●県外からもわざわざケーキを買いに来る名店。熊本県山鹿市の『ricca(リッカ)』の魅力をご紹介!
「ケーキ屋さんのお菓子を、特別なものではなく、もっと気軽に楽しんでほしいんです」と話すのは、「ricca(リッカ)」のシェフパティシエ・市原勇生さん。
市原さんが手がけるスイーツには、地元・熊本県山鹿市の食材がふんだんに使われています。中でも「山鹿栗」を使ったモンブランは、地元のみならず、県外からわざわざ足を運ぶファンも多いという人気の逸品です。

福岡との県境にも近い、緑豊かな山あいの町・山鹿市。そんな場所に佇むのが、2018年にオープンした『ricca』です。
山鹿市中心部から少し離れ、ナビを頼りに車を走らせると、通り沿いに現れるのは趣のある神社。神社脇の小さな看板を頼りに住宅街に入ると、まるで絵本の1ページから抜け出したような、緑に囲まれたお店が姿を現します。
生まれ育った地元への思いから生まれた「モンブラン」

ショーケースに色とりどりのケーキが並ぶなか、一番人気はシンプルな「山鹿栗のモンブラン」(600円)。その人気の理由は、地元・山鹿への深い思いにあります。
東京・代官山のパティスリーや銀座のフランス料理店で腕を磨いた市原さんは、東京での「山鹿栗」の評価の高さを知り驚いたそうです。実は、山鹿市は栗の生産量が全国2位なのに、地元ではあまり知られていなかったのです。
山鹿の栗を地元の人にもあらためて知ってもらいたい。そんな思いが、このモンブランを生み出しました。

モンブランに使う栗は、収穫後すぐには使用せず、3週間かけて0℃でじっくりと熟成。
土台にはアーモンド入りのメレンゲ、そこに九州産の新鮮な生クリームを絞り、最後に栗ペーストをたっぷりと絞れば、やさしい甘さと奥行きのある風味が広がる「モンブラン」ができあがります。
地域を愛し、地域に愛される「まちのケーキ屋さん」を目指して

店内には、ケーキだけでなく、焼き菓子やジェラート、パンもずらり。喫茶スペースでは、ケーキをゆっくりと味わうこともできます。
市原さんが目指すのは、菓子を通じて地域と人、人と人とをつなぐ「まちのケーキ屋さん」。そして、菓子を楽しんでもらうことが、農業や地域の活性化につながるというのも素敵ですよね。

素材のおいしさと、作り手の想いが詰まったスイーツ。山鹿の自然とともに、ほっと一息つける特別な時間がきっと待っています。おいしいお菓子とやさしい時間を求めて、山鹿に出かけてみませんか?
●SHOP INFO
ricca(リッカ)
住:熊本県山鹿市方保田279-1
TEL:0968-41-9399
営:10:00~18:00(喫茶17:00まで)
休:火・水
●著者プロフィール

徳山理恵(とくやま りえ)
地域創生食文化大使1期生・フードアナリスト。熊本生まれ。熊本育ち。現在は大阪と熊本の二拠点で生活している。
https://www.instagram.com/riiiie.t