2016年から毎年恒例となった「四川フェス」。昨年は2日間で10万人を動員しました。
そこで今回は、テイクアウトやインターネット販売を中心とする「GO TO四川料理」として開催されるそうです。12月14日~25日の12日間、全国から選び抜かれた四川料理を始めとする中国料理店が、四川フェスだけの特別メニューを引っさげて参加。
今回は、その「GO TO四川料理」出店の料理から、四川フェス実行委員に選んでもらった注目すべき「辛い麺」をピックアップしてご紹介します。
四川フェスで味わうべき麺料理はこれ!

日本人が「中国の辛い麺」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが「担担麺」ではないでしょうか。でも、実は中国には何種類もの麺料理があり、担担麺だけが、特別有名な麺ではありません。
日本で担担麺がここまで有名になった理由は、四川省出身の料理人・陳建民氏が、日本人好みにアレンジして提供したからというのは有名な話。汁ありにしたり、ラーメンのごとく量を増やしたり、さらに辛さを和らげるために芝麻醤を入れたりと、様々な工夫を加えたことによって、日本人の舌にピタリとハマり、広く知れ渡るようになりました。

そしてここ数年は、ご存知“麻辣ブーム”。すなわち、痺れ(麻)と辛さ(辣)の要素を強く押し出した担担麺がメジャーになりつつあります。とくに痺れと香りの強い花椒を使用したタイプが増えたことにより、これまでの辛いだけだった平面的な味から、麻と辣の非常に複雑で奥深い味わいに進化しました。

例えば四川フェスで登場する『想吃担担面』(名古屋)の「超麻辣担担麺」は、まさにその麻辣の辛さ、痺れ、香りを堪能できる逸品。また、『175°DENO担担麺』(札幌、他12店舗)の「汁なし担担麺」は、四川料理と日本のラーメンの調理技術を融合させた、四川の担担麺でも日本の担担麺でもない、オリジナルの一杯です。
一方、さらに踏み込んで、日本の伝統麺をアレンジした、完全に新しいタイプの担担麺も登場しています。

それが『Ce-Cafe』の「汁なし担担ひっつみ」です。「ひっつみ」とは、小麦粉を練って固め、つまんで(ひっつみ)平たい麺状にし、これを汁物に入れていただく、岩手県のローカルフード。このひっつみを麻辣味にして汁なしにしたのがこれなのです。
次にブームになりそうな麺は?

前述したように、日本の担担麺は、陳建民氏が広めた“汁ありタイプ”でしたが、ご存知のように、近年、本場・四川と同じ“汁なしタイプ”が日本でも一般化しています。その流れで、担担麺ではなく、四川のそのほかの「汁なし麺」が日本に徐々に上陸してきています。その中でも特に注目なのが「宜賓燃面(イーピンランメン)」です。
四川省の宜賓という地域の名物麺ですが、そこ以外でも食べられている大人気の麺料理です。どんな麺かというと、麺にラー油と調味料、具は中国の漬物(芽菜)と肉そぼろ、ネギをトッピングした、非常にシンプルな油そばです。
今回、四川フェスでも数店舗がこの「宜賓燃面」を出しており、ひそかなブームが到来中です。

皆様、いかがでしたでしょうか? 最近では漢字が難しいことでも知られる西安生まれの「ビャンビャン麺」がセブンイレブンで販売されるなど、日本の中華料理の麺に対する注目度はますます高まっています。
中国の辛い麺の「これから」を、四川フェスでぜひ感じてみてください。
●DATA

四川フェス2020
https://meiweisichuan.jp/sisen-fes2020