『えびそば一幻』といえば、北海道・札幌の大人気ラーメン店。海老の頭だけでとった海老の旨みを凝縮した濃厚スープは、まさに唯一無二の味わい。

しかし残念なのは、あまりの人気ゆえに、とんでもない行列店だということ。札幌総本店の行列の長さを見て諦め、最後の望みを託して新千歳空港店を覗くと、本店をさらに上回る行列に泣く泣く諦めた…なんて人も多いのではないでしょうか。

 2013年の新宿店に続き、2017年には東京駅にもオープンし、札幌と同じ味が東京でも楽しめるようになりました。さらにカップ麺にもなってコンビニでも買えるようになっています。しかし、せっかく札幌と同じ味が東京でも楽しめるのなら、まずはお店で味わいたいですよね。というわけで、さっそく濃厚な海老ラーメンの人気の秘密を取材してきました。

人気の秘密は海老の頭で取る濃厚スープ

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

 こちらのラーメン、意外にも一つも海老の姿はありません。が、その一杯にはぎゅっと濃縮された海老の旨みを感じることができます。海老の姿がないのに感じられるこの風味、その秘密はスープにあります。1回に使用する海老の頭の量は、約15kg。大きな寸胴いっぱいに海老の頭を入れてコトコト弱火でゆっくりと煮込んで作るんだそう。

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

 店では1日3回このスープが作られ、いつでも新鮮なスープが味わえます。頭だけを使うのは、そこに旨みが凝縮しているから。

仕上げに、オリジナルのえび油や背脂を加えると、コクがあって濃厚な旨みがいっぱいの「海老スープ」の誕生です。

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

 「えびスープ」をベースにした、「そのまま」と「あじわい」の2つのスープから好みのスープを選びます。「そのまま」は海老の風味をダイレクトに味わえるストレートスープです。いっぽう「あじわい」は、えびスープに豚骨をブレンドしたコクのある味わい深いスープ。好みによって分かれると思いますが、最初の訪問ならばまずは「そのまま」をセレクトして、ぎゅっと濃縮された海老の風味を楽しんでみるのがオススメです。そのあとに、味噌、塩、醤油を選んでオーダー終了。しばしラーメンが来るのを待ちます。

いざ実食! その味わいやいかに?

「そのまま」×「塩」

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

 一杯だけではもったいない…ということで、お店で人気の2品を注文しました。まずはいちばん海老の風味が楽しめる「そのまま」×「塩」をオーダー。スープを飲むと海老の香りに驚きます。ものすごい勢いで、海老! 海老! 海老! どんどん海老が襲ってきます。ネギの上に乗るピンク色のフレークの正体は、海老の天かす。海老のエキスと紅生姜で作る風味豊かな天かすです。

これだけでごはん一杯食べられそう! ご飯にのせて食べたいくらい美味しい。卵の上の黒い粉は、スープでとった海老殻を粉砕して炒めたもの。これらによって、さらに海老感がアップ!

「あじわい」×「味噌」

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

 お次は「あじわい」×「味噌」。海老スープと豚骨スープをブレンドした、コクのある一杯です。ひと口目は豚骨、後を追いかけるように海老の風味が広がって、ものすごく旨い! 同じスープを使っているのに「そのまま」とは全く違う味わいです。スープは「そのまま」に比べるとこってりしていて、食べている間中ずっと熱々。これはどちらのスープにするか、大いに迷ってしまいそうです。

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 麺は太麺と細麺の2つから選べます。3つのスープと味噌、醤油、塩と9通りの味を全て制覇してみたくなる味わい深いラーメンです。札幌の旅行や出張などで気になっていた人も多いハズ。東京でも気軽に味わえるようになって、うれしい限りです。ぜひ行ってみてください!

●SHOP INFO

海老の旨みがギュッ! 札幌の行列店『えびそば 一幻』が東京に進出。さっそく行ってきた

店名:えびそば一幻 八重洲地下街店

住:東京都中央区八重洲2丁目1番八重洲地下街南1号
TEL:03-3548-8833
営:11:00~23:00
定休日:なし
http://www.ebisoba.com

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●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。

趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩き ネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」がある。

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