石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」(毎週日曜日18時30分~19時) 今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら!

今回は10月5日に東京・有明で開催された「TOKYO BAY BICYCLE 2025」の会場で行った公開録音の模様をお届けしました。遊びに来てくださったみなさん、本当にありがとうございました!

ゲストは俳優の石丸謙二郎さん。

8月にもご出演いただいたばかりですが、とにかくエピソードが尽きない方。お話が収まりきらず、早いタイミングで再びご登場いただきました。
石丸謙二郎 自転車で最もワクワクする瞬間の画像はこちら >>

登場の第一声は「風の旅人・石丸謙二郎です」。まさにその言葉通り、冒険家と呼ぶにふさわしい「自転車武勇伝」を数多くお持ちです。まずは前回も盛り上がった「自転車と風の関係」について。「ボクはウィンドサーフィンを始めるようになって風が見えるようになったんですよ。風速がわかる。風速25mまではわかります。だからもし18mと16mの風が吹いていたら、その差がわかる。ちょっと魔法みたいでしょ? 実際に風速計を置いて実験したら当たっていると思いますよ」と石丸さん。さらに「自転車で起きる風は自然に起きるものではなく自らが起こす風。他人まかせの自動車やオートバイで生じる風とはわけが違う。

自力本願の風はとっても気持ちがいいんです。自分がやめればゼロになる」と語ります。この言葉に石井さんも疋田さんも深くうなずきます。そして「ときどき風を追い越すことがあるんです」と石丸さん。「風速10mの追い風が吹いていたとします。時速に直すと36kmなんです。よーいドンでスタートしたときは風速10mの風が後ろからきている。だんだんスピードが出て時速36kmになると風が止む。さらに頑張って漕ぐと風を追い越してしまうから今度は前から風が来る。つまり、人間は自転車という『風を追い越すことができるアイテム』を手に入れているわけです。組み立てられた2つのタイヤにサドルとペダル。この形状は人間の発明の中で完成品といわれているんです」と熱く語ってくださいました。
この話にも石井さんと疋田さんは強く共感。疋田さんからは、「その通りです。自転車の歴史ってわずか200年くらいしかないんですけど、最初の50年でほとんどのものが出尽くしたんです」という興味深い解説もありました。

さらに石丸さんは山登りもお好きで、マウンテンバイクも愛用。岐阜を走った際にスクランブル交差点で前転してしまったというエピソードも披露してくださいました。中央のコンクリートのへりに気づかずに転倒し、5mほど飛んで壁に激突! 自転車はぐしゃぐしゃになったそうですが、なんとご本人は無傷で、身体が柔らかいから助かりったことのこと。さすがスポーツ万能の石丸さんですね(笑)。みなさんもどうぞお気をつけください。

そんな石丸さんが自転車に乗っていて一番ワクワクするのは坂道を上っているとき。頂上に差し掛かり、視界の向こうが地平線みたいに開ける。上り切って下りに入る瞬間が最もワクワクするそうです。見えるのは海かもしれないし、街かもしれない。

そんなワクワクする瞬間を引っ張りたくて、わざとスピードを緩めることもあるのだとか。

(TBSラジオ『ミラクル・サイクル・ライフ』より抜粋)

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