『CoCo壱番屋』(通称ココイチ)といえば、ご存じ日本を代表するカレーチェーン。好みの辛さのカレーを注文し、そこにカツやイカリング、パリパリチキンなどの好みのトッピングをのせてカレーを楽しむのが常道です。

しかし、ココイチでは実はラーメンも提供しています。この事実を知らない人も意外と多いのでは? というのも国内・海外合わせて1461店舗あるココイチの中で、ラーメンを出しているのはたった136軒、つまり1/10以下。さらに都内でいえば168店舗中9店舗しかないのです。
筆者もココイチでラーメンを食べたことはありません。というより、ラーメンを出していることすら最近まで知りませんでした。

ところが先日、コンビニでココイチ監修「黒カレーラーメン」なるものが売られているのを発見。その際に「ココイチ ラーメン」などとスマホで検索しているうちに、ラーメンが食べられる店舗があることを知って驚いたというわけです。
というわけで、ココイチの店舗でラーメンを体験しようと思い、都心で食べられる店舗の一つである「水道橋外堀通り店」に行ってみることに。果たしてどんなラーメンなんでしょうか?
ココイチでカレーらーめんを初体験!

ココイチの水道橋店では、ラーメンの提供は午後2時から。ずいぶん中途半端な時間で、いわゆる昼休みには食べることができません。おそらくラーメンはカレーと違って麺を茹でる時間がかかるため、忙しい時間を避けてからじゃないとお客さんをさばききれない、というのが理由なんじゃないかと思います。

ラーメンメニューを見てみると、「うまこくカレーらーめん」(764円)が最もベーシックなラーメンのようです。
今回はせっかくなのでちょっと豪勢に「手仕込カレーらーめん」(1008円)を注文してみました。辛さは5辛までありますが、初めてのラーメンなので、「普通」を選択。
ラーメンの出来上がりを待っている間に訪れるお客さんのほとんどが、やはりカレーライスを注文しています。まぁ、ココイチに飛び込んでくる人は、たいていカレーへの欲望が最大限に高まっている状態だと思うので、これは仕方ないでしょう。あるいは、みんなラーメンが食べられることを知らないという可能性もあります。いずれにしても、待つこと10分、登場したのがこちらです。

丼には、揚げたてのサクサクのカツ、そしてシャッキシャキのもやしに覆われて、麺もカレーも見えません。これでは、ラーメンであることがわかりませんよね。そこで、麺とご対面すべく、カツをもやしの上に移動してみました。

じゃーん! 筆者はココイチで初めてラーメンに対面。まずはスープをひと口飲んでみると、サラッとしています。

そして麺は中太麺。ツルツル・もちもちしていて、すするたびにスパイシーなカレーの香りが鼻に抜けます。カレースープの絡みもよく、麺を噛むとカレー味がじわりじわりと口に広がっていくのです。そしてみずみずしくてシャキシャキのもやしがいいアクセント。半信半疑だったものの、カレーらーめん、ウマいじゃないか! いい意味でカレーライスとは違う美味しさで、かなり新鮮です。
そして途中から、ココイチのお馴染みの卓上調味料を使ってみます。今回、カレーらーめんの辛さは「普通」でオーダーしていたので、素材の美味しさをしっかり感じられた一方で、辛いもの好きとしては、「とび辛スパイス」をバンバン振って、好みの辛さに調節したくなるのです。

さらに、今回はココイチのトッピングの中でも最も贅沢な「手仕込とんかつ」が搭載されていることを忘れてはいけません。ココイチ好きならお分かりだと思いますが、この「手仕込とんかつ」は、衣がサクサクで、肉は柔らかくてしっとりしていて、まさにカレーのために作られた純粋培養のとんかつです。
それが今回は、カレーらーめんの上に鎮座しています。

とんかつの衣がカレースープをたっぷり吸ってしんなりします。これが旨いのなんの。カレーライスでは絶対に味わえない食感のとんかつになるのです。いわゆる、コロッケそばのコロッケのようなクタクタ感がたまりません。そしてジューシーなお肉。最高です。
さらにソースを少しこのクタクタとんかつにかけると、キリッとした味わいになってかなり美味しさが際立ちます。ここでふと思いついて、スープにもソースをひと回し、ふた回しかけてみることに。

ソースが加わったスープは、より深みが増して、めちゃくちゃ美味しい。どんぶりを両手で持ってスープを飲み干してしまいました。途中で、ライスをもらえばよかったかな~と思ったくらいです。
というわけで、ココイチの「カレーらーめん」をお店で初体験して思ったのは、ライスもいいけどラーメンも負けず劣らずウマいということ。ココイチさんがもっとたくさんの店舗でラーメンを食べられるようにしてくれることを願わずにはいられません。機会があれば、みなさんもぜひ食べてその味を確かめてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)