●クロワッサンや肉まんなど、ホットサンドメーカーでいろんな食べ物を挟んでどこまで美味しくなるのか検証してみた。
最近、韓国発の「クロッフル」というスイーツが、日本でも流行っているんだとか。
初めて聞いたときは、けっこう驚きました。だって、フランス発祥の「クロワッサン」といえば、薄い生地がたくさんの層になっていて、焼き上げるとその層の間に空洞ができ、それがあのサクサク食感を作っているのに。クロワッサン生地を凸凹のワッフルメーカーで押し潰してはさみ焼きにするなんて、フランス人から激怒されそうです。
しかし、実際に食べたことのある人の話では、「クロッフル」はクロワッサンのサクサク感とワッフルのもちもち感の両方を併せ持つスイーツなんだそうです。ならば、一度は食べてみたい。
そこで、すぐにやってみました。ただ、近所で冷凍クロワッサン生地が売っていなかったので、買ってきたクロワッサンを、我が家にある「BRUNO」のホットサンドメーカー(別売のワッフルプレートを使用)に挟んでみることに。
近所のパン屋さんで売っていた美味しそうなクロワッサン。見るからにサクサクしています。これをホットサンドメーカーで押し潰すのは何ともしのびないのですが、仕方ありません。
思いっきり力を込めて圧をかけると、クロワッサンはクシャクシャッという音を立てて、ホットサンドメーカーに挟まれていきました。そしてそのまま挟み焼きにすること3~4分。徐々に香ばしい匂いが漂ってきました。というわけでいざオープン!
“ぺちゃんこクロワッサン”の完成です。
ただ、ちゃんとした「クロッフル」は、やはり冷凍のクロワッサン生地をワッフルメーカーに挟んで作るのが正解です。
冷凍クロワッサン生地を凍ったままワッフルメーカーに挟み、6~7分焼いていきます。しばらくすると、バターの芳醇な香りが立ち昇り始めました。フタを開けると、プレスしたクロワッサン生地はぷく~っと蘇るごとく膨らんでいく。実に美味しそう! これは完璧なクロッフルだ! しかも超簡単です。
食べてみると、予想に違わぬ美味しさ。
なるほど、本来は膨らんでいるものをプレスすることで新しい味が生まれ、新しい美味しさになる――。ならば、他にもホットサンドメーカーでプレスすれば美味しくなるものはたくさんあるんじゃないか? と思い始めたんです。そこで白羽の矢を立てたのが、あんぱんです。
これは作る前から美味しい予感がしていたのですが、絶対に間違いないアイテムです。実際、ホットサンドメーカーに挟んでぎゅぎゅっとプレスし、約3~4分。これまた香ばしい香りが合図となって、プレスあんぱんが完成しました
そうして焼いたあんぱんは、想像以上の美味しさでした。パン生地は、外はカリッ、あんこに接する内側はもっちりもちもち。さらに温められたあんこもホカホカ&ホクホク。ある意味、大判焼きととてもよく似ています。コンビニで買った100円ちょいのリーズナブルなあんぱんが、こうして何倍も美味しくなりました。これはぜひやってみて欲しい!
さらに調子に乗って、今度は冷凍庫に隠し持っていた「肉まん」にも手を出すことにしました。
肉まんをはさみ焼きにしたらどうなる?
肉まんも、クロワッサンの時と同様に、ホットサンドメーカーに挟むとなると、やはりためらいが生じます。肉まん職人が生地をこねて寝かせ、ふっくらしっとり仕上げたであろう手間暇を考えると、このふくよかな生地を一瞬で潰してしまうのは、冒涜しているような気持ちになるわけです。
しかし、筆者はすでに知っています。クロワッサンにせよあんぱんにせよ、空気を含んでふっくらした食品ほど、プレスすることで逆に生地も味わいもぎゅっと凝縮され、新しい美味しさを醸し出してくれることを。というわけで、一気にむぎゅ~っと圧をかけました。そうして出来上がったのがこちら。
表面はまるで“おやき”みたいなきつね色。そして、かぶりついてみると、びっくりするほど美味しいんです。表面は餃子の皮のようにこんがりパリッとしていて、噛めば中はしっとりムチムチ。肉のジューシーさと皮のモッチリ感が一体化して、控えめに言って最高。これは、もはや肉まんではなく、まったく新しい食べ物と言っていいでしょう。
検証結果
というわけで、クロワッサンもあんぱんも、そして肉まんも、サンドイッチメーカーでプレス焼きしたら、新たな味わいに進化することがわかりました。クロッフルも美味しいですが、筆者のお気に入りはあんぱんと肉まん。これらに関しては、むしろプレス前よりも好きです。みなさんもぜひ一度やってみて、その美味しさに感激してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)