大学時代の親友Tとなじみの店で飲んだときのこと。我々はこんな会話を交わしていました。
T:「お前ファルファッレって知ってる? じゃあコンキリエは? カヴァタッピって聞いたことない?」
筆者:「イタリア代表のサッカー選手??」
T:「パスタの種類。最近、嫁がイタリア料理教室に通い始めて、週末の夜は見たことも聞いたこともないパスタ料理が食卓に並ぶんだよね。そのうち製麺機とかピザ窯がほしいとか言い出しそうで…。オレはそんな意味不明な形状のパスタじゃなくて、ナポリタンを思う存分食べたいんだよね」
筆者:「分かる。神保町『さぼうる』とか練馬『アンデス』とかにあるようなザ・喫茶店のナポリタン、たまに食べたくなる」
お互いのナポリタン愛を確かめ合う2人。その数日後、TからLINEが来ました。
「オレ好みのナポリタンを見つけた!」
Tが太鼓判を押す店は、昨年12月にJR高田馬場駅から歩いて約10数分の大通り沿いにオープンしたナポリタン専門店『ボロンゴ』。というわけで、早速行ってきました!
『ボロンゴ』の店主はドラクエ好き!

まずは券売機で食券を購入。メニューは「絶品ナポリタン」と「濃厚ミートソース」の2種類のみ。その潔さ、好きです。サイズは3つから選ぶことができます。
・「キラーパンサー級(200g or 300g)」550円
・「カンダタ級(400g or 500g)」650円
・「アークデーモン級(600g or 700g)」750円
さらに、アークデーモンを倒した大食い勇者は「ハーゴン(+100g or 200g)」「デスピサロ(+300g or 400g)」「ダークドレアム(+500g or 600g)」「かみさま(+700g or 800g)」への挑戦権が得られるそう。
今回は「キラーパンサー級」=550円+ぶっかけ粉チーズのトッピング=100円にしました。食券を購入して店内に入ろうとするのですが、想像以上に店内が「せ、せ、せまい!」。看板にメタボ盛りの名店とありましたが、ホントにメタボな人はかなり窮屈に感じると思います。
でも、大衆酒場でも同じじゃないですか。これは筆者の持論なのですが、本当に美味いものは狭い店にある! 狭い店って混雑時にはワサワサしていて、ちょっと入るのに躊躇しがちですが、勇気を出して入ってみたら、絶対にいい出会いがあると思うんですよね。というわけで、ダンジョンを攻略するドラクエの勇者の気分で、店内に進みましょう!

食券を渡すと、店主に「200gにしますか? それとも300gにしますか?」と聞かれます。「300gでお願いします!」

赤を基調にした店内の壁には食をテーマにした映画のポスターやチラシが貼ってあって、結構オシャレな感じ。赤と白のギンガムチェック柄のテーブルもポップでいい感じです! そんな風に店内をウキウキウォッチングしていると…。

じゃーん、ついに絶品ナポリタンの登場です! 銀のお皿に盛られたアツアツの赤い彗星。
麺の茹で加減もアルデンテとかそんなんじゃなくて、飲み物のようにスルスルと喉を通っていく感じ。これですよ。これ。オレたちが求めていたのは。ナポリタンはこうでなくちゃあ。まさに青春時代に食べた郷愁の味です。思い出フィルターって料理の最高の隠し味だと思うんですよね。いまでは仕事に子育てに奮闘するサラリーマン戦士の親友Tが絶賛するのも納得です。

卓上にはハバネロのほかにカレーパウダーや黒コショウなどが置かれていて、味に変化をつけられるので、飽きることなく、あっという間に300gを完食。お腹が空いていたら500gは余裕でいけそうです。
ランチタイムを過ぎた遅めの時間帯には持ち帰りにも対応してくれるようなので、春の季節には桜の木の下で、ビールを飲みながら、大盛りナポリタンを頬張りつつ、ノスタルジックな時間を過ごすのも楽しいんじゃないでしょうか。
というわけで、人生で一度は食べるべき至高の味とか、そんなんじゃなくて、お腹空いたときにふらっと立ち寄りたい高田馬場のはずれにあるナポリタンの名店でした!
(取材・文◎大崎量平)
●SHOP INFO

店名:ナポリタン専門店 ボロンゴ
住:東京都豊島区高田3-22-12
TEL:070-1417-2598
営:11:30~15:45、17:00~20:30
休:日・祝(祝日のない月は第4土曜休)