住宅ローンの金利が上昇トレンドに入ったが、その影響が調査結果に表れている。住宅金融支援機構が2025年4月~2025年9月までに住宅ローンを借りた個人を対象に、2026年1月に調査を行った結果を公表した。

この結果から、金利上昇の影響度合いを見ていこう。

【今週の住活トピック】
「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」を公表/住宅金融支援機構

金利上昇の影響は「金利」「金利タイプ」「返済期間」に変化をもたらした

さて、日本銀行(以下、日銀)が「マイナス金利解除」に舵を切り、政策金利をこれまでに3回引き上げている。これを受けて、2024年10月と2025年4月に変動型の金利を引き上げた金融機関は多い。調査の対象は、金利の上昇を肌で感じている時期に住宅ローンを借りた人と言ってもよいだろう。金利の影響は、ローンの選択に影響したのだろうか?

その影響が大きく表れているのは、利用した住宅ローンの「金利」「金利タイプ」「返済期間」だ。まず、金利の水準を見ていこう(画像1)。

利用したローンの金利では、前回調査(2025年4月調査※)および今回で、「年0.5%以下」が大きく減り続けている。目立って増えたのは、「年0.5%超~年1.0%以下」で過半数の53.4%にまで拡大した。これは変動型の金利が上昇したことで、「年0.5%以下」から「年0.5%超~年1.0%以下」に移行した影響が大きいのだろう。
※前回調査:2024年10月~2025年3月までに住宅ローンを借りた個人が対象
今回調査:2025年4月~2025年9月までに住宅ローンを借りた個人が対象

また、「年1.0%超~年1.5%以下」も前回、今回と増加している。

金利上昇の影響?住宅ローンの変動型を選んだ人が減少!月々3万円増えたら返済できる?

【画像1】借入金利の水準(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)

次に、利用した住宅ローンの「金利タイプ」を見ていこう(画像2)。

前回79.0%まで拡大した「変動型」が、今回は75.0%まで縮小した。一方、「固定期間選択型」や「全期間固定型」で増加が見られる。

変動型は年に2回金利を見直すが、その金利が上昇局面に入ったことで、より長い期間、金利を固定できるタイプを利用した人が増えたということだろう。

金利上昇の影響?住宅ローンの変動型を選んだ人が減少!月々3万円増えたら返済できる?

【画像2】利用した金利タイプ(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)

さらに、「返済期間」にも変化が見られる(画像3)。

「30年超~35年以内」(38.9%)が最多であることに変わりはないが、全体的に返済期間が短くなっているように感じる。返済期間が長いほど、金利上昇により利息が増えるため、リスクヘッジをした人も多いと考えられる。

一方で減ったとはいえ、超長期ローンといわれる「35年超~40年以内」や「40年超~」が合わせて23.4%もいる。金利上昇によって想定より毎月返済額が増えるため、返済期間を長くして毎月返済額を抑えようとした人もいたと考えられる。

超長期ローンでは、当初は、毎月返済額に占める利息の割合が多いので、元金がなかなか減らないということを理解しておくとよいだろう。

金利上昇の影響?住宅ローンの変動型を選んだ人が減少!月々3万円増えたら返済できる?

【画像3】返済期間(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)

日銀の利上げの影響、約半数が「影響あり」と回答

さて、日銀の利上げによって、ローン選択に「変化があった」人はどのくらいいるのだろうか(画像4の左)。前回の44.3%より多い、ほぼ半数の49.7%が「変化あり」と回答した。

金利上昇の影響?住宅ローンの変動型を選んだ人が減少!月々3万円増えたら返済できる?

【画像4】日本銀行の金融政策変更の影響(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)

「変化あり」の内容を見ていこう(画像4の右)。

9.9%が選択した「借入額を減らす」ことは、利息&毎月返済額を減らすW(ダブル)の効果がある。しかし、借入額を減らすと「住宅予算を減らす」ことにもつながるので、取りづらいという人もいるだろう。

また、「返済期間を長くする」(7.3%)と、利息は増えるが毎月返済額は減らせる。

逆に「返済期間を短くする」(6.0%)と、利息は減るが毎月返済額は増える、という関係にある。どちらを重視するかで、返済期間の選び方は変わるだろう。

毎月返済額が1万円の増加なら返済継続できるが、3万円や5万円なら?

では、変動型や固定期間選択型を選んだ人たちは、今後金利が上昇したことで毎月の返済額が増えた場合に、どう対処するつもりなのだろうか(画像5)。

月々の返済額が1万円増えた程度なら、約6割は特に支障なく返済が続けられると回答している。しかし、増える額が月々3万円や5万円になってくると「見当がつかない、わからない」という回答が最多になる。そうなったときの手立てを今は考えられないということだ。

金利上昇の影響?住宅ローンの変動型を選んだ人が減少!月々3万円増えたら返済できる?

【画像5】返済額が増加した際の対応(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)

例えば、4000万円の住宅ローンを35年返済で借りた場合で、毎月返済額が増える様子を見てみよう。当初0.6%から3年後に1.6%になったと想定すると、その場合の毎月返済額は0.6%の10万5611円から1.6%の12万2816円になる。さらに3年後(当初から6年後)に2.6%になると、13万9947円になる。

変動型の場合、年2回金利を見直すが、毎月返済額が急に増加しないようなルールが設けられていることも多いので、実際にはもっと複雑な試算になるが、金利がじわじわ上がり続けると返済額がどの程度増えるかを見てほしい。

■金利上昇と返済額増加の例

当初金利0.6%3年後1.6%6年後2.6%毎月返済額105,611円122,816円139,947円

試算条件:借入額4000万円、元利均等・35年返済・ボーナス返済なし、金利は当初0.6%、3年後に1.6%、6年後に2.6%が適用された場合

この試算例の場合、3年後ならなんとか返済し続けられる人が多いかもしれないが、6年後には月々3万円を超えて増えるので、何らかの手を打たないと返済し続けられない人が多くなるかもしれない。

繰り上げ返済をするには、まとまった資金が必要となる。

また、借り換え先の金利も同様に上がっているので、毎月返済額の抑制効果があまりないということも考えられる。返済額が増えたら「どうしてよいかわからない」という人は、あらかじめ借り換え額を抑えたり、金利を長期間固定するタイプを選んだりといったリスクヘッジをしておくほうがよいだろう。

今後の金利の動きはどうなるだろう? 高市早苗首相は日銀総裁と会談した際に、追加利上げに難色を示したと報じられている。さらに、日銀の審議委員の後任人事案として、高市首相は自分と同じ考え方の2人を指名する案を提示した。人事案がこのまま国会で承認されれば、日銀の利上げ路線が抑制される可能性もある。

このように、さまざまな状況の変化で、日銀の政策も変わり、今後の住宅ローンの金利動向も変わる。ただし、インフレ局面に移行した日本は、上昇の速度が変わっても、金利は上がる方向性であることに変わりはない。住宅ローンの資金計画では、それを見込んだ選択をしておきたいものだ。

●関連サイト
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」

編集部おすすめ