●大阪の中央市場にある『ゑんどう寿司』で朝から食べられる“おまかせ”寿司の美味しさを実体験してきました。

 何かと忙しい現代人、朝ごはんは食べたり、食べなかったり……食べてもごく質素なもので済ます人も多いでしょう。

だからこそ、たまには早起きして朝から贅沢してみるのはどうでしょうか?

 特別な朝ごはんにピッタリなお店を大阪で発見しました。そのお店は、市場の中で朝から営業しているお寿司屋さん。朝寿司が食べられると、実際に訪れてみました。

市場内で早朝お寿司が食べられる『ゑんどう寿司』

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
市場の中ということもあって変な飾り気は全然ない『ゑんどう寿司』

 今回紹介するお店があるのは、大阪市福島区にある大阪市中央卸売市場。魚を知り尽くしたプロが働いている市場の中にあるお寿司屋さんなんてもう、絶対に美味しい予感しかない!

 市場の中を進み、期待と不安を胸にやって来たのが、『ゑんどう寿司』。時刻は朝の6時。お店自体は14時前までやっているので、実はそんなに早く来なくても大丈夫なのですが、朝の市場の雰囲気も味わってみたいので始発に乗ってやってきました。

 お店に着いたのは開店の少し前。まだお客さんがいなかったので、朝の市場の雰囲気を感じながら散策して戻ると、開店から10分ほど経っていました。すると、店内はすでにお客さんでほぼ満員! みなさん、一体どこにいたんでしょう……。

『ゑんどう寿司』は回転重視のためか、システムが独特なのです。まずお店の人から「おまかせですか?」、「赤だしは飲みますか?」、「苦手なネタはありますか?」、「ワサビはいれますか?」など食べ方についていろいろ聞かれます。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
ハケと醤油が最初に出てくるちょっと独特のシステム

 基本は「上まぜ」というおまかせメニューで、一皿1400円で寿司5貫の提供となっています。

それを一皿頼み、食べ終わる少し前に「次を食べますか?」と聞かれます。まだ食べるのであれば、また一皿5貫の追加で次のおまかせの寿司が来るという繰り返し。おまかせは全部で5種類あるそうです。

「おまかせ、わさびあり、苦手ネタなし、赤だし付き」で注文して待つことしばし。ちなみに各卓には醤油とハケ、それにガリのセットがスタンバイされていて、お寿司に醤油をサッと一塗りして食べるスタイルとなっています。

朝からレベルの高いおまかせ寿司「上まぜ」をいただく

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
上まぜ(あなご、うに、タイ、中トロ、ハマチ)1,400円

 5貫で1400円というのは、回転寿司などから考えるとちょっと高いかなー?と思っていましたが、目の前のお寿司を見て唖然。どうもそんなレベルではないお寿司が登場しました。

 最初のおまかせは、穴子、ウニ、タイ、中トロ、ハマチ。どのネタもツヤツヤと輝き、鮮度、分厚さが素晴らしい。朝寿司と油断していましたが、食べる前からクオリティのスゴさが実感できる一皿となっています。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
ハマチに大根おろしでさっぱりとした印象

 何から食べていいのか迷いますが、まずは右端のハマチをいただきます。濃厚な旨味のあるハマチに大根おろしが乗っていて、サッパリとした後味が演出されています。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
小皿の醤油に浸すと崩れるフワッと成型されたつかみ寿司

 ちなみにこちらのお店では、お寿司は「にぎり寿司」とは言わず、手づかみでサッと成型することから「つかみ寿司」と呼ばれていて、口の中でフワッとほどけるシャリが特徴となっています。

 そのような背景から醤油も小皿に浸すのではなく、ハケでサッと塗って食べるのが、ゑんどう寿司式。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
肉厚で旨味がたっぷりの中トロ

 中トロはネットリとした旨味ととろけるような食感で、朝からこんなに美味しいお寿司食べてていいのか? と思える一品。鯛はプリっ、トロッとした食感。さっぱりした印象の鯛ですが、かなりの脂の乗り具合、こんな鯛、初めてかも!

 4貫目はウニ。トローっとしたクリーミーな食感に濃厚なコクと甘み、その後にかすかな苦味が感じられ、人生で食べたウニの中でトップ5くらいの旨味あふれる一品でした。

 ラストに食べた穴子は、とろけるような食感。ふかふか、ジューシーでスモーキーという不思議な味わいで、甘すぎないタレと相まって、魅惑的ながら上品さも共存していました。

一皿では終われないゑんどう寿司

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
赤だし400円

一皿目を食べ終え、次を食べるか聞かれたので、「もちろんもらいます」と返答。合間にいただいた「赤だし」は、シジミとミョウガがたっぷり! ほとんどの人が頼む人気メニューとなっています。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
上まぜ(ズワイガニ、赤貝、貝柱、中トロ、太刀魚の炙り)1,400円

 2皿目は、貝やカニなどのやや変化球ネタ。貝が苦手な人は先に申告しておくことをオススメします。カニ、赤貝、ホタテ、中トロ、右端には炙りの太刀魚が並んでいました。

お寿司のネタとして珍しい太刀魚の炙りはフワッとした食感と香ばしさが後をひく美味しさでした。

【大阪モーニング】中央市場でお寿司の朝ごはん! ゑんどう寿司の「つかみ寿司」が最高すぎた
上まぜ(たまご、エビ、煮アワビ、トロ鉄火、タコ)1,400円 [食楽web]

 一旦、中締めにする人も多そうな3皿目には、タマゴなども登場。中でも特筆すべきは、煮アワビ。プルン、トゥルンとした食感で、固さはないのに弾力と旨味が詰まった感じ。また柔らかく煮込まれたタコや肉厚のエビ、しっとりとダシを感じる玉子焼きなど、様々な味と食感の味わえる一皿を味わってフィニッシュしました。

 朝の6時に贅沢な朝ごはん。「日本広しと言えど、自分こそが一番美味しい朝ごはんを食べているのではないか?」と思えるほど、満足のいく朝ごはんとなりました。

 ちなみに、「おまかせ」寿司は1皿5貫で1400円が5種類。今回は、1番から2番、3番の順で提供されましたが、1番、4番、5番や2番、3番、4番など変則的な注文も可能となっています。

 食の町、大阪で朝から非日常と贅沢を堪能できる朝寿司。記憶に残る朝ごはん体験となること間違いなしです。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO
中央市場 ゑんどう寿司(ちゅうおういちば えんどう)

住:大阪府大阪市福島区野田1-1-86 大阪市中央卸売市場本場
TEL:050-5592-7600
営:06:15 ~ 13:45
休:日・祝
http://www.endo-sushi.com/

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。

大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。

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