日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。



夕方や夜に、パン屋さんの前を通って、「このパンってどうなるんだろう?」って思ったことないでしょうか?このように、閉店後まで売れ残ってしまい、まだ食べられるのにどうしても捨てざるを得ないパンを「ロスパン」と言うそうです。

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2023年の日本全国でのフードロスは、およそ464万トン。そのうち、事業系でおよそ231万トンと推計されています。パンの廃棄の量の統計はありませんが、きょうとりあげるrebakeの調査では、小さめのパン屋さんより大きめのお店で廃棄は多く、大きめのパン屋さんでは平均で作ったパン全体のおよそ5~10%も廃棄になるそうです。パン屋さんの努力によりかなり減少傾向にありますが、まだまだロスになってしまうパンは少なくないとのことです。

そんな、ロスになりそうなパンを、もう一度パン好きの手に届けているのが、「rebake」という通販サイト。

廃棄になるパンを冷凍して安価で全国に

「rebake」のユニークな仕組みを広報・中島百音さんに伺いました。

中島:リベイクは、全国1500店舗以上のパン屋さんからパンをお取り寄せできる通信販売サービスになってます。特徴的なのが、パン屋さんの店頭で通常の営業で売り切れずに余ってしまったパンを私たちはロスパンって呼んでるんですけど、そのロスパンを中心に、取り扱うパンの通信販売サービスになってます。パン屋さんの店頭で当日売り切れずに余ってしまったパンさんを当日冷凍してもらって、それを全国のパン好きの方が予めそのパン屋さんのロスパンを買いたいっていう人が予約購入しておいて、店頭でロスが出たタイミングでそっちに発送してもらうっていう仕組みになってます。

ロスパンっていうこともあって、少しお値引きをお願いしていて、平均すると店頭の販売価格より大体30%ぐらい安く販売していただいてます。ご利用いただく方とのはメリットとしては、その全国の1500店舗以上のパン屋さんのパンをお取り寄せできできるっていうところと、ちょっとだけそのお安くパンが食べられるっていうところでご利用いただけるかなと思ってます。



どのように消費者の手元に届くかというと・・・
rebakeのサイトで、お目当てのパン屋さんのセットを購入。
そのパン屋さんでロスパンが出たタイミングで冷凍され、すぐに発送
発送の通知がきて、実際に届く。
解凍し、リベイクしておいしく食べることができます。

基本的には、自然解凍後にトースターで焼いて食べるのですが、パン屋さんごとに、おすすめのリベイクの仕方の用紙が入っています。
なお、生クリーム、生のフルーツが入っているものなど対象外のパンもあります。

Q:そもそもなぜ、このようなサービスを始めたのか、実際にどのぐらいロスの削減になっている?

中島:サービスが始まったのが2018年の10月で、元々弊社の代表が大学院で環境について学んでいて、食品ロスについて興味を持っていたときに、代表のお姉さんがパン屋さんで働いていて、パン屋さんではすごいロスが出やすい仕組みがあるっていうのを知ったんですよね。で、パン屋さんで出る食品ロスを減らす活動ができないかと思って。今結構流行ってる長時間発酵は作るのにかなり時間がかかるので、注文されてから作ったりすることができないので前日とか前々日に売れる数を予想してあらかじめなきゃいけないっていうのがあって、もし予想が外れたりだとか、急にすごい雨が降ってお客さん来なかったなとかいうと、大量にロスが出てしまうっていう形態なんです。利用者数は、合計で10万人ぐらい。ロスパンの削減数みたいなサービス開始の2018年からだとトータルして1000tのロスパンを廃期から救ってきました。

パン屋さんの性質上、どうしてもロスが出やすい部分があるんですね。値引きをしているところもありますが、値引きをしても余ってしまう、そもそも店頭で値引きをしたくないというお店もあるそう。

登録店舗=およそ1500。利用者数=およそ20万人
ロスパンの削減数は累計でおよそ1000トン

「生活は踊る」では、以前「夜のパン屋さん」をとりあげました。こちらもパンの食品ロスを減らす取り組みでした。

番組でも実際にパンを取り寄せてみました。今回取り寄せたのは、長野県茅野市にある「ruteyu」というパン屋さん。

届いたパンは13個!

廃棄になるパンを冷凍して安価で全国に

袋を開けて温めると・・・↓

廃棄になるパンを冷凍して安価で全国に

パンの種類は実に豊富で、クロワッサン、ノアレザン、オリーブオレンジカシューナッツ、クリームチーズクランベリー、和野菜の包み焼きアンパン、焼きカレーパン、ヨーグルトベリー、ハムオニオン、バニラクリームパンなど、すべて違う種類が届きました。

食べてみた感想は「美味しい!」「テンション超上がります、これ!」と大好評。冷凍されていたとは思えないクオリティに驚きました。

お店情報
2022年、長野にオープンしたパン屋さん。
パンと、ともに。という大きな合言葉が書いてある看板が目印です。
皆さんの暮らしに寄り添ったパンを提供するため「小麦の風味」と「口溶けの良さ」にこだわったパン作りを行っています。

今、ふわふわしているソフト系のパンが日本では主に広がっていますが、噛み応え抜群のノアレザンやベーコンチーズなどのハード系のパンを数多く取り揃えております。人気商品の1つはクロワッサンとのこと。


今回のパンは、送料込みで税込3,249円。
こちら、関東の場合で、地域によって送料が異なります。送料別だと2,999円です。

パン屋さんの情報や、パンの解凍や温めについておすすめの方法の用紙も同封されています。
ほかのお店も、たいてい「10~15個セット」送料含めて3000円前後になることが多いそうです。
そして、rebakeの利用で出た収益の一部は、環境や食糧問題に取り組む団体に寄付されています。

廃棄になるパンを冷凍して安価で全国に

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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