ここ数年“つけ蕎麦専門店”が急増中ですが、特に食楽webが注目しているのは、ラーメン屋さんに負けないくらいの“ガッツリ系”。今回はその代表とも言える高田馬場の『つけ蕎麦 安土』をご紹介します。
今から11年前の2007年6月、まだつけ蕎麦専門店がほとんどない頃に、高田馬場にオープン。人気ラーメン店が軒を連ねる学生の街で「他にはない面白い一品で勝負したい」とオーナーが目をつけたのが、自身の好きな「お蕎麦」でした。
当時は「つけめん」ブーム真っ只中。高田馬場界隈にも沢山の「つけめん」屋さんがありました。それに負けまいと、コンセプトは、ガッツリ食べられ、しかもリーズナブルで、そして何より美味しく蕎麦を楽しめること。
そこで「つけ蕎麦」スタイルにし、ラーメン屋に負けないくらいのこだわりの鶏白湯スープで作る「バリエーション豊富なつけ汁」、ボリューム満点の「肉々しいトッピング」、そして、「コシの強い自家製麺」にこだわることに。
そのこだわりの1つ1つを店長の千葉さんに聞いてみました。
店頭の石臼でひく、香り高くフレッシュな蕎麦

まずお蕎麦から。店頭の石臼で “原そば”を少量ずつ挽き、その蕎麦粉に門外不出と呼ばれる「安土粉」と良質な国産小麦粉をブレンド。こねて少量ずつ塊にしておきます。そして、お客さんの注文が入ってからその塊を製麺し、釜で茹で上げます。「製麺機で瞬間的に圧縮された蕎麦は、香りが高く、コシが強いんです。こねた塊も20分以内のものしか使わないようにして、フレッシュな香りを楽しんでいただいています」(千葉さん)



バリエーション豊富なつけ汁と具材

つけ汁のバリエーションが6種類も!
次につけ汁です。こちらの最大の特徴と言ってもいいのが、そのバリエーション豊富さ。
「ベースのスープは鶏ガラ、香味野菜、酒粕やブレンド節、煮干しを6時間炊いて、1日低温熟成させた鶏白湯スープです。カエシには魚介の旨みをプラスし、6種類それぞれの個性的な味のつけ汁を作っています。共通のポイントとしては、野菜を漬け込んだオリジナルブレンドのラー油や、ブラックペッパー、四川省の花椒、黒酢などを適宜入れて、刺激的な味わいにしているところです」
つけ汁によって様々なメニューが派生し、17種類(季節メニューやこってり味も含む)も。ちなみに1番人気は「鶏つけ蕎麦」です。

ボリューム満点のトッピングがスゴい

トッピングは、それぞれの種類のつけ蕎麦によって変わってきますが、大きく分けて鶏肉か豚肉の2種類で、鶏の場合は「香味唐揚げ」、豚の場合は「豚しゃぶ」がたっぷりと入っています。
また「特製つけ蕎麦」の場合は、「炙りチャーシュー、豚しゃぶ、香味唐揚げ、煮卵」の全部入り。ラーメン屋さん顔負けの豪華絢爛なトッピングです。

というわけで、話を聞けば聞くほど、お蕎麦もスープもトッピングも非常に真面目に作られていることがわかり、美味しさの理由が納得できました。
「でもオープンした当時は、“つけ蕎麦?何それ?”という感じで、認知されず食べてももらえなかったんですよ。つけ麺ブームでしたからね。2年間は日の目を見ない状態(笑)で苦労しましたね。

いやはや、こんなにこだわっているのに、そんなご苦労があったとは! でも正直言って、断然、私は「つけ蕎麦」派です。とくにこちらのつけ汁はスパイシーでコクがあって、花山椒と蕎麦の上品な香りで、「つけ麺」よりずっと爽やか。
それに知ってました? 蕎麦は美白&美肌効果、良質なタンパク質、脂肪燃焼効果、血液サラサラ効果が期待できる、というオマケもあります。
ラーメン並にボリューム満点だけど、大食漢ではない人(筆者もです)でも余裕で完食できます。くどくないし、太る気が全くしないし、年齢の劣化を防げるなんて。こうなったら『つけ蕎麦 安土』に通い詰め、全メニューを制覇しなくては。
(取材・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:つけ蕎麦 安土
住:東京都新宿区高田馬場4-18-9
TEL:03-3227-9886
営:11:30~16:00 18:00~22:00
休:なし
https://www.tukesoba-aduchi.com/