リクルートの調査研究機関『SUUMOリサーチセンター』が、「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」の結果を発表した。その結果を見ると、やはり平均価格は上昇していた。

では、価格と金利のWの上昇下でも新築マンションを購入しているのは、どんな人たちなのだろうか?

【今週の住活トピック】
「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」を発表/リクルート

首都圏の購入価格は7324万円、東京23区では9598万円と過去最高を更新

調査対象は、「首都圏」(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で「新築マンション」を「2025年1月~2025年12月」に購入(契約)した人で、集計数は5140件。購入時期は、2024年に日本銀行が利上げを始めた影響で、固定期間が長いものだけでなく、変動金利型の金利も上がり始めた時期に該当する。

調査結果を見ると、2025年に購入契約した人の平均購入価格は、7324万円だった。2024年の6629万円より695万円増加し、2001年の調査開始以来最も高くなった。東京23区では、1158万円増の9598万円になり、初めて9000万円を超えた。また、千葉県をのぞき、他のエリアでも平均価格は上昇した。

■平均購入価格の推移(調査時期:2014年~2025年)

首都圏の新築マンション購入者の平均価格は7324万円で、最高値更新。いま新築マンションを購入しているのは、どんな人たち?

購入物件所在地別 平均購入価格の推移(出典:リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」)

ちなみに、不動産経済研究所の「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025 年のまとめ」によると、2025年に販売された首都圏の新築マンションの平均価格は9182万円。東京23区の平均価格は1億3613万円だった。

リクルート(実際に購入契約した人が対象)の調査では、平均購入価格が7324万円、東京23区が9598万円なので、実際に販売されている新築マンションの価格と、アンケートに回答した一般の購入者とでは、平均価格には開きがあるようだ。

購入者の世帯年収は平均1213万円、世帯総年収1200万円以上が増加

それでは、新築マンションの価格上昇と住宅ローンの金利上昇、Wで上昇するなか、どんな人が新築マンションを購入したのだろうか?

まず「共働き比率」は、全体の62.3%で、既婚世帯だけで見ると78.2%となり、調査開始以降で最も高くなった。共働き比率を既婚世帯のライフステージ別で見ると、夫婦のみ世帯では90.9%、子どもあり世帯では75.0%、シニアカップル世帯では33.1%だった。

なお、シングル世帯は全体の17.6%で前回と同じ割合だった。

次に、「世帯総年収」を見ると、全体平均で1213万円となり、前回の1129万円を上回った。特に、世帯年収「1200万円以上」の伸び率が大きく、全体の32.7%を占めた。

ライフステージ別の世帯総年収を見ると、シングル女性世帯以外は1000万円を超えた。世帯総年収と共働き状況をクロスしてみると、世帯総年収「1200万円以上」の43.7%が既婚・共働き世帯が占め、いわゆる「パワーカップル」が新築マンション購入者の核になっていることがうかがえる。

■総世帯年収

首都圏の新築マンション購入者の平均価格は7324万円で、最高値更新。いま新築マンションを購入しているのは、どんな人たち?

世帯総年収と共働きの有無(出典:リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」)

ローンの借入総額は平均5956万円で、前回の5671万円から285万円増えた。既婚・共働き世帯に限ると、平均借入額は6354万円まで上がった。

さらに、住宅ローンの契約形態を見ると、「世帯主と配偶者のペアローン」の割合は前回より微減の36.4%。既婚・共働き世帯では、54.1%だった。なかでも、世帯年収1000万円以上の共働き世帯(73.7%)がペアローンを積極的に利用していることがうかがえる。

■単独名義かペアローンか

首都圏の新築マンション購入者の平均価格は7324万円で、最高値更新。いま新築マンションを購入しているのは、どんな人たち?

住宅ローン契約形態(ローン借入者のみ)(出典:リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」)

購入理由は逆転で「資産として有利だと思った」がTOPに

今回、特に注目したいのが、新築マンションの購入理由だ。これまでは「子どもや家族のため、家を持ちたいと思ったから」がテッパン1位だったが、「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」が36.7%で、逆転して1位になった。新築マンションの資産性について、かなり意識していることがわかる結果だ。

一方、これまでと比べてかなり低くなったのは、「金利が低く買い時だと思ったから」「税制が有利で買い時だと思ったから」だった。

■購入理由(3つまで限定回答)

首都圏の新築マンション購入者の平均価格は7324万円で、最高値更新。いま新築マンションを購入しているのは、どんな人たち?

購入理由( 出典:リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」)

こうして見ていくと、既婚・共働き世帯で世帯総年収が高く、ペアローンを利用して借入額を引き上げられる人たちが、資産価値を意識して物件を選んでいる姿が浮かび上がる。こうした層が2025年の新築マンション購入者の核になったといえるだろう。

資産価値は必ずしも右肩上がりではない

ここで、新築マンション購入者の世帯主年齢を見ておこう。平均年齢は38.9歳。「30~34歳」が最多の30.2%、次いで「35~39歳」が18.1%で、30代が半数近くを占めている。2025年に30代だった彼らが生まれたのは、1986年~1995年となるだろう。

■契約時世帯主年齢

首都圏の新築マンション購入者の平均価格は7324万円で、最高値更新。いま新築マンションを購入しているのは、どんな人たち?

契約時世帯主年齢(出典:リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」)

地価や株価が上昇を続けた「バブル」が崩壊したのは1990年代初頭。それ以降は長期間にわたるデフレに入る。恥ずかしながら筆者は、バブル期に(リクルートの住宅情報編集部に入る前だったが)、軽い気持ちで質の悪いマンションを買ってしまい、大暴落した経験がある。バブル期の不動産会社のセールストークは「値上がりするから買って損はない」だった。

30代の人たちは、バブル期に資産が高騰し、バブル崩壊後に暴落したことを実感した年代ではないだろう。いま不動産価格は上昇を続けているが、国際情勢は不透明で、いつ何が起きるかわからない。そうしたことも踏まえて、資産価値を考える必要があると思う。

特に、ペアローンや超長期ローンでめいっぱい借りてしまうと、想定外の事態に対応できないこともある。

無理のない資金計画を立てることが、最も重要なことだ。

さて、2026年の公示地価が公表されたが、東京や大阪では地価の上昇率も加速している。一方、愛知県や福岡県などでは、地価は上昇するも上昇率が鈍化する状況も見て取れた。新築マンションの価格は右肩上がりが続くということに、慣れてしまわないようにしてほしい。

●関連サイト
リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査(2025年)」

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