『まい泉』の「ヒレかつサンド」といえば、デパ地下や駅の売店、空港、はたまたスーパーなどでも見かけることがあり、テイクアウトや差し入れで、1度や2度食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

パンと柔らかいヒレカツはベストバランスで、どこで買っても「うんうん、この味」と、いつでも美味しい。
そう、ひと言で言って、『まい泉』のカツサンドは、超優秀なのです。

そんなわけで、先日、いつものように『まい泉』の「ヒレかつサンド」を買って家で食べていたのですが、最後の一切れを取った瞬間、ふと思ったのです。「そういえば、このサンドイッチ、お店で一度も食べたことがないな」と。
『まい泉』の本店のレストランは東京・表参道にあります。「熟練の職人が揚げる熱々でさっくり、箸で切れるやわらかなとんかつ」が看板メニューです。でも、筆者は、実は行ったことがありませんでした。あまりにもどこでも気軽に買えるので、レストランに行く機会がなかったのです。
当然、本店にはプロのカツ職人がいるでしょうし、「ヒレかつサンド」を作る時も、当然、揚げたての“ヒレかつ”をパンに挟んでくれるに違いありません。アツアツ、サクサク、湯気の立つヒレカツがパンに挟まっているのを想像すると、矢も盾もたまらず食べてみたくなりました。
本店のヒレかつサンドは駅のものより美味しいのか?

本店に到着すると、レストランの横にはテイクアウトの出店も併設されていて、お弁当やカツ丼、揚げたてのとんかつやメンチ、「ヒレかつカレーパン」などたくさんの商品が販売されています。どれも美味しそうで心惹かれますが、今日はその誘惑を振り切ってレストランへ。

店内は、カウンター席とテーブル席があり、筆者はカウンターに通されました。迷うことなく「ヒレかつサンド」(6切900円)を注文します。

しかし見渡す限り、お客さんのほとんどは「とんかつ定食」を食べています。お盆にのった白いご飯、シャキシャキの千切りキャベツ。そして、揚げたてのサクサクのロースかつ。しかもどのお客さんも、実に美味しそうに食べているんです。ついつい「ああ、とんかつが食べたい」と思ってしまいます。

しかし、登場した「ヒレかつサンド」を目の前にして、その思いは一気に消し飛びました。

かじってみると、ヒレかつは温かく、パンもカツも驚くほどフワフワ。口の中でとろけるような食感。昨日食べたテイクアウトの「ヒレかつサンド」も柔らかかったのですが、それとは全然違う、夢のように儚い口当たりなのです。
これが『まい泉』の“元祖ヒレかつサンド”なんだ、めちゃくちゃ旨いじゃないか…! としばし感動。大根おろしをのせたり、辛子をたっぷりつけたり。あっという間に6切れを完食。

「これは、冷えても絶対に美味しいに決まっている」と思い、お店の方にレストランの「ヒレかつサンド」の持ち帰りができるかを聞いてみたところ、テイクアウトは可能ではあるものの、残念ながら、いま食べたものではなく、工場で作ったものなんだそうです。つまり、レストランの「ヒレかつサンド」の味を持ち帰ることはできないのです。
となれば、なおさら「今日、お店で食べて良かった!」と嬉しさがこみ上げてきます。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:とんかつ まい泉 青山本店
住:東京都渋谷区神宮前4-8-5
TEL:0120-428-485
営:11:00~20:00LO
休:無休