[caption id="attachment_1226848" align="aligncenter" width="600"]宮城県での初の一般公開飛行の様子[/caption]

人・夢・技術グループの子会社である長大は、「空飛ぶクルマ」の社会実装に向け、建設コンサルタントとして培ってきた技術力を活かし、各自治体で導入可能性調査や社会受容性の向上に取り組んでいる。今回、和歌山県で実証飛行を、宮城県でデモ飛行を実施した。

「空飛ぶクルマ」で静かでクリーンな移動を実現

「空飛ぶクルマ」は、Advanced Air Mobility(AAM)や、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)などとも呼ばれている。

「空飛ぶクルマ」の最大の特徴は垂直離着陸が行えること。垂直に離着陸するため、滑走路などの大掛かりな設備を必要とせず、電動化により静かでクリーンな移動が可能になると期待されている。

経済産業省と国土交通省が主導する「空の移動革命に向けた官民協議会」では、「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップを策定し、公表している。長大も本官民協議会に参画し、「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けて積極的に取り組んでいる。

和歌山県串本町で実証飛行イベントを実施


長大は、和歌山県から受託した「令和6年度『空飛ぶクルマ』の運航実現に向けた社会受容性向上事業」の一環として、「空飛ぶクルマ」の実証飛行イベントおよび社会受容性向上に向けた機運醸成イベントを、9月21日(土)に和歌山県串本町で行った。

当日は、飛行を一目見ようと潮岬望楼の芝に集まった約600人の観衆が見守るなかで、「空飛ぶクルマ」が和歌山県の空を初めて飛行。約4分間ずつ、1回目は無人で、2回目は振動やノイズなどを調べる検査員1人が乗り込んで飛行を披露し、この日の実験は無事に成功した。

この実証実験は、「和歌山県版『空飛ぶクルマ』運航実現に向けた和歌山県版ロードマップ・アクションプラン」に基づき、社会受容性の向上を目的として実施したものだ。


観客からは「自分の目で飛行する様子を見れてよかった」「撮った動画を孫にも見せたい」「自分も乗ってみたい」「自動操縦はまだ乗るのが怖い」など、様々な声が聞かれた。

この日は、実証飛行後に潮岬望楼の芝に隣接する南紀熊野ジオパークセンターで機運醸成イベントも開催。高校生による発表会も行われ、串本古座高校宇宙探究コースと同校CGS(Community General Support)部の学生11名が「高校生が考える空飛ぶクルマの活用とは」をテーマにプレゼンを行った。

学生ならではの柔軟な発想で、農業、漁業など和歌山県の特性や観光資源を活かした活用への期待が語られ、参加した県民や事業関係者は熱心に耳を傾けていた。

「空飛ぶクルマ」のクイズ大会、VRで「空飛ぶクルマ」を体感するコーナーにも、たくさんの人が訪れた。

宮城県利府町でデモ飛行イベントを実施


また、宮城県から受託した「令和6年度空・陸次世代モビリティ実証調査・情報発信業務」の一環として、9月29日(日)に宮城県利府町で次世代空モビリティ「空飛ぶクルマ」のデモ飛行イベントを実施。

当日は、東北地方で初めて一般公開となった「空飛ぶクルマ」を一目見ようと宮城県利府町のグランディ21・キューアンドエースタジアムに集まった約600名の一般の人々が見つめるなか、「空飛ぶクルマ」が1回あたり約4分間、有人飛行で2回、無人飛行で2回の飛行を披露。この日のデモ飛行は無事に成功した。

このデモ飛行は、宮城県での自動車関連産業のさらなる集積・進化・発展の実現を目指し、ものづくり人材のすそ野を広げるとともに、「次世代空モビリティ」の実証調査・情報発信を通じて、地域社会と宮城県民の次世代モビリティに対する受容性の向上を図ろうと実施された。

デモ飛行を見た観客やブースに来た人からは、「実際に空飛ぶクルマに乗ってみたいですね」「VR体験は実際に飛んでいるみたいでした」などといった声が聞かれた。

長大は、これからも地域社会とのネットワークを築き、共創を図ることで、「空飛ぶクルマ」の社会実装を地域課題の解決、地域の活性化につなげていきたいとしている。長大の今後の取り組みにも注目だ。

和歌山県実証飛行開催報告(長大HP):https://www.chodai.co.jp/news/2024/10/015335.html
宮城県デモ飛行開催報告(長大HP):https://www.chodai.co.jp/news/2024/10/015336.html

(佐藤 ひより)

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