三元豚やもち豚、あぐーなどの最近よく目にする“ブランド豚”。鹿児島の黒豚も、今やすっかり一般的になった気がします。
場所は港区芝大門。超都心にある『芝大門精肉店』です。港区って新橋以外はほとんどがおしゃれなお店のイメージ。もっとデカ盛りを出す庶民的な店、あったらいいのになぁ~。

席につき、メニューを開きます。一番大きく紹介されているのは「帯広豚丼」スープ付き700円。「豚丼の本場、帯広の人気店から受け継いだ特製ダレをたっぷりと絡めました」と書かれています。700円でスープ付きで、+100円でコーヒーもセットにできちゃうのはかなり魅力的。他にも「生姜焼き丼」や「ステーキ丼」、「豚重」などがあり、いずれもスープ付き。
しかし、デカ盛り丼は実はランチメニューに載っていません。という事でお店の人に声をかけ「メガ盛りMIX豚丼」をお願いします。
『ルイビ豚』山盛りで約1.4kg!「メガ盛りMIX豚丼」高さ約15cm

目の前にやってきたのは、朱の丼に守られた山盛り豚丼。早速計測です。直径22cmの器に高さ15cm、重さは1404g(器の重さを除く)。セットのスープは109gなので、小鉢のアイテムも含め、トータル1.5kg超え。
「うちは『ルイビ豚』をゆっくり召し上がっていただくお店です。ルイビ豚は3つの豚を掛け合わせてできたもので、脂の融点が一般的な豚が38°Cに対してルイビ豚は32°C。だから口の中でとろけていくんですよ」と話すのは店の広報を担当する山本治さん。
店に貼られたポスターを見ると、さっぱりとした脂と赤身の均整がとれた「ランドレース」種、きめ細やかな肉質と脂の融点が低い「ヨークシャー」種、歯切れの良さと濃厚な旨みの「バークシャー」種のいいとこ取りが「ルイビ豚」。富士山麓の雄大な自然の中で育てられているそうです。

そして味の要となるタレは、帯広にある人気豚丼の店のレシピをそのまま譲り受けたもの。なので帯広の人気豚丼の味を芝大門で味わえる、ということになります。この日丼の横に添えられていたのは、山椒とガリと柴漬けを刻んだもの。肉の上には刻みザーサイも散らされています。
山椒をかければ蒲焼き風だし、ガリは酸味でさっぱり、など、味変の準備もバッチリ! そしてこの日のスープはネギたっぷりのお吸い物。スープや添えてあるおしんこなどは日によって変わる場合があります。

計測も終えて早速一口! ルイビ豚肉、柔らかくて甘い! 噛めば噛むほど旨みが口の中に広がっていく感覚。そして、こんなにツヤツヤテカテカなのにくどくない。タレの甘さと調和が取れていて、肉1枚1枚をじっくり噛んで味わいたいのに、思わずがっついてしまうっ。さすがブランド豚肉。品があってしつこくなくて、そして旨みがジュワッと押し寄せます!
口に余韻が残っているうちにゴハンを。タレの染みたゴハンは、おかずなしでもいけちゃうのでは? 生姜焼きやチャーシューと違い、ガンガンくるのではなく、優しく包み込むようなホッとする味わい。

まずはそのままで味わったのち、山椒をぱらっとかけると、一気に香りが良くなり、さらに食欲を増進させます。山椒、鰻ばっかりかけていたけれど、豚丼ともこんなに相性がいいとは! 上品なルイビ豚をさらにワンランク上に品を良くしている気がします。
続いて柴漬け。こっちはすでにかかっているザーサイと同じく、コリコリ感が合う! 豚肉とゴハンの間で名バイプレイヤー的役割をはたしています。程よい酸味でタレや豚肉の甘みをしめてくれる絶妙なバランスです。この豚丼に何が合うのか計算され尽くしているなぁ。気がついたらかなりのスピードでワシワシ食べ進めていきます。

そもそも、なんで裏メニューのメガ盛りができたんですか?「僕が食いしん坊で喜んでもらうためです」とにっこり微笑む山本さん。実は「メガ盛りMIX豚丼」、テレビや雑誌など含め、紹介されるのは初。元々は話題になったらいいな、と思って某飲食店紹介サイトにだけ載せていたもので、店にあるメニューには記載しなかったそう。
ルイビ豚の美味しさはもちろん、帯広の人気店直伝のたれ、そしてアクセントになる柴漬けやザーサイ。全てがテンションの上がる美味しさの「メガ盛りMIX豚丼」。ルイビ豚の魅力にハマりそうな予感です。次回は、ディナータイムに来て、料理長渾身の出汁で味わう「ルイビ豚しゃぶしゃぶ」を食べに来ます!
●SHOP INFO

店名:芝大門精肉店
住:東京都港区芝大門1-7-12 宮本ビル 1F
TEL:080-6050-0010
営:11:30~13:00、17:00~22:00(L.O.各30分前)
休:土曜、日曜、祝日