●東京にある地方のアンテナショップをめぐり、そこで買える絶品「和菓子」を探してきました。今回は香川、愛媛の"瀬戸内”の名産品が集まる新橋の『せとうち旬彩館』に突撃!
東京・JR新橋駅から徒歩1分ほどの場所にある『香川・愛媛 せとうち旬彩館』は、瀬戸内のグルメを集めた共同アンテナショップ。
店内には香川県や愛媛県で定番の食品やお酒などが揃っているほか、両県の多種多様な銘菓がズラリと並んでいます。

瀬戸内といえば、柑橘系の果物が特産物。みかんやレモンを使用したお商品が多そうなイメージでしたが、今回訪れてみて、お茶の産地でもあるため、お茶受けに良い和菓子の種類も豊富なことがわかりました。
というわけで、いざ『香川・愛媛 せとうち旬彩館』で見つけたおいしい和のお菓子をご紹介していきましょう。
松山を代表する銘菓「一六タルト」

ご存知「一六タルト」は、初代松山藩主が長崎から持ち帰った南蛮渡来のお菓子に発想を得て生まれたとされる、愛媛県松山市を代表する銘菓です。食べたことがある人も多いのでは?
“タルト”といっても見た目も生地の食感もロールケーキ。ポルトガル語でロールケーキを「Torta」と呼ぶことから『タルト』になったといわれています。

・ゆず味(150円)
「ゆず味」は、一六タルトの定番。愛媛県産の柚子を使用したこし餡を柔らかな生地で巻いています。パッケージはご当地キャラの“みきゃんちゃん”バージョン。
・宇治抹茶(172円)
京都で100年以上も続く老舗茶葉ブランドの「森半」の宇治抹茶を生地とあんに使用した味わい深いタルトです。
・塩レモン(172円)
瀬戸内レモンの果汁と果皮を使用した爽やかなレモン餡と、レモン色の生地で巻いたタルトです。甘さと塩気が絶妙なタルトです。
1本売りだけでなく、食べやすい個包装のバラ売りもあり、あんこを巻いた定番のものからチョコレートを使用した洋風のものまで種類も豊富。
パウンドケーキのような焼きまんじゅう「かきくらべ」

太鼓台のイラストが描かれた箱入りの「かきくらべ」は、愛媛県東部の新居浜(にいはま)を代表する銘菓です。
ちょっぴり地味な見た目ですが、「全国菓子大博覧会」で名誉金賞を受賞している実力派。ラインナップはしっとりした生地のつぶあん、白あんに卵黄を加えた黄身あんの2種類。

箱を開けると、硬めのアルミホイルでできた箱が出てきました。アルミ弁当箱のようなレトロさに懐かしさを感じつつ、ワクワクしながら蓋を開けると、パウンドケーキのような焼きまんじゅうが出てきました。

まんじゅうとパッケージには書かれているのですが、箱から想像していたまんじゅうとはちょっと違い、どちらかといえば見た目通り、パウンドケーキのよう。しっとりとした生地とあんは上品な甘さ。コーヒーでも紅茶でもどちらのお供にぴったりです。
夏目漱石の「坊っちゃん」にも登場するお団子

「坊ちゃんだんご」とは、緑(抹茶)、黄(卵)、茶(小豆)の三色の餡で餅を包んで串に刺したお菓子で、夏目漱石の小説「坊ちゃん」に登場する“湯ざらしだんご”がルーツとなっている、愛媛県松山&道後の定番土産です。

餡でできた小さな丸い団子の中には、求肥が入っていて、一口食べるとムチッとした餡と求肥が口内の温度で段々と溶けてゆき、最後はサラッと消えていきます。抹茶や渋いお茶と一緒に味わうのがお勧めです。
香川県さぬき市生まれの絶品芋けんぴ

宮崎産の「黄金千貫」を100%使用し、菜種油と米油をブレンドした油でカリッと揚げ、仕上げに希少糖含有シロップを絡めた芋けんぴは、香川県さぬき市の中野製菓が手掛ける一品。『香川・愛媛 せとうち旬彩館』でも屈指の人気を誇る商品です。

駄菓子のように懐かしく、そして優しい甘みが素朴で飽きのこない味。
「希少糖含有シロップ」は、香川県が開発した砂糖の代替として話題の低GI甘味料。砂糖よりも摂取後の血糖上昇が緩やかという特徴が、ダイエット中のおやつに最適。
味も包み紙もレトロで可愛い手作りあめ

伊予路の銘菓として発売80年以上永らく親しまれている「別紙飴」は、新居浜市の発展の基礎を築いた“別子銅山”にちなんで命名された手作りの飴です。
水飴と練乳、上白糖を主原料に、創業以来の製法を守り続け、昔から変わらない味が楽しめます。

フレーバーは、みかん、抹茶、いちご、ココア、ピーナッツ、コーヒー、うめの7種類。ほんのり包み紙の香りがするところや、包み紙を横に引っ張って開ける作業が懐かしくてたまりません。

どのフレーバーも、ミルクたっぷりで優しい甘さに癒されます。お出かけ先でのおやつとして、カバンの中に忍ばせてみてはいかが?
東京には、まだまだいろんな地方の美味しいものを販売しているアンテナショップがたくさんあります。今後も全国津々浦々、美味しい和菓子を探して紹介しますのでお楽しみに!
●SHOP INFO
せとうち旬彩館
住:東京都港区新橋2-19-10 新橋マリンビル1F
TEL:03-3574-7792
営:10:00~20:00
休 :年末年始のみ休み
https://www.setouchi-shunsaikan.com/
●著者プロフィール
牡丹餅あんこ
フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。