日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。



ゲストは、天気が好きすぎる気象予報士増田雅昭さんです!

まるでアナ雪の世界?真冬に起こるレア現象「雨氷」とはの画像はこちら >>

今日のメインテーマは

「短くなりつつある令和の冬。雪が降っても降らなくても混乱に備えよう!!」

今年の流行語大賞では、「二季」という言葉がノミネートされています。春と秋が短くなって、夏と冬の二つの季節になりつつあるということらしいのですが、みなさん、実際どう感じてますか?

夏は確実に長くなっています。
 そのしわ寄せで、他の季節が短くなっています。
ただ、二季は言い過ぎでは?とも思います。
季節はグラデーションなので、春や秋が短くなってもなくなることはないですね。
夏以外の季節が短くなる中、冬も短くなっています。
近年は12月のはじめでも、秋っぽい日がけっこうありますよね。

冬が短くなっているから気をつけること=突然の雪なんです。雪に不慣れになっているからこそ、混乱が大きくなる。
特にこの冬は注意です。

ちょっと気になるデータがありまして…
近年、東京をはじめ関東で大雪になっている年を調べると…やはり強烈だったのが、2014年の2月。

2週連続で大雪となって、東京都心で2週連続27cmの積雪。
秩父や群馬、山梨など内陸では、1mくらい積もった所も。
その次にどかっと積もったのが2018年1月。東京都心で23cm。
その次に東京都心で10cm以上積もったのが、2022年1月。
2014年、2018年、2022年…何か気づきませんか?
そう、このところ4年おき、冬のオリンピックがある年に大雪が降っているんです。たまたまの話なんですが…。
この冬も冬季オリンピックがあります。2026年の1月2月も気になる。
ちなみに、東京で10cm以上積もる大雪は、ここ50年、ぜんぶ偶数年。これもたまたまではあるんですが…。

1度の差で雨か雪かの分かれ道!備えるキーワードは、南岸低気圧!!

大雪が予想されるとき、降ったときにどのような行動や準備をするかが大事になってきます。
まず、天気予報で「南岸低気圧」というワードが出てきたら注意です!
関東の平野部での大雪は、この本州南岸を進む低気圧が来るときに起こります。


ただし、上空の気温1度の差で、雪か雨か変わるくらい繊細な現象です。
関東の場合、雨か雪か予想しづらいというのも混乱の原因。
雪の予報が出ていても、ギリギリ雨で終わるということも多いんです。
しかし、そういうときこそ気をつけましょう。
南岸低気圧でギリギリ雪にならず雨というときは、それだけ冷えているので、雨やみぞれでも、夜~朝は路面が凍結しやすく、事故が増えます。なので、雨だから大丈夫ではなく、凍ってるかも…と車の使用は気をつけたい。
また、近年は、「予防的措置はしたほうがいいよね」というほうに傾いていて、「雪か?雨か?」の予報の時点で、鉄道や道路も早めに止められることが増えている。そうなると、流通配送がストップしたり遅れることも増える。だから、結果的に雪じゃなくギリギリ雨でも、影響は出てしまう。
「電車がとまっている、減っているかもしれない」
「道路が大渋滞していて、移動にすごく時間がかかるかもしれない」
「ネットで注文したものがすぐ届かないかもしれない」と考えるクセをつける。

この南岸低気圧が来たら、雪じゃなくても、備えや先回り先回りの行動が必要になってきている。

さらに気をつけたいレア現象雨氷!

まるでアナ雪の世界?真冬に起こるレア現象「雨氷」とは

雨か雪か微妙なタイミングで発生する雨氷(うひょう)という現象。


雪が落ちてくるときに融けて雨になったのに、地上付近がすごく寒くて、かなり冷たい雨として落ちてきて、地面についた瞬間に凍る現象なんです。なので、地面も建物も、あたり一面、ツルツルに凍ってしまう。
イメージとしては「アナ雪」の世界。街の中がツルツルに凍る。
普通の凍結よりも凍り方がひどいんです。雪が固まった凍結じゃなく、冷たい水が凍ってなので、スケートリンクみたいになる。なので、道路も影響が大きくなるし、あとは、電車の線路上にある電気を通す架線も凍ってしまうので、電車も動かなくなる。
実際に2003年の年明けに関東各地で起こりました。
電車は動かない、高速道路も広範囲で通行止めと、大混乱に陥りました。
このときは、雪はほとんど降っていなかったんです。
令和の時代に起こると、流通とか影響が大きく、もっと混乱すると思う。
この雨氷が関東で起こるのも、「南岸低気圧」が来た時。
雪じゃなく、ギリギリ雨で済んだとしても、混乱が起こる場合があるということ。
なので、南岸低気圧が来て、「雪予報だけど雨だったな」という日の朝は、「あぁ良かった」で終わらせずに、凍結で道路鉄道流通に影響が出ているかも、ということを思い出して行動してください!

まるでアナ雪の世界?真冬に起こるレア現象「雨氷」とは

増田雅昭さん
1977年滋賀県生まれ。
大学在学中に気象予報士試験に合格すると、テレビ朝日の報道番組に学生予報士として出演。
卒業後も予報士として活動を続ける中で、“天気の面白さ”に気づき、「どうすれば天気に興味をもってもらえるか」を日夜考え続ける、天気が好きすぎる気象予報士です。
現在は、TBS朝の「THE TIME」のお天気コーナーでもおなじみです。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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