痺れ具合を選べる担々麺

 “辛麺(からめん)”の店は沢山ありますが、“痺麺(しびめん)”の店は、まだまだ少数派。山椒が大好きな筆者は“辛さ”の度合いを自由に選べるように「“シビれ”の度合いも選べたらいいのになぁ」と常々思っていました。そんな中、友人から面白い情報を教えてもらったのです。

 昨年12月、東京・上板橋にオープンした『うさ担』というラーメン屋なら、シビれ度合いを1~6段階から選んでオーダーできる、というのです。しかも、その店は渋谷区・神泉の有名店『うさぎ』の山田夏大さんがプロデュースしているそう。「醤らぁめん」が超人気のお店です。これは聞き捨てなりません。ただ、「上板橋って、ちょっと遠そうだな」と思って調べてみたら、池袋から東武東上線でたった10分。なんだ、近くじゃないか。というわけで、さっそく行ってきました。

 上板橋駅を降りて、徒歩30秒の場所に『うさ担』はありました。新店なので、とてもきれいなラーメン屋さんです。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 入店すると、広々とした店内にカウンターがあります。食券スタイルで、基本メニューは「担々麺」「汁なし担々麺」「醤油らぁめん」「辛麺」の4つ。この中でシビれ度合いを選べるのは最初の2つです。

両方食べたい! でもまずは1番人気という「担々麺」880円を選ぶことにしました。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 友人の情報通り、辣(唐辛子)=辛さ、そして麻(山椒)=シビれ、それぞれ6段階から選べるシステムで、メニューにはうさぎの数で示されています。かわいい!

 山椒好きとしては「麻」を“うさシビ6”にしたいところですが、5以上は追加料金がかかるので、“うさシビ4”、「辣」は、“うさカラ3”(うさ担の基準の辛さ)にします。「一体どんな味なのだろう?」と出来上がりを待ちます。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

シビシビ感がたまらない!

 登場したのがこちら。想像していた担々麺より、ずっとクリーミーな色です。スープをいただくと、練りゴマとピーナツペーストのまろやかな味が広がり、追いかけるようにして辣油のピリッとした辛さを感じます。そして肝心のシビ具合ですが、思ったより強くないな~と思いながら、ストレートの細麺をすすっているうちに、来ました。シビシビ。山椒のシビれ感は、少しずつ重なってくるようです。辣油&山椒が相乗効果となってカラシビ感は最高! コクあるスープと相まって後を引き、後味にはむしろ深い甘さを感じるほど。140gの麺もあっという間に完食です。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 しかし、まだお腹には余裕があります。

サイドメニューの「やまがた自然農場」の長沼信太郎さんが育てたという「おいしいごはん」(160円)を追加し、スープをかけて追いメシにする手もありますが……。

 しかし、気になっていた「汁なし担々麺」を食べずに帰るわけにはいかない、と考え直し、替え玉代わりに「パクチー汁なし担々麺」を注文することに。こちらは、シビ感を少し強くして「うさシビ5」(プラス100円)、「うさカラ3」にしました。

丁寧なスープが光る担々麺

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

カラシビを強烈に感じる汁なし

 着丼するまでの間、先ほどの「担々麺」のスープについて、お店の方にお話を聞きました。
「ベースは、鶏ガラに数種類の魚介、昆布、香味野菜で炊いたスープで、これは神泉の“うさぎ”で人気の“醤らぁめん”と同じなんですよ」とのこと。

 なるほど、どおりで旨みが深いわけです。また「担々麺」に使う辣油も、芝麻醤も素材にこだわった自家製とのこと。

 そうこうするうちに着丼しました。麺を覆い隠すように大量のパクチーが載っています。 「よく混ぜて食べてください」と言われたので、丼を押さえて思いっきり混ぜることに。箸から伝わる感覚だけでも麺のもっちり具合が伝わってきます。しかもかなりの麺量。

170gもあるそうです。替え玉代わりにしては量が多かったかも。ですが、これまたスルスルと食べられちゃうんです。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 パクチーの爽やかな香りを感じながら、麺をすすってみると、いきなり山椒と辣油のシビカラがガツンとやってきました。そして芝麻醤の練りゴマ、ピーナツペーストが濃厚なコクとなってじわじわと来ます。これは先ほどの「汁あり」とは全く違う!

「汁なしの方が素材の味をダイレクトに感じますからね」とお店の人。なるほど、汁がないと強い味が先に飛び込んでくるんですね。でも筆者にとっては最高の刺激。「こういうのが欲しかった!」と嬉しくなりました。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 しかし、ふと考えてみると、神泉「うさぎ」の名物は、魚介風味と醤のコクが冴える和風スープの「醤らぁめん」です。ちなみに醤とは、醤油と魚醤を合わせた特製のカエシだそう。その醤が入っているのは実は、こちらでは「醤油らぁめん」(750円)なのだそうです。

また人気の炙りチャーシューもそちらに入っています。さらにお店の人曰く「山田さんが手作りしている麺の生地を使ったモチモチの餃子も人気なんですよ」とのこと。

 食べてみたいところなのですが、さすがにもうお腹いっぱいです。シビれたいばかりに、ついつい食べ過ぎてしまいました。

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

 またこの次に「醤油らぁめん」と「餃子」、あと、「おいしいごはん」を食べに来ようと思います。こちらのシビれ感は絶対に忘れられない味。みなさんもぜひ、『うさ担』でシビれてみてください。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

神泉『うさぎ』プロデュース! シビレ度を選べる新店『うさ担』の担々麺にハマった!

店名:担々麺とらぁめん うさ担

住:東京都板橋区上板橋1-13-21芝本上板橋駅前ビル
TEL:非公開
営:11:30~15:00(LO)
  17:30~22:30(LO)
休:なし

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