カラッと揚げた分厚い豚肉を中華そばの上にのせたパーコー麺。中華料理店などではおなじみで、筆者も大好きなメニューなのですが、もしその豚肉が鶏肉、つまりからあげだったら…。
そして実際に、そんなメニューがいただける店があるのです。その名も「鶏パーコーうどん」。これは、東京・芝浦に今年(2020年)9月に全館開業した「ムスブ田町」にある『うどん 骨付き揚げ鶏 こびんちょ』の名物メニューなんです。

『こびんちょ』は本場・讃岐うどんの名店。“こびんちょ”とは讃岐地方の方言で、“子ども”のことなのだとか。そしてこのお店は「骨付き揚げ鶏」も人気メニューのひとつ。これはカラアゲニストとしてはいずれも食べてみなければならぬ! ということでさっそく芝浦へ行ってきました。
カレースパイスが絶妙なからあげがうどんの上に

まずはドハマリしているお客さんが大勢いるという「鶏パーコーうどん」(880円)を。ちょっと濃いめの和風だしとうどん、その上にからあげです。このからあげ、衣にカレースパイスで味付けをしているとのこと。
さっそくひと口いただきます。スパイシーな衣にも肉にも和風だしがしみ込んでいて、得も言われぬコクと濃厚さ。

うどんはコシがあり、なめらかでツルンとした舌ざわり。気持ちよく、そして勢いよく口、のど、お腹へと滑り込んでいきます。う~ん、さすが本場のうどん。旨いです! 食べ進むほどに、つゆにも衣のカレースパイスがじわじわとしみ出してきて、食べれば食べるほど味が徐々にカレーうどん風になっていくのも楽しいです。
骨までしゃぶりつきたくなる「骨付き揚げ鶏」

そしていよいよ「骨付き揚げ鶏」をいただきます。塩のみで味付けした素揚げです。ひな鳥を使用しているとのことで、小振りですが女性でもペロリと完食できてしまうサイズ感が好評だそう。
まずはムネ肉やササミの部分から。表面の皮がパリッといい食感です。淡白な印象がある部位ですが、意外にジューシー。

モモ肉は濃厚な旨みがしっかりと閉じ込められています。皮部分の軽いお焦げの香ばしさとともに、濃い味わいが口中を駆け巡ります。無我夢中で食べ進めてしまい、あっという間に大きな骨のみの姿に。骨の周辺の旨みが強い部分も最高で、思わずしゃぶり尽くしたくなります。半身揚げはこうでなくっちゃ! という正統派の味わいです。
骨付き揚げ鶏は、半身以外にモモ肉の部位(500円)も。そのほか四国の名物「じゃこカツ」(600円)なども味わえます。昼はうどん屋さんですが、夜は居酒屋。揚げ鶏で一杯やって、うどんで〆るというのもありですね。
●SHOP INFO

店名:うどん 骨付き揚げ鶏 こびんちょ
住:東京都港区芝浦3-1-1 msbステーションタワー 1F
TEL:03-6809-4788
営:11:30~15:00
17:00~23:00
休:ビルに準ずる
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。