杉尾真吾さん(Part 2)
埼玉県秩父市出身のオペラ歌手。武蔵野音楽大学声楽科、大学院修士課程を修了し、俳優・ミュージカル歌手として芸能界デビューした後、オペラ界へ進出。
JK:子供のころからこんな大きな声ですか?
杉尾:さすがに子供のころはかわいい声をしてましたよ~。だけど声大きかったのかな? そこは僕も覚えてないですけど。
出水:家の中では音楽が常に流れてたんですか?
杉尾:それが全くなんです! 母子家庭で、全く音楽の素養はない家庭だったんですけど、近くにピアノの先生が住んでたっていうこともあって、うちの母が仕事が忙しい時とかそこに預けられたりとかして、ピアノはチャラチャラと弾けるっていうぐらい。
JK:いいところに預かってもらったわね! そこから人生が決まった。お母様のカンですね。
杉尾:本当にありがたいことに。やっぱりピアノを弾けるとモテるじゃないですか。それがあるから頑張ってたっていう不純な動機(笑)
出水:部活は何をやってたんですか?
杉尾:中学の時はテニス部だったんですけど、高校の時は家があんまり裕福ではなかったので、ラーメン屋さんでバイト1本でしたね。正直、高校卒業と同時に就職しようと思ってたぐらいだったんですけど、ちょっと伝説があって・・・高校の時の三者面談で担任の先生が「真吾はねいいやつなんですよ! めっちゃ話も面白いし。だからお母さん、ホストクラブっていう世界があります!歌舞伎町で天下を取るっていう方法もありますよ」って(笑)
JK:ええっ、先生から?? それでお母さんは?
杉尾:「やっぱりそう思いますかぁ?」って(笑)だから全くクラシックとかやるっていう感じではなかったんですよねえ。
JK:でもプロになったのはどんなきっかけなんですか?
杉尾:高校3年生の時、偶然オペラのチケットをもらって聴きに行って、衝撃を受けたんですよ! 「なんでこの人たちは生声で、2000人のホールで、オーケストラもあるのに、すごい声なんだろう?!」ってちょっと衝撃を受けて、それが頭の中にずっとある状態だったんですよ。
JK:ああ、笛田博昭さんね。
杉尾:偶然イタリアから、天皇陛下の前で国家斉唱するためにご帰国なさっているタイミングで、変わった高校生の僕らに「お前たち何やってんの?」って話しかけてくれて。僕がポロッと「この前オペラを聴いて、就職しようかオペラ歌手目指そうか迷ってるんですよね」って言ったら「聴いてやるよ」って言って、30分くらいレッスンをしてくれたんです。「お前たぶん音大いけるよ。受験してみなよ」って言われて、でも高校3年生だったんであと2ヶ月しかない。「いける、いける。やってみ?」って笛田さんがおっしゃってくれて。日本一のオペラ歌手から出会うところから始まっちゃったんですよ。
JK:うわぁブラボー! いい人に出会ったわね! 新潟でしょ?
杉尾:そう、偶然泊まった新潟のペンションが笛田さんのご実家だったんです!!それで音大を受験して受かりまして、ホストクラブの道から、コロッと変わって音大生に・・・でも大学入学した時に、あのお兄ちゃんが何だったかわからなかったんですよ。結局オペラ知らないで、いきなり笛田さんっていう人にレッスンしてもらって、音大学生になって、回ってきたコンサートのチラシにその人がいて、「あれ?! 日本一のオペラ歌手だ!」ってその時に知って。
JK:すごいマサカですね! 運命の人、天命です!
杉尾:めちゃめちゃマサカです!オペラ歌手をやれていることが本当にマサカマサカで。全くもってオペラ歌手をやるような家庭環境じゃないところに育ったにも関わらず、偶然そういう奇跡の出会いがあって、その後モデルの仕事をやって学費を捻出しながら、本当はオペラ歌手になりたかったんですけど、どうしてもお金がかかる世界だったんで、芸能界に挑戦させていただいたんですね。
杉尾:それでアクトシアターで草刈民代さんと共演させていただいて、民代さんに可愛がっていただいて。最後打ち上げのときに「真吾くん、絶対他にやりたいことあるでしょ?」って言われて、「そうなんです、実はオペラ歌手がやりたいんです」「絶対そっちやりなさい。私もバレリーナをやりきったから今こうやって女優をやって幸せを感じるけど、もしバレリーナをやりきってなかったらそうは思えなかった。あなたは確実に才能がある人だから、オペラをしっかり極めてからまた戻ってくればいいんじゃない?」って言ってくださって。その後押しでオペラの道に戻って、そしたらすぐコンクールを優勝させていただいて。
JK:笛田さんといい、草刈さんといい、一流の人と出会ってますね! マサカ、マサカ!
杉尾:本当に! 笛田さんと出会ってなかったら、今ごろ歌舞伎町でナンバーワンだったかもしれませんけども(笑) マサカ、マサカで今オペラ歌手。
JK:これから目指すのはどういうところですか?
杉尾:やっぱり最初に目指したいところは、日本の新国立歌劇場。そして、やっぱり海外。イタリアのスカラ座とか・・・やっぱりそこが夢ですね! アメリカのメトロポリタン歌劇場以上に、スカラ座に魅力を感じるんですよね。
JK:やっぱりイタリアがオペラの本場だからね。
杉尾:イタリア留学の経験がないんですよ、僕! 「純国産歌手」って言われてて、それが残念。一回イタリアに留学するチャンスがあったんですよ、奨学金をもらって。でもコロナ禍になっちゃったんですよ。
出水:ああぁ・・・
杉尾:コロナ禍で留学ができなくて、2年間ほぼ動けなくなっちゃった。30歳だったんで、留学する最高の年齢だったんですけど、できなくて・・・ありがたいことに日本で大きい仕事が続いているので、なかなか留学するタイミングがないまま来てるんですけど、たまにイタリアには行ってます。
JK:やっぱりイタリア語は大切だからね。ちょっと住むとか?
杉尾:本当にしたいですね~! みなさん私にお金を下さい!!
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

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