東京の東急大井町線・旗の台駅の東口を出て、徒歩で1分圏内にある『鳥樹』をご存知でしょうか。朝〆の若鶏を毎朝仕入れ、オーダーが入ってから捌くという、素材にも調理法にもこだわる鶏料理専門店。
日本酒に合う絶品ムネ肉唐揚げとは?

カウンター席に腰を下ろしてオーダーすると、本当に目の前で鶏を捌き始めます。無駄のない見事な包丁さばきに思わずうっとり。一度も冷凍されていない鶏肉だそうで、当然、旨みもしっかりと閉じ込められています。これは期待大。冷凍してしまうと、解凍時に水分とともに旨みが流れ出してしまいますからね。

使用する部位はムネ肉のみ。骨がついた部分を豪快に切り分け、酒、しょうゆ、おろしショウガの漬けダレに7分ほど漬けこみます。薄力粉や片栗粉などをブレンドした衣をつけて、サラダ油で揚げていきます。

6~7分ほどでからあげの登場。大ぶりなからあげが4個も盛り付けられています。

骨つきというのがポイントです。骨の中には旨み成分が詰まっており、それがしみ出した骨周辺の肉は大変美味しいのです。小さな骨の中には食べられるものもあり、香ばしく揚がった骨をバリバリと豪快にいただきました。骨の周囲も残してしまうともったいないとばかりにかぶりついてしまった筆者です。
漬けダレに漬け込む時間が7分と聞いて、短いのでは? と最初は思いましたが、そのおかげで肉の旨みが十二分に残っており、醤油ダレの味がそれをまったく邪魔しない上品な仕上がりに。キリッと冷えた日本酒とも相性がいい。ついつい飲み過ぎてしまいました。

〆にぴったりな鶏ガラのスープもいただいて、大満足の本日の“から活”。鶏肉の新鮮さを売りにしたこちらは、鶏のお刺身も美味。串焼きもあるので、鶏肉好きの呑ん兵衛さんにもたまらないお店です。
●SHOP INFO

店名:鳥樹・東口店
住:東京都品川区旗の台2-9-22
TEL:03-3787-7218
営:17:00~24:00
休:火曜
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。