『イワタニ』(岩谷産業)が手がける「カセットフー タフまる」(以下「タフまる」)は、キャンパー御用達の“カセットこんろ”です。風に強く重量のあるダッチオーブンも使えるなど、アウトドア料理を楽しみたい人にぴったりで、市販のカセットボンベを使用するので、初心者でも扱いやすいのがその理由です。
そんな「タフまる」が小型軽量化し、1~2人用として最適な「カセットフー タフまるJr.」(以下「タフまるJr.」)として今夏登場したのをご存じでしょうか? この商品がずっと気になっていたソロキャンプをたしなむ筆者が、実際にキャンプで使い、その実力を探ってみました。
従来機の約60%にサイズダウンし、携行性抜群!

本体サイズは幅約28×奥行き約19×高さ約12cm、重さはわずか1.6kg。現行品の「タフまる」から60%にまで小型化しているので、持ち運びも楽々です。

頑丈な造りの専用キャリングケースが付属するので、車に積んでの移動や自宅での保管もばっちり。小柄(150cm)な筆者でも片手でひょいと持ち運べます。アースカラーがまたアウトドアにしっくりきていい感じです。

いつも使っているソロ用テーブルに「タフまるJr.」を載せてみました。コンパクトなので余裕です。ちなみに一般的なサイズのイワタニカセットガスを取り付けると後ろの部分がはみ出しますが、何ら問題はありません。
ちなみに安全に使用するために、鍋の大きさは最大で上面の内径20cm以下、最小で鍋底が11cm以上、ダッチオーブンなら8インチが上限と決まっています。ソロ用の鍋ならまったく問題ないサイズですが、そこだけ気をつけるようにしましょう。
風に強い理由は「ダブル風防」と「多孔式バーナー」にあり

「タフまるJr.」が風に強い理由は、空気は通しても風は通さない、特許登録済みの「ダブル風防ユニット」にあります。外側を囲む四角い部分が一つ目の風防。ダイレクトに当たる風を遮る一方で、下方から燃焼に必要な空気を取り込む役目を果たします。
内側の丸い部分が二つ目の風防。外風防から送られた空気を引き込み、調理器具の形状や大きさに関わらず、安定した遮風効果を発揮。しっかり燃焼を支えてくれます。

風に強い理由は、もう一つあります。バーナーは、炎の出口が3段に分かれた「多孔式」を採用。火足が短く、風の影響で消えにくい炎が安定してキープされるので、アウトドアに最適というわけです。
うんちくはこのくらいにして、川のせせらぎをBGMに早速キャンプ飯を作りましょう!
安定した火力でどんな料理もチャチャッと完成!

本日のメイン料理は、ピリ辛の鶏肉と野菜をチーズに絡めながら食べる「チーズタッカルビ」。秋らしくサツマイモ入りで作ります。
野菜(キャベツ、タマネギ、ニンジン)は食べやすい大きさにカットし、鶏もも肉は一口大に切り下味(コチュジャン・酒・砂糖・醤油、おろしのニンニク、おろししょうが)を付けておいたものを持参しました。あとはサツマイモ(半月切りにし、水にさらしたもの)を加えて現地で焼くだけで、手間なく作れちゃいます。

スキレットに薄く油を引いて火が通りにくい鶏肉、サツマイモから炒め始めます。屋外でも火力が強く安定しているので、思いのほか早く火が通ります。


全体に火が通ったら、溶けるチーズをたっぷりトッピングすれば出来上がり! とろとろのチーズに肉と野菜を絡め、冷えたビールと交互に味わえば、それだけでもう至福です。
朝食の目玉焼き、ホットサンドでも大活躍!

朝ごはんは、鍋底12.5cmの小ぶりなスキレットでウインナーと目玉焼きを調理。火力調節もしやすいのでウインナーはパリッと、目玉焼きはプルンと焼き上がりました。ホットサンドも作ってみましたが、あっという間にカリッとフワッとしたモーニングサンドが出来上がりますよ。
お家の「鍋パーティ」にも活躍!

アウトドア向けに開発された「カセットこんろ」ではありますが、自宅でももちろん使えます。いえ、使わなければもったいない。筆者は小さめの土鍋で寄せ鍋を楽しみました。室内では風の影響はゼロなので、より効率的に調理できます。小さいのでテーブルも場所を取らず、広々使えるのもいいですね。
家でも外でも気軽に持ち運べて、風にとことん強い「タフまるJr.」。作る楽しみ、食べる楽しみがグッと広がるだけでなく、災害時などのいざというときにもその威力を発揮するはず。おひとりさまや少人数の家庭なら、備えて間違いなしのアイテムでした。
(取材・文◎池田実香)
●DATA
商品名:カセットフー タフまるJr.
価格:オープン価格
http://www.i-cg.jp/product/burner/cb-odx-jr/