料理の味に対して、“絶品”と表現することがありますが、「絶望」という言葉はあまり使わないものです。しかし、イタリア・ナポリの郷土料理に“絶望のスパゲティ” という料理があります。
名前の由来は諸説ありますが、娼婦がありあわせの常備材料(ニンニク、唐辛子、ブラックオリーブ、アンチョビ、トマトなど)で作ったことから、「絶望しているときでも美味しい」と、この名がついたとか。ちなみに「貧乏人のパスタ」(ポヴェレッロ)なんていうのもイタリアにはあるようで……筆者が学生時代にお金がなくて作った塩パスタを思い出します。
そんな絶望のスパゲティが人気のお店が東京にあります。それが『ホームズパスタ(Home's PASTA)』。1996年に渋谷にオープンしたお店で、いまでは新宿や品川、池袋などにもお店を構える超人気店。今回は、その絶望のスパゲティの人気の秘密をご紹介していきましょう。
「絶望」のパスタはスープタイプ

訪れたのは『IVO Home’s PASTA 新宿店』。場所は、新宿三丁目の伊勢丹新宿店の裏、靖国通り沿いのビル3Fです。時刻は昼の12時ちょっと前でしたが、エレベーターを上がると店内は早くも満席。まずは非常階段に案内されて行列に並ぶことに。
待機中に渡されたランチメニューには、塩味、クリーム、トマトソースなどいろんな種類のパスタがズラリ。
ちなみに、本場ナポリの「絶望のスパゲティ」(プッタネスカ)は、赤唐辛子とニンニク、アンチョビ、ケッパー、黒オリーブ、トマト(生)でソースを作ります。このソースに茹でたパスタを絡めたもの。
つまり、ここのはクリームやキノコが入っているので、お店のアレンジが施されたオリジナルレシピの絶望スパゲティということですね。入店すると、周りのほどんどの客がこの「絶望」を食べていました。すごい人気です!

登場した「絶望のスパゲティ」は、スープが皿のフチまで満たされていました。そのスープは熱々でグツグツと沸騰しており、クリームが入っているからか赤というよりオレンジ色。
さっそくスープを一口飲んでみると、ニンニクの味や香りがガツンと来ました。トマトの酸味と素材の旨味が溶け込んだまろやかさを感じます。ウマい!

量もたっぷりです。トマトクリームソースは、とろとろした部分とさらさらの部分があって、スパゲティとの絡みも絶妙。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:IVO Home's PASTA 新宿店
住:東京都新宿区新宿3-14-23 3F
TEL:03-3357-5306
営:ランチ11:30~15:00、ディナー17:00~22:00
休:無休