一風変わったトリッキーな形状の間取りは、既製品の家具やインテリアのレイアウトが難しくデッドスペースも生まれがち。そこで、そうした「変わった間取り」のなかでも、特によく目にするものをピックアップ。

部屋のスペースを無駄なく、有効に活用するためのポイントを整理収納アドバイザーの中山真由美さんに教えてもらいました。

隅っこの使いどころが難しい『三角部屋』

まず、そうした「変わった間取り」の代表格ともいえるのが、「三角形の部屋」。特に三角形の頂点、 “角”にあたる部分に何を置いていいか悩ましいものです。

「こうした隅の狭い場所は、使いどころが難しいですよね。大きな家具を置くとデッドスペースができてしまうし、無駄に遊ばせておくのももったいない。一番無駄なく使うとしたら、使用頻度の少ないものをしまっておく収納スペースがいいと思います。小さいサイズのカラーボックスを重ねて置き、シーズンオフの洋服などを収納するか、または『ラダーラック』という壁面タイプの収納ラックを使用するといいでしょう。ラダーラックは壁に沿わせるように設置することができるので、鋭角な三角間取りでも活躍してくれます」(中山さん、以下同)

三角形、カーブの壁…「変形間取り」の家具配置ワザ

【画像1】また、三角形の角を背後にして一人掛けのソファを置くのもおすすめ。ソファの背後にできたスキマには、背もたれと同じ高さの小さい棚を置き、その上に観葉植物などを飾ると空間も華やぐ(取材を元にSUUMOジャーナル編集部作成)

例えば、そのラダーラックにかわいい小物やお気に入りの帽子を飾ったり、ツルの長い観葉植物やフェイクグリーンを絡ませたりして「見せる収納」にすると、空間インテリアの核になりそうです。

三角形、カーブの壁…「変形間取り」の家具配置ワザ

【画像2】ラダーラックで見せる収納に。写真ははしごタイプですが、壁にぴったりつけられるタイプもおすすめ(写真: iStock / thinkstock)

直線的な家具をレイアウトしにくい『壁面円形部屋』

タワー型のマンションの角部屋に多い、壁面がなだらかに湾曲している間取り。曲線がスタイリッシュな印象の反面、家具の配置がピタッとはまらないのが難点です。

「大きな本棚や収納棚だと壁に沿って置きにくいので、左右幅40cmあるかないかのコンパクトなシェルフを細かく並べていくといいでしょう。たとえば、木製のシェルフをあえてランダムに置いていくと、オシャレに見せることもできます。悩ましいのはベッドの配置ですが、こうした間取りの場合は湾曲した壁に合わせて『丸いラグ』を敷き、その上にベッドを置くと、目の錯覚で違和感がなくなりバランスが取れるようになりますよ」

三角形、カーブの壁…「変形間取り」の家具配置ワザ

【画像3】家具の配置が難しい湾曲型の空間は、広さにもよるが壁に合わせ曲線型のソファを並べると、空間の個性をそのまま生かした美しいレイアウトに(取材を元にSUUMOジャーナル編集部作成)

三角形、カーブの壁…「変形間取り」の家具配置ワザ

【画像4】シェルフやカラーボックスをランダムに配置するとおしゃれに見せることができます(写真: iStock / thinkstock)

玄関から部屋までに距離がある『導線長すぎ部屋』

一方、玄関から居室までの導線がやたら長いこちらの間取り。廊下が長いとなんだか損した気分になってしまいますが、こんな一見使い道のなさそうなスペースも、工夫次第で有効利用できるそう。

「賃貸でも使える、壁を傷つけないウォールシェルフを何カ所かに設置して小物を置いたり、ラダーラックを壁面に取り付けたりして、『外出時に使うもの』を置いておくのはどうでしょう。例えば、部屋から玄関に向かって上着やカバン、鍵、傘などを壁面に掛けておけば、歩きながら身支度を整えることができます。また、天井高があるのであれば、頭上の2カ所くらいに突っ張り棒を取り付けて、その上にトイレットペーパーやティッシュなどのストックを置いておくのも便利だと思います」

三角形、カーブの壁…「変形間取り」の家具配置ワザ

【画像5】長い廊下を上手に使って、効率の良い身支度を(取材を元にSUUMOジャーナル編集部作成)

こうした間取りはデメリットばかりではなく、工夫次第でいかようにも暮らしやすくなると中山さん。楽しみながらスペースの活用を考えてみてはいかがでしょう?

●取材協力
・お片付けコンシェルジュ 元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/04/henkeimadori_main.jpg 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル
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