チャーハンは、ごはんと具材を炒めるだけの料理。家でも簡単に作れますが、やっぱりお店で食べるチャーハンは、段違いに美味しいですよね。

 家チャーハンと店チャーハンの違いは「火力?」、「炒め方?」「調味料?」。いろいろ考えて試しますが、あるチャーハン好きに言わせると「ウマいと言われるチャーハンを食べ歩いてわかったことは、同じチャーハンはひとつとしてなく、答えがないので、家で作るのは“焼き飯”と割り切って、おとなしくお店に食べに行ったほうがいいですよ」とのこと。

 そこで、その言葉に従い、その彼が教えてくれたお店を食べに行こうというのが本企画の主旨です。

 そのチャーハン好きは、都内のフィットネスジムでトレーナーとして働く秋山龍栄さん(仮名・43歳)さん。都内でチャーハンがおいしいと言われる店はほぼ制覇し、さらに有名店のチャーハンを家で再現までするガチ勢。

 そんな秋山さんがオススメしてくれたのは、秋山さんの勤務する街、神保町にある街中華『成光(なりみつ)』さんです。職場から近いこともあり、週に1~2回は行くそうです。

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?
今回紹介するのは神保町にある街中華『成光』さん。神保町のさくら通りの角にある

 秋山さんいわく、「ここのチャーハンは私の理想形。真似しようと何度も家でトライしたけど、結局、本物のレベルの高さをよく知っているだけに、ちょっとした違いが気になってしまい、すっかり断念しました」とのこと。ではさっそくその『成光』さんのチャーハンを紹介していきましょう。

具材もごはんも一体感ある粒立ちチャーハン

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?

 神保町といえば、カレーの名店が多いことで知られていますが、ラーメンや中華、洋食、喫茶店など多種多様な老舗が軒を連ねる街でもあります。

 そんな羨ましい街に職場を持つ秋山さんですが、今回『成光』さんおチャーハンをイチオシした理由を聞いてみることに。

――まず、『成光』さんはどんなお店ですか?
秋山さん「1977年創業の中華屋さんです。

神保町には明治~昭和初期に創業した老舗中華も多いので、『成光』さんは決して古いお店ではないのですが、外観も店内も昭和の趣を感じるザ・町中華屋さんです。といっても清潔感があり、壁のメニューやテーブル、卓上調味料など何をとっても風情がありつつ、ちゃんと清掃が行き届いていて、とても気持ちがいいお店です」

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?
壁に貼られたメニュー[食楽web]

――さっそくですが、『成光』さんのチャーハンについて教えて下さい。
「〈チャーハン〉は700円でスープ付きです。人気は〈半チャンラーメン〉(1000円)。実際、多くの人がこれを注文しています。ただ、僕はチャーハンをしっかり食べたいのでいつも単品。ただ追加で、〈味付け玉子〉150円をチャーハンの上に載っけてもらうのが定番です」

――「味付け玉子」をつける理由は?
「一応トレーナーなので(笑)、初めて行ったどきは、単純にタンパク質補給のために注文したんですが、食べてみるとこの「味付け玉子」がすごい美味しかった。白身部分の味のしみ具合も、黄身の半熟具合も絶妙なバランス。なので、毎回付けるようになりました」

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?
「味付け玉子」150円

――肝心のチャーハンの特徴は?
「最大の特徴は、具材の玉子、チャーシュー、ネギが、すべてごはん粒サイズほどにめちゃくちゃ細かく刻まれて入っていること。口に入れたとき、これはお米だ、チャーシューだ、ネギだといった感覚がなく、ものすごい一体感があるんですよ」

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?
具材がごはん粒サイズに刻まれています

――なるほど、ゴロゴロチャーシューを売りにしてる店もありますが、具材が細かいと一体感が出ますよね。
「はい。刻まれた具材とごはんの混ざり具合も完璧で、しかもごはん粒のひとつひとつに油や味がコーティングされている気がします。

実際に食べるとふわっと空気感があり、サラサラ、パラパラッと口内に広がって、噛みしめるとしっとり感もある。油もしっかり使っているはずですが、ベトついた感じはまったくありません」

――味はどうでしょう?
「一言で言うと、非常にまろやかな優しい味のチャーハンです。食べ始めから最後まで、まるで計算されたかのように、そのまろやかさが続きます。店によっては、食べている途中で油やキツイ味に飽きるタイプのチャーハンもあります。しかしここのチャーハンは最後の最後まで美味しい。完璧だと思います」

まとめ

 秋山さんのお話を聞いているだけで、『成光』さんのチャーハン美味しさがよく伝わってきました。さっそく筆者もお店に行って食べてきましたが、伺っていた話以上に美味しくて感動しました。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

東京のチャーハンマニアが激推しする神保町の町中華『成光』のチャーハンのすごさとは?

成光

住:東京都千代田区神保町2-23
TEL:03-3261-6030
営:11:15~15:00、17:00~21:00
休:日

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