石川県小松市は加賀藩の城下町として発展した歴史ある街。豊かな自然と風土が育む「お米」と白山の清らかな「水」を活かし、地酒づくりを代々受け継ぐ酒蔵も点在しています。
今回ご紹介する『東酒造(ひがししゅぞう)』もその一つ。江戸末期の万延元年(1860年)に創業、小さいながらも歴史深き造り酒屋で、大正時代には300社もあった酒蔵の中で10指に入る蔵だったと言われます。現在は7代目の東 祐輔さんが受け継ぎ、銘酒「神泉」をはじめ、国内外に支持される「飲みやすく味わい深い酒」を醸しています。
国の登録有形文化財の酒蔵を見学する魅力
こちらの東酒造の酒蔵と建物は、国の登録有形文化財に指定されています。格式のある大門をくぐるとさまざまな建物が点在。石造りの酒蔵をはじめ、日本庭園を眺めながらゆったりとくつろげる主屋、四畳半の茶室など、老舗の造り酒屋らしい空間を見学できるのが魅力です。
「国の有形文化財ということで増改築ができないんです。そのため、日本酒をたくさん作ろうと思ってもちょっと作れない。だから、たくさん作るのは諦めて自分の好きなお酒だけを作ろうと思ったんです」と語るのは代表・東さん。
さらに、「飲みやすい日本酒を提案しながら、酒蔵や日本酒をエンターテインメントなもの、場所にしたいなと。普段お酒飲まない方、お酒に興味がなくてもいいんですよ。庭を眺め、日本文化に興味を持った先に『日本酒ってこんなに美味しいの?』って分かってもらえるだけでもいいんです」
東さんの話は面白い。そして明快だ。
酒蔵見学、試飲。旅先でお気に入りの一本を見つける楽しみ
地元の観音下石で作られた石蔵で作られるのは、代表銘柄「神泉」や「蛍舞」など。酒蔵見学では、日本酒づくりに必要な原材料からその工程、こだわりまで、日本酒初心者の方でもわかりやすい説明で案内してくれます。
こちらのお酒は全て、石川県産の酒米や金沢酵母にこだわって作られているのも魅力。伝統的な酒づくりを守りつつ、新しいお酒を求めてチャレンジする東さんのこだわりもひしひしと伝わり、見学後の試飲が楽しみになります。ちなみに「神泉」は「隣の神社の湧水から作ったことで、神泉という名前を付けさせていただいております」(東さん)
先ほどの蔵で作られたお酒を試飲すると、どれもふくよかな味わいで飲みやすい。まるで東さんの人柄まで滲んだようなまろやかさ。
特に、地元農家を協業し、山田錦を贅沢に用いた「神泉 純米吟醸ブルーラベル」はフランスの日本酒コンクール「クラマスター」で2年連続受賞。全国燗酒コンテスト2025年では金賞を受賞するなど、東酒造を牽引する存在です。
一口で感じる金沢酵母の旨味。スッキリした後味。
食中酒としても飲みやすく、前日に訪れた料亭『日本料理 梶助』で地元食材と味わったペアリングも味わい深いものになりました。
さらに気に入ったのが、「神泉 純米吟醸 旨口」。甘い!と感じつつも、スッキリした後味。その滋味深さにおつまみが欲しくなったほど。こちらも「ワイングラスでおいしい日本酒」最高金賞などを受賞しており、お酒好きの人もそうじゃない人も飲みやすく味わい深い一本です。
帰りにこの2本がセットになった「純米吟醸ぷちボトル2本入」を見つけて、お土産にも購入。こちらパッケージも可愛くて贈り物にもぴったりですよ。
「昨今、日本酒業界がどんどん活性化してきているから、こういう酒蔵見学はどんどん続けていきたいなと思っています」と東さん。
小さいながらも長い歴史を時代とともに歩み続ける石川県小松市の『東酒造』。こういった地元に根付いた酒造が元気よく、楽しく酒造りを続けている姿に、日本の丁寧なものづくりを感じずにはいれません。
(撮影・文◎編集部)
●SHOP INFO
東酒造
住:石川県小松市野田町丁35番地
TEL:0120-47-2302(9:00~18:00)
営業時間 9:00~18:00
休:日曜
駐車場:5台
※蔵見学は要予約、4名から。1人 1,100円(商品券500円付)
酒蔵見学30分+販売所の試飲、計50分程度
http://www.sake-sinsen.co.jp/









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