10年に1度とも言われる大雪が日本の広範囲で降った2月8日。慣れない雪ですべったり、積もった雪をどうしたらいいか途方にくれている人も多いはず。
ところで、戸建住宅の場合は家主が雪かきをするのは当然のことだが、マンションなどの集合住宅の場合、一体誰が雪かきをするのだろうか。そこで今回は、雪国の雪かき事情について、北海道マンション管理組合連合会の方にお話を伺った。
「一口に集合住宅と言っても、賃貸(公営・民間)か分譲かで仕組みが違います。分譲マンションの場合は、基本的にはロードヒーティングなどの設備があったり、除雪業者と契約を結んだりしています。雪が積もった場合はこういった設備や専門業者を活用するため、居住者がマンション周りの雪かきに駆り出される、ということはないですよ」ちなみにロードヒーティングとは、道路のアスファルトの下に電気コードや温水を流すためのパイプなどを敷き、雪を溶かしたり路面の凍結を防いだりするシステム。管理人が常駐のマンションでは、管理人さんが雪かきをするケースもあるのだという。
「一方で、賃貸住宅の場合は事情が違うようです。例えば公営住宅などでは、共用部分の雪かきが持ち回り制になっていることがあります。民間の賃貸住宅の場合は管理費に除雪費用も含まれていますが、物件によっては、予算の関係で除雪が一部にとどまり、十分に行き届かないケースもあります」このように物件によってどの程度除雪サービスを受けられるかはケースバイケース。統一的なルールも無い上、契約時に説明されることもあまりない。住宅購入時や賃貸契約時に、不動産会社や管理会社にきちんと確認する必要がある。
雪に不慣れな土地からこういった場所に移り住む場合に、気を付けることはあるのだろうか。担当者によると、
「雪国の住人は、必ず一家に一セット、雪かき道具を持っています。たとえマンション住まいでも、絶対に欠かせませんよ。除雪業者が雪かきをすべてやってくれるとしても、雪かきを要請して来てくれるまでにはタイムラグがあります。それまでに車を出したい、など、自分の生活リズムに応じて対処しなければならない事態に備えるためです。『自分のことは自分で』という意識が大事ですね」とのこと。人任せにするのではなく、各自が自主的に行動し支えあうことで、雪国での暮らしは成り立っている。
この春、進学や就職で降雪地域に引越すという方は、来たる冬にむけて、新しい住まいでの雪かきルールをきちんと確認し、早めの備えも考えておこう。