大嶽親方(Part 1)
1983年、名古屋市出身。大相撲・片男波部屋から玉飛鳥として1998年の三月場所で初土俵入りを果たし、2005年七月場所で入幕。

幕内力士として活躍した後、2016年の引退後は片男波部屋付きで後進の指導に当たり、今年9月に年寄名跡「大嶽」を就名して大嶽部屋を継承しました。

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JK:ラジオに出るってなかなかないと思うけど、お相撲取るより楽ですから(^^)

大嶽:相撲取るより緊張してます(-_-;)

JK:今日も朝稽古ですか? どうですか、お稽古の様子は?

大嶽:今日も7時から初場所に向けて気合の入った稽古をしてました。やっぱり新年初めての場所なので、1年の命運じゃないですけど、各力士そういう思いはあります。

JK:見る方もやる方もすべてが真っさらって感じしますね。似合ってますよね、お正月明け早速そういうのを見れる緊張感というか。すごく日本的ですよね。お部屋には今何人くらいいるんですか?

大嶽:力士が9名と、呼び出しさんが2名、あとちょんまげを結う床山さんが1人。

出水:床山さんはどのお部屋にもいらっしゃるんですか?

大嶽:必ずいるとは限らないんですけども、いない部屋もあります。場所中は他の力さんのもやったりします。場所前の稽古でも、うちの部屋のちょんまげを直したら、部屋回りで他の部屋の力士のちょんまげを結ったり。床山さんはあんまり外に出ないんですけども、やっぱりちょんまげは毎日直します。

JK:だって崩れますもんね! 実際に勝負するから、つけ毛というわけにはいかないわね(笑)ガーッとちょんまげを結うのに、ロングヘアはいつ頃から伸ばさないと?

大嶽:入門して1年ぐらいで普通のちょんまげは結えるようになります。

初めてちょんまげを結う時は、「コンパチ」って言って、みんなにデコピンされるんですよ。「おかげさまでちょんまげを結うことができました」って兄弟子に言うと、おでこにデコピンされてご祝儀をいただけるんです。

出水:えーっ! 力士のデコピン、痛そうですね~!

大嶽:そうなんですよ!自分が入った時は15人ぐらいいたので(^^;)

JK:15回も?! でもご祝儀みたいなもんですからね。

大嶽:そうですね、「おめでとう」っていう意味で。今はやる方ですね(笑)

出水:大嶽部屋は大鵬部屋の流れを汲む部屋ですが、話がきた時はどんな気持ちになりましたか?

大嶽:正直びっくりしましたよね。自分が入門した時はまだ大鵬部屋だったので、同じ二所ノ関一門で連合稽古とかがあると、大鵬部屋に集まって稽古して。入門した時から知っている偉大な方だったので、初めにお話をいただいた時は率直に驚いて・・・ありがたい気持ちと、不安な気持ちとでした。

JK:体が真っ白で綺麗な方でしたよね。

大嶽:自分が言うのもおこがましいんですけども、本当に男前で。稽古場に写真も飾ってあるんですけども、本当に俳優さんみたいな。

JK:ああいう典型的で美しい人だと憧れますよね。それが最終的に、跡を継いで親方になるってすごいですね!

出水:大嶽部屋の皆さんはどんな方でしょうか?

大嶽:まず部屋頭の王鵬。

大鵬親方の孫でもあって、今関脇なんですけども、負け越してしまったので関脇からは落ちると思うんですが、ただ力もだいぶついてきてます。今25歳で、これから必ずもっと強くなる歴史だと思うので、そこは皆さんにも期待してもらいたいなって思うのと、「大鵬親方の孫」じゃなくて「王鵬のおじいさんが大鵬だ」って言ってもらえるような力士になってもらいたい。

JK:プレッシャーですよね、まだ若いから。大鵬さんがあまりにも有名だから。今回負けた悔しさををテコにして、ドンと言ってほしいですね。

大嶽:本当に性格もすごくいいですし、素直ですし、真面目ですし。でも芯は持っていて、稽古場でも一番考えて、自分がこれと思ったことを信じて突き進むタイプ。ジュンコ先生が声かけてくれたら頑張れると思います!

JK:応援に行きます!

親方が直々に紹介 大横綱・大鵬の流れをくむ大嶽部屋

出水:その王鵬さんの背中を追いかけているのが・・・

大嶽:夢道鵬という幕下がいるんですけども、王鵬の弟なんですね。十両も1度上がってまして、幕下の上位にはいるんですけども、先場所負け越してしまって関取の道は少し遠のいたんですけども、彼も必ず関取に上がる力士だと思っているので、皆さんには期待して見ていただきたい。

JK:親方としてはやりがいありますね。負けてもそれが全てじゃないから。そこから這い上がってね。

大嶽:はい、今強い弱いではないと思っているので。この2~3年後にどこまで強くなれるかを目標に稽古に取り組んでほしいなと思っています。

JK:お互いに他の部屋の方と交換して稽古するんですか? 内輪だけでやってると強くならないですよね?

大嶽:もちろん自分の部屋でやる分にもメリットはあるんですけども、やはり慣れますからね。出稽古といって他の部屋の力士とやると、やっぱり取り慣れてないのでだいぶ疲れるんですよ。

JK:だって誰に当たるか分かりませんもんね。いろんな稽古で慣れておかないと。1人外から来るだけで全然違いますか?

大嶽:全然違います。空気感が違う。

出水:大嶽部屋の入り口には今も大鵬道場の看板が掲げられているそうですが、受け継いでいる精神みたいなものは?

大嶽:稽古場にも大鵬親方の「夢」という直筆が飾っているんですけれども、親方も入門された時はガリガリで、入門当時と大関に上がった時、横綱になった時の写真があるんですけど、細くてひょろひょろだった少年が努力すれば大横綱になれることを意識して、今強い弱いではなく、どうなりたいかという将来の夢をしっかり持って、その夢を叶えられるように自分もサポートしていきたいなと思ってますね。

JK:これから入れる計画は?

大嶽:スカウトとか、大会を見に行ったりとか、学校にも行かせてもらいました。このラジオを聞いてくれている方にも、ぜひ大嶽部屋に!

JK:有名な力士のいるところって憧れるから! スター性のある部屋って輝いてますよね。

出水:どういった身体的な能力が力士には向いている?

大嶽:自分は才能とかは認めたくないなって思っちゃうんですよ。

1番の才能ってやっぱり気持ち、負けず嫌いなのかなって。肉体的なところは100人いたら100通り。身長だったり、体重だったり、筋肉だったり、骨って違うと思うので、努力すればそこを超えられるって自分自身は思っています。

出水:なかなかチケットも取れないくらい人気の相撲ですが、さらにNewスターが生まれて、安治川部屋の安青錦が大関に昇進しました。ウクライナ出身というストーリーもあって、また相撲界も盛り上がりそうですよね。

大嶽:すごく強いだけではなく、好青年なんですよ。しっかり挨拶もしますし、ウクライナ人ですけれども日本語もすごく上手に話せる。自分は片男波部屋に属してましたので、モンゴル人の玉鷲がいたんですけれども、玉鷲より全然日本語が上手。

JK:才能ですね! 相撲が好き=日本が好きだけど、来日して3年で普通に違和感なく?

大嶽:そうなんですよ。玉鷲は20年いますからね、日本に(笑)さらに安青錦は性格もいいので、見てて応援したくなりますね。それこそ先日、九州場所前にも出稽古に来てくれました。「王鵬と稽古したい」と。

きっちり九州場所ではやられましたけどね(笑)ただ来場所はやり返してもらいたいなとは思います。

JK:出稽古で相手のクセがわかっちゃうとかいうこともないですか?

大鵬:逆にあえて力を出さない力士もいるんですよ! やっぱり戦うと思ったら、出稽古ではあんまり力出さないで、「こいつ大したことないな」と思わせて本場所の土俵で急にバーン!って(^^)

JK:本番勝負だからね!番付にしっかり出るんですもん。

大嶽:番付が半枚違えば、天と地ぐらい変わる世界ですから。

TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

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