エスニック食材のラインナップが豊富なカルディ。レトルトカレーひとつ取っても、本格インドカレーやタイカレーは言うに及ばず、「レモンチキンカレー」、「台湾カレーミンチカレー」など個性的なカレーが売っています。
そんな数あるレトルトカレーの中でダントツ人気なのが、カルディオリジナルの「ビーフカレー」。しかし、気になる類似商品として、「スパイシービーフカレー」なるものもあります。

筆者もそうでしたが、食べたことがない人は、どっちを買うべきかやや迷うかもしれません。 スパイシーというくらいだから「辛口」で、もう一方は「中辛」程度かな? とか、スパイシーのほうがサラッとしたタイプで、普通のはドロリとしているんじゃないか、とか、あれこれイメージすると思いますが、実際はよくわからず。
結果、「スパイシービーフカレー」をカゴに入れたのですが、勝手なイメージで決めるのはよくない、と思い直し、2つとも買って食べ比べてみることにしたのです。
「スパイシービーフカレー」は意外と辛くない

「ビーフカレー」も「スパイシービーフカレー」もレトルトパウチなので、熱湯で5~7分湯煎するだけ。
まずは「スパイシービーフカレー」から。パッケージには「スパイシーさとは何かをとことん追求し、厳選した12種類の香辛料でスパイシーさを表現した」と書いてあります。
皿に盛り付けてみると、見た目は濃厚なカレー色。牛肉や人参、ジャガイモが入っています。想像したサラサラタイプではなく、シチューのように濃度高めです。

さっそくスプーンですくって、まずは香りから。インドカレーを思わせるカルダモンやクミンなどの爽やかな香りがします。
食べる進むほどに漢方のような風味が舌に残り、後味も香辛料が強く主張してきます。パッケージにあったようにスパイスをガツンと感じさせるカレーで、旨みもしっかりあります。うん、なかなか美味しい。辛いもの好きの人にとっては「スパイシーとは一体…」となりそうですが、あくまでスパイス感をしっかり感じられる、という方向で調理してあるようです。
隠し味にコーヒー&チョコレートを使った「ビーフカレー」

続いて「ビーフカレー」。前述の通り、これはカルディのレトルトカレーの中で一番人気の商品です。見た目はさきほどの「スパイスビーフカレー」とあまり変わりませんが、こちらのほうが牛肉やジャガイモ、人参といった具材のゴロゴロ感がより感じられます。
パッケージには「炒め玉ねぎをはじめ、野菜や果物と牛肉の旨味を引き出し、カレー粉と独自ブレンドしたスパイスで牛肉とジャガイモ、人参をじっくり煮込んだ」と書いてあります。そして何と言っても最大の特徴は、隠し味にコーヒーやチョコレートを加えてある点。家カレーの定番隠し味的なものが、最初から入っているわけです。

食べてみると、先ほどの「スパイシービーフカレー」とは似て非なる味わい。何時間もじっくり煮込んだような、コク深く濃厚な欧風カレーという雰囲気です。スパイスの際立ち感はないものの、まろやかなコクと甘みが全体を統一しています。
全体的に味がきれいにまとまっている印象で、スパイス感は最初から最後まで主張してこないものの、これはかなり美味しいかも。やはり2つの最大の違いは、前者はスパイス感で、後者はコーヒーやチョコレートのコク感でしょうか。
個人的な好みはあると思いますが、筆者は断然「ビーフカレー」のほうが美味しく感じました。やはり、カルディ(キャメル珈琲)といえば、コーヒーのプロ。コクの表現がとても上手。次回からは「ビーフカレー」一択にしようと思った次第です。
(撮影・文◎ナナノナノ)