スーパーでよく見かける試食販売。食べてみると美味しくてつい買ってしまうこともありますよね。
その極意は色々ありますが、一番は、大沼さんのわかりやすい商品説明です。例えば肉などの食材を売るときなら、その商品の特徴、美味しく作る調理のコツ、色々な料理のレパートリー、合う調味料、そして保存方法まで教えてくれるんです。また一人一人のお料理の悩みに答えてくれるのも大沼さんのすごいところ。
そこで、今回は、サーロインステーキのお肉を販売中の大沼さんを実況中継します。
ステーキ肉は必ず常温に戻して焼く

大沼さん(以下、敬称略):「タスマニアビーフ」は、脂肪が少なくて、さっぱりとしていながら、旨味のある赤身肉です。しっかりした肉質で、口に入れた時の弾力があり、ステーキにぴったりなんですよ。
客:いや、ホントに美味しいです。でも、ここ(試食)で食べると美味しいのに、家で焼くとどうしても硬くなっちゃったり、なんか味が違うんですよね…。
大沼:今日は、夕飯で召し上がります? それなら、冷蔵庫には入れずに、そのまま焼いてください。
客:え? 冷蔵しなくて平気なんですか?
大沼:ステーキ肉は、常温のままで焼くのがポイントなんです。硬くなってしまう原因のほとんどは、冷たいお肉を、いきなり焼くから。冷たいお肉は火が通りにくくて、周りが焦げつきやすいので、焦げた生肉みたいになりがちなんです。また中が焼けてないと思って、つい焼きすぎてしまうことにもつながるんですよ。
客:なるほど! では、肝心の焼き方の正解ってあるんですか?
大沼:厚みが1cmほどの肉であれば、常温に戻した肉に下味をつけて、熱したフライパンで両面1分ずつ焼けば、中まで火が通って、ふんわりとしたミディアムになります。これが一番柔らかくて、お肉本来のジューシーな旨みを味わえると思いますよ。ちなみに、ステーキには鉄製のフライパンがいい、と言う人もいますが、家にあるテフロン加工のフライパンでOKで十分です。

客:個人的には、中が赤いのはちょっと気になるんですよね。
大沼:肉の中心部は無菌なので、赤くても大丈夫なのですが、気になるようなら、フライパンで両面1分ずつ焼いた後、肉を取り出してアルミホイルで包んで30秒から1分くらい置くといいですよ。そうすると予熱で中までじんわりと火が通り、柔らかさはそのままにピンク色になりますから。
客:でも、2枚買うのはちょっと多すぎますかね…
大沼:1枚でも十分に楽しめますよ。
客:なるほど、いいアイデア! それにしても、このステーキの味付け、すごく美味しいです。下味は塩こしょうだけですか?
大沼:いえ、実は「醤油が香るブレンドスパイス」を使ってるんです。

大沼:これ、超優秀なスパイスなんです。パウダー状にした醤油、塩、胡椒、フライドガーリック、オレガノ、バジル、唐辛子などを配合していて、牛、鶏、豚など肉の下味はもちろん、ハンバーグ、ピラフ、卵料理なんかにも使えます。これ1本で、味がピタッと決まりやすいので、すごい便利ですよ。リピーターも多い商品なので、ぜひ試してみてください。
客:おお、それいいですねえ。それも買おうかな。そういえば、そもそもステーキ肉はどう選べばいいでしょうか?

大沼:ステーキ肉を買うときは、なるべくスジがないものを選ぶのがコツです。スジがあると、どんなに上手に焼いても、噛んだ時に引っかかって、硬く感じてしまうんです。
(取材・文◎土原亜子)
●プロフィール
大沼由美子
イオンデモンストレーションサービスインク 南関東アシスタントエリアマネージャー。試食販売員歴8年。今では各地域の試食販売に指名されていくほどの売れっ子。いつも後輩の指導のため店舗巡回をしているが、指名が入ると自身も販売を行う。