まもなく梅雨シーズンが到来。この時期になると、ジメジメした大気にまみれてイライラ、鬱々…「なんだかだるいなあ」と感じることが多くなりませんか? その理由は、体にも湿気が溜まることでだるさを覚え、やる気も低下してしまうため。
「消化器系は湿気が苦手なため、梅雨から夏にかけて、食欲不振や下痢など、お腹の不調を訴える人が多くなるんです」と話すのは、中医薬膳営養師&薬膳料理家の樋口彰子さん(アコ先生)。
そこで今回はアコ先生直伝、ジメッとした湿気を吐き出して、元気を注入できる薬膳レシピ「骨付き鶏のスパイスレモンご飯」をご紹介! 「夏に向けて、体の湿気を出してお腹の働きを整えつつ、エネルギーをチャージできる一皿です。気の巡りも良くなって、ストレスも発散できますよ」(アコ先生)
カレーの風味香るこの一皿は、いつも使っている身近な食材とスーパーで手に入る調味料で作れます。誰でもパパッと絶品料理ができる「炊飯器調理」なのもポイント。では早速、レシピをご紹介しましょう!
カレー風味で食欲増進!「骨付き鶏のスパイスレモンご飯」

スパイスとレモンで漬けこんだ鶏肉を、つけ汁ごと炊飯器に入れて炊き込むだけのお手軽レシピです。
今回使っている食材には、体に良いさまざまな効能があります。「鶏肉やお米は元気をつけてお腹の働きを良くし、ハトムギやサヤインゲンは体の湿気を出してくれます。また、スパイスや香りの良いレモンやハーブは気の巡りを整え、お腹の働きを良くする効果が。ぜひ、積極的に取り入れてみてください!」(アコ先生)
材料

・米……1.5合
・ハトムギ……0.5合 ※一晩水に浸けておく
・骨つき鳥もも肉……1本
・レモン……1個
・さやいんげん……10本
・パプリカ……1/2個
・パクチー……1株
A.鶏肉下味用の調味料

・生姜……ひとかけ
・ニンニク……ひとかけ
・酒……大さじ2
・みりん……小さじ1
・塩……小さじ2弱
・コリアンダーパウダー……大さじ1
・ガラムマサラ……小さじ1
・クミンシード……小さじ2
・ターメリック……小さじ1/2
・カイエンペッパー……適量 ※お好みの辛さで
作り方
1.鶏肉は味が染みやすいように、繊維に沿って垂直に切れ目を数本入れます。

2.Aのスパイスと調味料をビニール袋に入れて混ぜ、 1.の鶏肉を入れて良く揉み込みます。それを冷蔵庫で一晩置きましょう(時間がないときは1時間ほど)。
3.炊飯器に研いだ米を通常より少し少なめの水加減で入れます。

4.2.のビニール袋の中身を調味料ごと入れ、輪切りにしたレモン2/3個をのせて炊きます。

5.インゲンとパプリカはさっと塩茹でし、食べやすい大きさに切ります。
6.炊き上がったらインゲンとパプリカを混ぜ、皿にきれいに盛りつけてパクチーを散らしたら完成。食べるときにお好みで、レモンを絞ると一層、爽やかです。

炊飯器で炊いただけとは思えない色鮮やかで見栄えする一皿が完成! クミンシードやガラムマサラなどのスパイスが効いていて、カレーのような香りが漂います。見た目も香りも元気が出る「骨付き鶏のスパイスレモンご飯」は、おもてなしご飯にも、暑くなってくるこれからの季節にもぴったり。ぜひ、あなたのレパートリーに取り入れてみてはいかが?
(撮影・文◎草地麻巳)
●プロフィール

中医薬膳営養師
樋口 彰子(アコ)
神奈川・葉山の里山風景の中で、薬膳を中心とした1DayリトリートサロンPomegraを主宰。オンラインでの体質改善指導なども行う。「薬食同源(医食同源)を身近に。薬膳を難しく考える前に、食事は楽しく美味しくてこそ健康に結びつく。まずは普段使う食材の効能を知って、食事に取り入れてもらいたい」。そんな思いから、簡単に作れて美味しく食べられる「心も体も満たす薬膳」を提案している