「イタ飯(めし)」といえば、1980年代後半を経験したバブル世代にとっては懐かしい響きのはず。そんな懐かしの単語を冠した『ITAMESHI(イタメシ)』は、2018年10月にオープンしたばかりの東京・五反田にあるちょっとユニークな飲食店です。
同店でいただけるのは、イタリアンと和食を融合させた創作料理。店名は「イタ飯」と「板前メシ」にちなんで名付けられています。そんなITAMESHIの料理は、普通の創作料理を食べ飽きた大人でも満足できるものばかり。オープン記念の試食会でいただいたメニューを一例に、どんなお店かご紹介しましょう。
先付けの「P.P.A.P」からインパクト大
ITAMASHIで提供されるのは、4,000円、5,000円、6,000円のコースメニュー。『俺のイタリアン GINZA』で総料理長を務めた経歴を持つシェフと都内の有名和食店で腕をふるった板前さんによる料理と、それらの料理に合わせたワインや日本酒のペアリングが楽しめます。

先付けとして出てきたのは「P.P.A.P」という、聞き覚えのあるメニュー。ただし、ここでは「パイン」「プロシュート」「甘エビ」「パクチー」を略して、「P.P.A.P」と言っているんです。

そう、同店のメニューの大半がこういった個性的な名前が付けられているんです。コース料理なので最初にお品書きを見せてもらいますが、メニューを見てもそれが何なのかわからないものが多く、「次は何が来るんだろう?」というワクワク感があります。

どのメニューも想像の斜め上をいくものばかり
続いて出てきたのは、八寸の「目黒川と桜」。この名前だけを聞くと、きっと和のテイストが強いんだろうなと思うはずです。しかし、その見た目とは裏腹に、イタリアンのエッセンスが強く、やっぱりいい意味で想像を裏切ってくれます!

お凌ぎには「酢豚」とあるので、何か変わった材料を使った酢豚なのだろうと思っていたら、目の前に出てきたのはお寿司。そう、これはバルサミコ酢を使ったお寿司なんです。

お椀にいたっては「緑+平和」とあり、何がなんだかわからない! でもこのわからない感じは、誰かと訪れたときに必ず盛り上がれるはずです。



お刺身の盛り合わせは調味料でひと工夫
ここまで、ひとつとしてイメージどおりな料理が来ていません。さすがに「本日のお刺身三点盛り」は普通だよねと思っていたら、お刺身に付ける醤油にひと工夫が。用意されたのは「バルサミコポン酢」と「黒納豆醤油」のふたつ。刺し身といえば醤油が甘いか辛いかくらいだと思っていたので、この選択肢は初めてです。


続く焼物は「カルボナーラ米と自由自由」。カルボナーラ米はリゾットなのだろうと想像がつきますが、「自由自由」とは何なのか……。やってきたのはこちらの料理です。

「自由自由」の正体は山形牛のステーキで、パルミジャーノレッジャーノとうずら卵の黄身が載ったリゾットと一緒にいただきます。このあたりはイタリアンの要素が強いですね。
次に来た「ボディーブロー」は、ダチョウのレバーとコリンキーかぼちゃのピクルス。ここでのボディーブローとは、「じわじわ来てるでしょ?」という問いかけの意味もあるのだとか。味だけでなく、こういったユーモアのセンスでも何度も来たくなるお店です。

不思議メニューは最後まで続く!
箸休めとして運ばれてきたのはモナカ。何か甘いものでも来たのかなと誰もが思うはずです。しかし、ここITAMESHIでそんな常識は通用しません!

食べてみると、甘い……いや、なんだか辛い。それもそのはず、グリーンカレーのペーストとココナッツアイスが入っているんです。たしかにグリーンカレーはココナッツミルクを使うのでおかしくはないのですが、まさかモナカになるとは思いませんでした。

ここからラストまでは写真を中心にご紹介。炊合せの「元祖 フォアグラトマト」、蒸し物の「Oh! 91083」、ごはん、甘味でコースは終了です。





今回紹介したメニューはオープン時のものなので、内容は時期により多少異なります。とはいえ、一度足を踏み入れると驚かされること間違いなし! 仲間や家族と落ち着いて食事を楽しみたいときや、特別な日にぜひ訪れてみてください。
(取材・文◎今西絢美)
●SHOP INFO

店名:ITAMESHI(イタメシ)
住:東京都品川区西五反田2-25-4 磯ビル1F
TEL:050-5595-9424
営:17:00~24:00
休:不定休