今年は、観測史上、最高気温を連発するなど例年にも増して暑い夏でしたね。そんな中、最近、このようなニュースが。

“今年の蚊のピークはこれから…。”確かに、例年に比べて蚊に刺される回数が少なかったように思えます。では、「今年は蚊が少なかった?」そして「蚊のピークはこれから」というのは、実際のところはどうなのか…。そして、O型が刺されやすい・刺されたら×をつける?などなど都市伝説的な話や、正しい対策など、害虫防除技術研究所代表で医学博士の白井良和さんに教えてもらいました!

今年の蚊の動きは…?

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雨の少なさと猛暑の影響&蚊の活動低下
白井:猛暑で気温も高かったんですが、雨が少なかったので水たまりがあまりできなかったです。多少の水たまりができても、暑すぎてすぐに蒸発してしまっていたため、蚊の幼虫(ボウフラ)が育つ場所がなかったかと思います。幼虫が少ない、すなわち、成虫も少ないといったことになります。その他には、蚊の成虫が竹やぶや木陰に潜んでしまっていて、人が活動する場所にあまり出てこなかったうえ、人の血を吸う意欲もなかったと思います。つまり、高い気温と降水量が少なかったというのが原因。現在は、雨も降って蚊の幼虫が育つ水たまりもできているので、卵が孵化する、そして幼虫が育っている時期になるので、下旬にかけて蚊が増えてくる可能性があります。11月になっても蚊がいることもあるが、人々は長袖になっているので11月よりも、10月下旬くらいまでで注意が必要です。11月も蚊の多いところに行くときには気を付けた方が良いです。

気象庁のデータによると、平年より広い範囲で夏の降水量が少なかったそう。特に、東北の日本海側と北陸では1946年の統計開始以降の7月で比較すると、1番雨が少なかったとのこと。

蚊に刺されやすい人の特徴は?

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白井さんによると…
体温が高い人:スポーツマン・活発に呼吸して二酸化炭素を多く出している人。
汗かきの人:肌がじっとりとして汗をかいている、肌がみずみずしい方。
血液型:O型>B型>AB型>A型の順に刺されやすいという研究結果がある(O型はA型の1.7倍刺されやすい)
⇒ただ、温度や二酸化炭素や水分といった要素もあるため、血液型だけでは刺されやすさは決めきれないそう。
皮膚の細菌:足の裏は特に、イソ吉草酸さんという足裏特有の匂いがあり、これは特定の濃度になると蚊を寄せ付けたので、足が刺されやすいというのはあり得る。顔の皮脂も刺されやすいので、皮膚を清潔にするといった対策も大事
また、体温が高いという点では、小さい子どもや妊婦さんも刺されやすいとのこと。
お酒を飲んだ後も、アルコールが分解される過程で二酸化炭素が増えるため刺されやすい。

刺されてかゆいだけならまだ良いのですが、感染症なども怖いですよね。2014年には、東京でデング熱の国内感染もありました。デング熱の他にも、ウイルスを持った方が海外から日本に来て、その人の血を吸った蚊が、さらにほかの人を刺すことで、感染症が広がっていく可能性があるんだとか。
⇒とにかく蚊に刺されないように対策するのが一番!

刺されないようにするには…?

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1. 虫よけ剤を正しく選ぶ
ディートやイカリジン配合の製品を選ぶ(ディートは30%、怒り人は15%の高濃度のものが効果的)
柑橘系の香りには効果があるが持続時間が短い
虫よけシールやリングは「多少刺される数は減る」が根本的な対策にはなりにくい
※商品の裏に、「蚊の成虫の駆除」などと記載のある、蚊用のものなどを選ぶと良い。

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特に、部屋に置く虫除け剤は「蚊」に効くのかをしっかりと確認しましょう。

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2. 服装を工夫する
白や黄色など明るい色の服を選ぶ(黒や紺など濃い色・暗い色は避ける)
ゆったりとした大きめの服を着る(ぴったりした服は蚊が服の上から針を刺せる)
長袖・長ズボンで肌の露出を減らす

3. その他の対策
肌を清潔に保つ(入浴、水で洗う、拭くなど)
ハンディファンなどで風を当てる(蚊の体重は2mgと軽いため風で吹き飛ばされる)

蚊に刺されたときの対処法

もし刺されてしまった場合の正しい対処法は:
市販の痒み止めを塗る(最も効果的)
流水で冷やす(痒みを抑える効果あり)

爪でバツ印をつけるのはNG(痛みで痒みを紛らわせるだけで効果は一時的、さらに爪で傷つけて細菌感染のリスクも)
熱で温めるのもNG(火傷するほどの熱さでないと効果がなく危険)
蚊に刺されてかゆみが出るのは、体が蚊の唾液に反応してアレルギーを起こしている状態です。刺されてからの対策には限界があるため、刺されないようにすることが最も重要です。

蚊に刺されてかゆみが出るのは、体が蚊の唾液に反応して、アレルギーを起こしている状態であるため、刺された後に取れる対策ほぼないそう。

蚊刺過敏症など強いアレルギー反応を起こす人は、とにかく刺されないように対策をしてくださいとのことでした。

今年は秋に蚊が増殖!? 押さえておきたい蚊対策、都市伝説を専門家に聞く!

今年は夏だけではなく、秋も「蚊」対策をしっかりと行っていきましょう!

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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