九州人が愛してやまないインスタントラーメンといえば、ハウス食品の「うまかっちゃん」です。九州では日清やエースコックなどを抑え、ダントツでハウス食品の「うまかっちゃん」が食べられているのです。
しかし、その「うまかっちゃん」に“炒飯の素”があるのをご存知でしたか? 筆者は知らなかったのですが、福岡出身の知人が、帰省土産として買ってきてくれたときに、初めてその存在を認識しました。

「おお、こんなのあるんだね!」と知人にお礼を言ったものの、なんとなくしばらく放置していました。チャーハンは“素”などなくても、中華だしや塩コショウさえあればできるからです。もちろん、焼き飯と紙一重の“ウチ炒飯”なので、お店のようなパラパラにするのは難しいですが…。
そして、家に冷やごはんと卵しかなかったある日。いつものようにチャーハンを作ろうと、フライパンに油を敷いていたときに、「お、そうだ」と、思い出して、あの「うまかっちゃん 炒飯の素」を使ってみることにしたんです。
まずは卵を炒め、冷やごはんを投入。少し炒めてから、「うまかっちゃん 炒飯の素」の顆粒を入れました。
すると、不思議なことに、どんどんごはんがパラッパラにほぐれていくのです。炒めるお玉から伝わってくる感じが、すでにパラパラ。「これはすごいかも!」と思わず心の中で興奮が止まりません。

いつもなら、ごはんの水分がなかなか抜けないのに、この顆粒がコメ1粒1粒を包み込むからなのか、フライパンの中のごはん粒がまるで魔法のように踊り出しているのです。チャーハンを家で作っては失敗を繰り返している人は多いと思うのですが、実際、これすごくないですか?
最近は“しっとり系チャーハン”も市民権を得てきていますが、中華の世界では、炒飯をパラパラにできて一人前というイメージが強いのも事実。これは『美味しんぼ』第4巻で、べちゃべちゃのチャーハンを恋人の父親に出したがゆえに娘との結婚を許してもらえなかった中国人シェフのエピソードからもわかる通りです。しかし、業務用のような強力な火力が望めない家庭のコンロでは、パラパラの境地に到達するまでにいったい何年かかるのでしょうか。人によっては、超一流のパラパラ職人になるころには白髪頭になっている可能性もあるわけです。
しかし、この「うまかっちゃん 炒飯の素」で、いとも簡単にパラパラチャーハンができてしまいました。しかもたったの5分。そして、作っているときから、豚骨スープの深い香りもします。このスープの味だって、実際に美味しく作るのは並大抵のことではないはずです。

というわけで、食べてみました。
パラパラ具合もさることながら、「うまかっちゃん」の豚骨風味がしっかり感じられます。「うまかっちゃん」のラーメンよりは塩気が抑えてあり、絶妙なあっさり加減も最高です。
そしてやはりなんといっても、目には見えませんが、チャーシューの豚肉風味もきちんとあるのが嬉しいところ。気のせいではありません。さすが、九州を代表するブランド「うまかっちゃん」。炒飯もバリ旨でした。
しかし、残念なことにこの炒飯の素、九州や沖縄地区などでの限定販売品のようです。筆者はどうしても欲しくて検索したら、Amazonで見つけました。みなさんもぜひ、お試しください!
(撮影・文◎土原亜子)
●DATA
ハウス食品 うまかっちゃん
https://housefoods.jp/products/special/umakachan/index.html