『バーガーキング』といえば、ビッグサイズのハンバーガー『ワッパー(WHOOPER)』が店の代表メニュー。あの直火焼きのパティの薫香、ジューシーさ思い出すたびに、筆者もよく食べに行きます。
そして海外のバーガーキングには、そのワッパーにフレンチフライを挟んだ“ポテトバーガー”が存在するのをご存知でしょうか? 筆者も最近まで知らなかったのですが、旅好きの同僚から教えてもらいました。

なんでも、ニュージーランドのバーガーキングには、バンズの間にフレンチフライを重ねてマヨネーズとケチャップで味付けしたシンプルなバーガー『チップパティ』というのがあり、ポテトがホクホクしていてやみつきになる、というのです。
フレンチフライといえばハンバーガーのサイドメニューとしか思っていなかったので、バーガーのメイン具材になるとは思ってもいませんでした。が、フレンチフライとケチャップ、マヨネーズの組み合わせは、想像するに、バンズに挟まったとてマズいはずがありません。しかも「バンズ×ポテト」という炭水化物×炭水化物の組み合わせは、日本人が大好きな組み合わせ。

ぜひ食べてみたいと思ったのですが、日本のバーガーキングに「チップパティ」というメニューはありません。そのためだけにニュージーランドに行くのも大げさだし、どうすればいいのか。一瞬悩みましたが、ふと気づきました。店に行けば「チップパティ」の素材は揃っているわけなので、自分で作ればいいんじゃないか? と。というわけで、すぐに最寄りのバーガーキングに出発しました。
自作した「チップパティ」は美味しいのか?

バーガーキングに向かう道中、少し冷静になって考えてみました。ニュージーランドの「チップパティ」は、フレンチフライがメイン食材であり、しかもポテトのホクホク感が命。

そういえば、昔どこかで伝え聞いた、“バーガーキングで揚げたてのフレンチフライを確実にもらう方法”を思い出しました。フレンチフライを注文する際に「塩抜きにしてください」とお願いすると、すでに塩を振った作り置きポテトは出せないため、「次の揚げ上がりまでお待ちいただけますか?」と言われるらしいのです。
これならホクホクのポテトをゲットできる可能性が高い。と言うわけで、「ワッパーチーズバーガーのセットで、ポテト塩抜き」をお願いしてみたのです。すると案の定、3分ほど待ちましたが、揚げたてのフレンチフライをもらうことができたのです。

では、さっそく「チップパティ」を作っていきましょう。最初にやることは、上のバンズをめくって、中のパティを取り除くことです。

しかし、ここで予期せぬ問題が起こりました。バーガーの包みを開けた途端に、直火焼きパティの芳香が鼻孔を直撃。その瞬間、「いやまぁ、別に肉くらいあってもいいんじゃないですかね、そんな目くじら立てるほどのことでも」などと悪魔が囁いてくるわけです。しかもこの100%ビーフパティはバンズと一緒に食べるためにバーガーキングが総力を挙げて開発した逸品。

フレンチフライを1本1本、縦に並べていきます。積み重ねながら、1本つまみ喰い。すると、この塩抜きのフレンチフライがめちゃくちゃ美味しいんです。外はカリッ、中はホクホク、ジャガイモ本来の甘みが完璧に引き出されています。塩がない分、ダイレクトにイモ感が伝わってくるんですね。
フレンチフライの旨さに感激しつつ、ポテトが2段に積み重なったところで上のバンズを戻し、オリジナルの肉入り「チップパティ」が完成。いざ、実食!

フレンチフライがこぼれないようにバンズを両手でしっかりホールド。一気にかぶりつくと、まずはバンズとポテト、パティの食感と旨みが口中になだれ込み、続いてトマト、チーズ、ピクルスらも参戦。
何ひとつとして邪魔なものはなく、全てが一体となって「旨い!」のひと言につきます。とくにフレンチフライはホクホクした食感の役割にとどまらず、他の食材の汁気や塩味、酸味をほどよく中和するクッションのような役割を果たし始めます。

加えて、ただでさえ大きなワッパーが、ポテトによってさらにボリュームアップ。なのに、ペロリと食べられてしまうんです。今さら遅いですが、ビーフを抜いてもきっと美味しかったと思います。が、やっぱりこのビーフパティは最高にウマい、と再認識。
というわけで、自力でフレンチフライ入りの「チップパティ」を作ってわかったことは、バーガーキングのフレンチフライは塩を抜いたほうが美味しさより引き立つ。そして、それをワッパーに挟んで食べると、実はかなり美味しいという2点です。皆さんも今度バーガーキングに行ったら、ぜひフレンチフライを塩抜きで頼み、ニュージーランド仕込みの「チップパティ」を作ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)