一部でプロ級の舌を持つと噂のタクシー運転手・荒川治さんに教えてもらう「東京B級グルメ案内」。今回は荒川さんが夏になるとつい向かってしまうという「冷やし汁なし坦々麺」の店2軒をご紹介します。
夏のラーメンといえば「冷やし中華」ですね。お酢をたっぷり入れた醤油だれやゴマだれなどの酸味が食欲をそそります。私も大好きですが、前回ご紹介した「冷やしらーめん」のさっぱり「塩味」や、今回ご紹介する「冷やし汁なし坦々麺」のような「辛い味」も暑さを吹き飛ばしてくれます。
特に私は、本場、中国四川省の汁無し坦々麺のような、山椒の痺れと唐辛子の辛味が相まったカラシビ系が大好き。そこで、私が夏に行きたくなる東京の絶品「冷やし坦々麺」の店をご紹介します。
野菜たっぷり! 『破天荒』(新板橋)の「冷し汁なし坦々麺」
都営三田線の「新板橋」駅から徒歩5分ほどの場所にある『破天荒』は「四川黒胡麻坦々麺」専門店です。
定番の坦々麺は濃厚な黒胡麻ペーストに数種類の香辛料を入れた「四川黒ゴマ坦々麺」、茹で野菜と濃厚な坦々ダレを混ぜた「汁のない坦々麺」、オリジナルの角煮がどーんと入った「扣肉担々麺」があり、それぞれ味が違って、1つに決めるのが難しいくらい個性的で美味しんですよ。

でも夏の時期には迷わず「冷し坦々麺」(期間限定・980円)をいただきます。たっぷりの野菜と、すり黒ごま、フライドオニオンが載っていて、香り高く濃厚なカラシビの坦々ダレ。夏らしくリンゴ酢でさっぱりと仕上げてあります。

丼を抑えて思いっきり麺と具材とタレをかき混ぜて食べるのがポイント。モヤシや水菜のシャキシャキ感と、キンキンに冷えた麺のもっちりとしたコシ。たまりません。

そのあとは、「濃厚コンクリート」(300円)という名前のスイーツで〆ます。面白い名前でしょ。これは、カチンカチンに凍った「黒ゴマアイス」なんです。もちろんこちらも自家製。これが、辛旨の坦々麺や麻婆飯を食べた後にぴったりなんですよ。ちなみに黒ゴマは活力増強や美肌効果があると言われていて、夏にぴったりな食材。ぜひお試しを。

真っ赤で旨い『麺屋 空海』(恵比寿)の「冷やし黒ごま坦々麺」

続いてオススメするのはチェーン系の『麺屋 空海』。私はいつも恵比寿店に行きます。こちらは塩、醤油、とんこつ、つけそばなど色々な種類のラーメンがありますが、中でも、私のイチオシは坦々麺です。
坦々麺と一口に言っても、色々な種類があります。名物は「牛バラ坦々麺」です。厚切りの牛バラがどーんと載っかっていてボリューミー。さらにエビ味噌坦々麺や赤、黒、白の坦々麺、汁無しなど10種類くらいあるんですよ。
でも今回、夏にオススメは限定の「冷やし黒ごま坦々麺」(900円)です。

お皿に真っ赤なラー油がたっぷりとかかっていて、辛そうに見えますが、程よい辛酸っぱさで、そこはかとなく甘みも感じる極ウマのスッキリダレです。

そこにトッピングの肉そぼろと、アクセントのピーナッツが載っています。きっちりと冷してある中太麺はかなりコシが強くて、絡めてすすると、ふわりと香る花山椒。この爽やかな香りとピリリとした痺れ感がシャープにまとめ上げています。
というわけで、私が毎年夏に食べたくなる「冷やし汁無し坦々麺」です。まだまだ猛暑が続きますが、こまめな水分補給と、がっつり「冷やし坦々麺」を食べて、元気に夏を満喫してくださいね。
(構成◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:破天荒
住:東京都板橋区板橋4-12-2
TEL:非公開
営:11:00~14:30(14:00LO) 18:00~22:00(21:30LO)
日祝11:30~14:30(14:00LO) 18:00~21:00(20:30LO)
休:火
店名:麺屋空海 恵比寿店
住:東京都渋谷区恵比寿3-49-1
TEL:03-3440-1272
営:11:00~23:00(22:30LO)
休:なし
http://www.umai-ramen.com/index.html
●プロフィール
荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。