埼玉在住の知人から、例えどんなに遠くても、例え並んででも食べに行く価値のある炒飯があり、しかも大盛は結構なボリュームがあるとの情報が。ということで、今回向かったのは埼玉県加須市。
実はこの店、人気がありすぎるため、行列ではなく「記帳制」。まず店に行き、店頭にある台帳に名前を書き、待つ時間を想定して、時間になったらまた店に戻ってくる方式です。
ということで、記帳台で名前を書き、前に書いてある人の数を数え、一旦店から離れて時間潰し。なんとなく街をぶらぶら散策します。加須って、おそらく旧街道とか? 瓦屋根の2階建木造建築や、蔵、レトロ看板などを眺めつつ、行き当たりばったりでフラフラして時間を潰し、おそらくこれぐらいかな? という時間にまた店の前に戻って記帳台を確認。あと2人だったので、そのまま店の向かいにあるテントの下で待機し、名前を呼ばれてから店に入りました。

店内はテーブル席。ビニールシートが壁から下がりパーテーションとなっています。カウンターの上にメニューの札が貼られていて、「炒飯」、「カレー炒飯」、「辛い炒飯」などチャーハンだけでも複数あるほか、「チャーシューエッグライス」とか、「天津飯カレーがけ」など、炒飯を食べにきたのに、他のメニューもすごく気になる。
メニュー札の下にある黒板にも手書きメニューがあり、こっちには「あんかけ炒飯」を発見。ど、ど、どれにしよう。炒飯1種だけかと思っていたのに突然の選択肢増加。そして他のメニューの誘惑。この店、おそらくだけれどラーメンもカレーも絶対旨い。メニューのバリエーションの豊富さから伝わってきます。普段は優柔不断な方ではないけれど、なかなか縁のない加須。滅多に来られないからこそ、究極の一品を選ばねば!
ってことで思い出した。そうだ、デカ盛りを食べに来たんだ! ということで、お店の人に、炒飯の中でボリュームがあるのはどれかを聞くと「チャーシュー炒飯」とのこと。なので、「チャーシュー炒飯」を大盛りで注文決定です!
思わずがっついて食べちゃう旨さの「チャーシュー炒飯」約1kg

目の前に出されたのは、炒めたて熱々の炒飯の上に、チャーシューがどーんと積まれた、肉の割合が高い豪華炒飯。早速計測です。
直径23cm、高さは約14cm。
炒飯の具は、ネギとナルト、卵。シンプルな構成です。そして「『チャーシュー炒飯』の肉は豚の腕肉なんですよ。バラより美味しいので」とお店のチーフ・駒さん。腕肉って、豚足の爪先以外の、あの部位ってこと? いままでいろんなラーメン店を取材してきたけれど、豚の腕肉をチャーシューにしているお店は初めてかも。

計測を終えて早速炒飯を一口! うわ~。確かにハマる美味しさ。鉄鍋で炒めた香ばしさとか、味付けの絶妙さとか、シンプルなのにとてつもなく旨い。コショウのピリッと感も程よく、思わずがっついてしまうほどです。
炒飯部分をガツガツと食べ、ちょっと冷静になったところでチャーシューを一口。こっちも、しっかりとした弾力に、タレがかかっていて濃厚な美味しさ。これだけでビールのつまみにしたい。腕のチャーシューって、程よく脂身のしっとり感があって、米との相性がこんなにいいとは! チャーシュー山盛りだからね、大盛り炒飯と1:1のバランスで味わえるのもテンションが上がってきます。

チャーシューで口の中が濃厚な旨さに満たされたところで、今度はスープ。こっちはスッキリとした味わいで、口の中がリセットされます。やっぱり炒飯にスープは欠かせない。気がついたら炒飯、チャーシュー、スープの無限ループ状態。喋りながらちょこちょこ食べるなんてことはせず、黙って集中してひたすら食べ続ける状態に。
店頭で並んでいる人が見ているわけじゃないが、おそらく街中で席が空くのを待っている人もいるしね。会話するより美味しさを黙って堪能したい。そんな気持ちになる炒飯です。

そもそも、なんでこんなにチャーシューを重ねるようになったんですか? 「最初はちょっとだったんだけどね、だんだん見栄えとか、喜んでもらいたいとか。今や儲け度外視でのせてますね」とニッコリ。駒チーフ曰く、おそらく250g前後は盛り付けているとのこと。チャーシューの味がしっかりしている分、チャーハンの味は気持ち薄めにしているそうです。

そして、「材料がなくなり次第閉店なので、遅い時間に来ると、お目当のメニューが終了している場合もあります」。今はランチタイムだけの営業ということもあり、混雑する日だと名前を書いた1時間後になってしまう場合もあるとのこと。なので、「なるべく時間に余裕を持って、早めにきていただくのがいいですよ」とのこと。
記帳台が店頭に置かれるのは朝7時半前後。
焦がし醤油とコショウのピリッと感がたまらない炒飯に、濃厚な旨みの腕肉チャーシュー、そしてスッキリ美味しいスープ。お腹いっぱいになっても、まだ口が欲しがる絶品炒飯。東武伊勢崎線に乗って食べに来る価値あり! のどハマりする炒飯でした!
(撮影◎小嶋裕 取材・文◎いしざわりかこ)
●SHOP INFO

店名:かし亀
住:埼玉県加須市中央1-10-8
TEL:非公開
営:11:00~材料無くなり次第終了
休:日曜