコミュニケーションでは売れなくなってきた。30周年を機に、また食べたいと感じるおいしさへ改良し、価値で勝ちに行きたい」と同社ブランドマーケティング本部ブランド企画部チョコレートビスケット課の大須賀遥香氏。近年、チョコレート菓子の価格高騰や競合との同質化により売り上げが低迷するなか、ターゲットの20~40代女性へ向けた“かろやかな食べごこち”を模索し、米粉に着目した。

他にも候補となる素材はあったが、健康的で高品質なイメージが根付いていることに加え、求めていた〝さくさく食感〟を出すには米粉が最適だったという。大手メーカーが提案するチョコレート菓子カテゴリーにはグルテンフリー商品がなく、未開拓領域だったことも、勝算があると判断した理由の一つだ。

 もっとも、「さくさくぱんだ」が持つ資産は大きい。同社が菓子購入者を対象に実施した調査では、ブランドの認知率は50%、うち女性に限っては65%と非常に高いことが分かった。これは「塩分チャージ」や「タフグミ」を上回る。

その高い認知率に至る過程で、「さくさくぱんだ」はさまざまなテコ入れ策を展開してきた。例えば2006年のリニューアルでは、新たにホワイトチョコレートを組み合わせ、表と裏でパンダの異なる表情を楽しめるビスケットに進化させた。これに併せ、60種以上のフレーバー拡充やファミリーパックの投入などにより、ラインアップの拡充も進めてきた。大須賀氏は「子どもの頃に親しんだという方は多く、誰もが認める可愛らしさがある。
この資産を活用しない手はない」とする。今回、従来の「可愛らしさ」を踏襲しつつ、大人が共感できるブランドへと刷新した。初年度の販売目標は半期(26年9月~27年3月)で10億円。

◆隠し味を入れて“記憶に残る味”に


大人も満足できる品質を追求するため、米粉を起点に、ビスケットとチョコを一から再設計した。米粉の自然な甘みが広がるビスケットに、すっきりとした甘さのミルクチョコレートを組み合わせている。隠し味として、ビスケットに焙煎玄米、チョコレートに塩を入れることで「記憶に残る味づくりをめざした」(大須賀氏)という。パウチタイプの「さくさくぱんだミルク」「同 いちご」(各47g・参考価格238円)と「さくさくぱんだ しあわせパック」(17g×6袋・参考価格458円)の3品を取りそろえる。いずれも10月6日から全国一般発売、パウチ品は9月15日より全国CVS先行で発売する。
カバヤ食品「さくさくぱんだ」米粉に切り替え、食味を向上 新規・休眠ユーザーの取り込み図る
さくさくぱんだ しあわせパック
さくさくぱんだ しあわせパック
品質そのものへの認知向上を優先するため、新パッケージでは、従来のパンダキャラクターを一時的に取り下げ、シンプルなデザインを採用した。また、現在70種あるチョコのパンダは、2027年の春をめどに、ブランドのポジティブなイメージに合う表情へ絞り込むことを検討しているという。

 主な販促策として、10月と12月に全国でテレビCMを投下するほか、公式SNSを活用した情報発信や店頭でのPOP露出、消費者キャンペーンなどにより話題を喚起していく。大須賀氏は「今回のリニューアルで、大人も子どもも広く楽しめる品質になった。
親子で一緒に食べて、笑顔になっていただけるようなブランドにしていきたい」と意気込む。

なお、同社は今回のリニューアルに伴い工場の製造体制を整えた。従来は岡山工場(岡山県岡山市)で行っていた生地製造ラインを関東工場(茨城県常陸大宮市)へ移設・統合し、アレルギー検査を含めた全ラインをクリーン化、焼成用オーブンを新たに導入した。将来の海外輸出を視野に入れている。
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