2019年5月30日、三鷹にオープンしたおはぎ専門店『ぼたんとおはぎ』。ここのおはぎが吉祥寺界隈でとんでもない旋風を巻き起こしています。
五日市通り沿いにあるお店は、JR三鷹駅から歩いて約20分というかなり遠い場所にあるのですが、11時にオープンするやいなや、老若男女のリピーターさんたちが続々と訪れます。木箱に並ぶ各種のおはぎを前に「え~っとどれにしよう…」と選んでいる後ろ姿から、ウキウキ感が伝わってきます。

おはぎは、全て小ぶりのサイズ。一般的な粒あんの「おはぎ」はもちろん、濃い緑色の「抹茶」、黄金色の「鳴門金時(サツマイモ)」、クリーム色の「いちじくくるみ」など色とりどりのおはぎがあり、あれも食べたい、これも食べたい…と、迷ってしまうこと必至です。

「このお店は、和菓子離れが進む今の時代に、“お子様に楽しんで和菓子を食べてもらいたい”というコンセプトで立ち上げたお店なんです」と教えてくれたのは、店長の天花寺奈苗さん。
「和菓子の中でも、おはぎは家庭で作られる昔ながらの庶民的なおやつです。今は粒あんがスタンダードですが、本来は、旬の食材を使って作り、四季折々、呼び名も変わるんですよ。秋のお彼岸は“萩の季節”だから “おはぎ”、春のお彼岸は、牡丹の時期なので “牡丹餅”。夏は“夜船(よふね)”、冬は“北窓(きたまど)”。ご存知でしたか?」
おはぎって、そんなにいろんな名前があったんですね。勉強になります!

四季折々の食材を楽しめるおはぎ
さっそく、店長の天花寺さんに、代表的なおはぎについて説明していただきました。
ぼたん

和菓子の練り切りの技を使った看板のおはぎです。白いんげんのあんこに紅麹で色付けし、もち米をくるんでいます。
つぶあん

高品質の北海道産小豆を使用しています。小豆の美味しさを甜菜糖で引き立てた、非常に優しい味になっています。
抹茶


周りには京都の老舗「丸久小山園」の高級抹茶を入れた抹茶あん、中には黒米をふんだんに使ったお餅を入れています。抹茶の豊かな風味と苦味に、甜菜糖の優しい甘みを感じてもらえると思います。黒米のプチプチした食感も楽しめますよ。
いちじくくるみ

香ばしいくるみと、ドライいちじくを使った一風変わったおはぎです。二つの食材は洋菓子でも使用されますが、和菓子でもその相性の良さを感じていただきたい一品です。
黒米きなこ

生水の里・滋賀県高島市針江地区の契約農家の黒米をふんだんに使っています。下に深煎りきなこを敷いていて、優しく素朴な味わいになっています。
美味しいのおはぎだけじゃない!
聞けば聞くほど、どれにしようかと迷ってしまうおはぎたちです。しかし、この他にも、オススメの商品があります。それは、「本わらびもち」。筆者は試食でいただき、即買いしました。

「こちらは、れんこん粉と本わらび粉入りの上質なわらび粉、きび砂糖、深煎りのきな粉をふんだんに使っています。朝早くから時間をかけて手作りしていて、非常に数が少ないのですが、これを求めていらっしゃる方も多いんですよ」と天花寺さん。

その黒糖わらびもちを抹茶グリーンティーミルクに入れた「抹茶わらびもちラテ」もオススメ。プルルンとしたわらびもちが抹茶ミルクと一緒にストローで口につるんと入ってきてとろけます。正直言って、タピオカドリンクよりはるかに美味しいと思ってしまいました。
ハモニカ横丁の朝市での出店を狙うのもいいですが、不定期なうえ、すぐ売り切れてしまうので、ぜひ、お店に行って買ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:ぼたんとおはぎ
住:東京都武蔵野市西久保3-12-10 7アヴェニュー1階
TEL:0422-77-7427
営:11:00~16:00 (売り切れ次第終了)
休:月・土・日