●少しでも健康を意識する多くの人に愛されるアサヒ飲料の「十六茶」。その秘密を探りに工場に潜入! ブレンドの実態や愛される味覚の秘密を探った。

 アサヒ飲料の「十六茶」、みなさん一度は飲んだことがある人も多いのではないでしょうか? 飲むたびに味わいが変わるような複雑な香り、味覚。その秘密を探りに、実際にブレンドを体験し、普段公開していない工場へ潜入してきました。なんとも楽しく、発見のある体験!

 1993年に誕生した「十六茶」はブレンド茶の先駆け的存在。1980年代にお茶飲料市場が活性化すると、アサヒ飲料は1983年の麦茶を皮切りに「お茶どうぞ 十六茶」を発売したのです。それは画期的な存在でした。

愛されて30年! ブレンド茶のパイオニア「十六茶」の工場見学で分かったおいしさの秘訣とは
「十六茶」は種類も豊富!

「十六茶」は毎年、パッケージデザインをリニューアルし、時代に合わせて容器の変更やブレンドの微調整も行っているそう。

2005年からはカフェインゼロとしてより健康を意識した飲料へ。さらに原料の茶粕を牛の飼料に再利用するなど環境にも配慮して製品作りをしています。

 そんな「十六茶」、実は「シャンソン化粧品」のブランドなのです。最初に、同社が煮出し用ティーパックを発売したのが始まり。今でも原料のブレンドはシャンソン化粧品が、抽出・製品化はアサヒ飲料が行っています。

 さて今回は「十六茶」をブレンドする体験と工場見学の様子をお届け。

お茶のペットボトル飲料の製品化のこだわりや裏側を知ることで、「十六茶」がもっと身近な存在になると思いますよ。

16種類の素材をブレンドした「十六茶」。おいしさに導く法則とは

愛されて30年! ブレンド茶のパイオニア「十六茶」の工場見学で分かったおいしさの秘訣とは

「十六茶」は、六臓六腑四味覚(6+6+4)の考えをもとに、16種類の素材をブレンドしているブレンド茶。これは「予防しながら体質改善につながるように、体と心のバランスを整える」という、東洋医学の理念に沿って素材を厳選しているんですね。六臓六腑は人体を構成する機能。それぞれの正常な活動に加えて、バランスも整えるようブレンドされています。

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世界各国からこだわりの素材を仕入れブレンドしている

 そして16種類の素材は、四味覚(4味覚)に分類されます。

・甘さと香ばしさを作る「穀物」
・ビワの葉などを加えて漢方感のある味を作る「葉もの」
 ※初代は緑茶ベースでしたが、ノンカフェインにしたことで葉ものを減らしています。
・たんぽぽやごぼうなど苦味と土っぽさを加える「根っこ」
・みかんやゆずの皮など酸味とアロマ効果を高める「フルーツ」

 愛飲する人のコメントからは「16素材を取れる健康感」、「1日30品目摂取しましょうと言われているが、水分補給で16品目稼げた感」など、ブレンド茶に対する健康への意識が感じられます。

 筆者も愛飲する一人ですが、飲む時によって味の感じ方が違うんです。今日はとうもろこしっぽいな、今日はハーブが香るなあ、甘いなあ。複層的な味と香り。

それこそ、「十六茶」の魅力であるのでしょう。

実際にブレンドを体験!結果は……

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[食楽web]

 さて、「十六茶」のベースとなる素材をブレンドした中に、好きな素材を加えて、自分だけのブレンド茶を作ってみました。これが結構楽しい! ついつい、好きなフルーツ系の素材を多めに、美容も意識して(笑)、「みかんの皮」「ゆずの皮」「柿の葉」「たんぽぽの葉」などを投入してみました。

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 いざ、マイブレンド茶を試飲してみると……苦い! フルーツ類を入れすぎたせいでしょうか。苦味がまさって、さっぱりしてるようで口の中に苦味が残りました。むむ、ブレンド茶、恐るべし。「十六茶」がいかに、おいしさと健康を追求した複雑なブレンド茶なのか、実体験でよくわかる結果となりました。

工場へ潜入! 十六茶ができるまで

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「十六茶」の製造を行うシャンソン化粧品の工場

 ブレンド茶を楽しんだ後は、シャンソン化粧品の工場見学へ。「十六茶」は先に述べた通り、シャンソン化粧品が原料供給(焙煎、粉砕、ブレンドなど)を行い、それをアサヒ飲料で抽出、充填、ラベリングなどを施し、ペット飲料として製造販売しています。

 工場の前に到着すると、お茶ならではの香ばしい香りが漂ってきました。衛生管理を徹底し、いざ工場内へ!

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まるでコーヒーを焙煎するよう

 まずは16種類の素材の特徴を引き出すように、原料ごとの条件に合わせて別々に焙煎していきます。今回見たのはハトムギの焙煎。焙煎されていくハトムギは、まるでコーヒーのよう! 素材ごとに厳しい検査チェックを行った後、冷却・粉砕。粒度や色、香りなど様々な製品検査を通過し、ようやく全素材のブレンドが行われていきます。

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 最後は人の手を加えながら袋詰め(包装)。その後も品質管理部で味とか無生物とか官能検査をし、合格したものがアサヒ飲料へと出荷されます。この段階でも最長で5日!

 ちなみにこちらの工場では台湾用の「十六茶」やアメリカ用などの原料も供給していきます。送る国に合わせて処方、味を変えているそう。ブレンド茶ならではの細かな工程と品質管理の末、でき上がる「十六茶」。ペットボトル飲料製造の深淵をのぞいた後に飲んでみると、また違った味わいを感じました。

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複雑な味わいを噛み締めました!

新商品がまもなく登場! 美と健康のブレンド茶「美的十六茶」

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「美的十六茶」 ※写真はサンプル品

 6月18日には、こだわりのルイボスとナツメを使った特別ブレンド茶「美的十六茶」が発売されます。美容や健康に気遣う人なら取り入れているだろう、ルイボスとナツメを含む16種類の健康素材をブレンド。実際に味わうと甘香ばしくて、後味はすっきり!  とても好きな味だったので、発売が待ち遠しくなりました。暑くなるこれからの季節にぴったりですね。

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6月18日発売の「美的十六茶」ペットボトル630ml、希望小売価格160円(税別)

●DATA
アサヒ飲料「十六茶」
https://www.asahiinryo.co.jp/products/16cha/