ラッパーのTaiTanと玉置周啓(MONO NO AWARE)がパーソナリティを務めるTBSラジオ「脳盗」。2025年も年の瀬に迫った12月13日の放送では、特別企画・TaiTanが選ぶ「2025年マジで良かったものベスト10」をお届け。

ラッパー、クリエイティブ・ディレクター、そしてポッドキャストやラジオの喋り手として活躍するTaiTanがこの1年で触れたもの全てから良かったものをランキングで発表!

TaiTanが選ぶ「2025年マジで良かったものベスト10」第6位:『白い巨塔』

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TaiTan: タイタンの2025年マジで良かったものベスト10、第6位。デデン。「白い巨塔」。

玉置: 出た!この曲(笑)。

TaiTan: はい。2025年マジで良かったものは、別に今年リリースされたものとかに限りません。俺が今年見たもの。俺が出会ったものだから、当然こういうものも入ってきますよ。

玉置: めちゃめちゃ気持ちいいランキングだな!

TaiTan: でしょ? 『白い巨塔』。2003年に公開されたフジテレビドラマでございます。全21エピソード。医学界の知られざる実態と人間の生命の尊厳を描いた山崎豊子の代表作『白い巨塔』を25年ぶりに連続ドラマ化したもの。主演、唐沢寿明江口洋介黒木瞳矢田亜希子水野真紀上川隆也

及川光博片岡孝太郎。伊武。若村。西田。由美子。えー、伊藤さん、石坂さん、西田敏行さんという。豪華な。えー。役者陣でございますけれども。

玉置: いきなり王様のブランチみたいになった。いいんだよ、その細かい説明は。

TaiTan: はい。あのー、見たんです。

玉置: 見たんだね。この曲、すげえなマジで。日本のドラマの曲だな。

TaiTan: 面白かった。今年のあるですね、俺は、えーっとね、特徴としては、まあ今までで一番こう海外に仕事とか含めて行かしてもろてっていう。そういう機会がありまして。俺が『白い巨塔』見たのは、ニューヨークにそれこそバットファーマシーの仕事でニューヨークにわーって行かしてもらった時に、初めて俺ニューヨーク行ったから。14時間、15時間って聞いて震え上がった。

どうやって時間潰そうかなと思って、それこそNetflixのいろんなこう連続ドラマみたいなの大量に日本で落としてったんだけど、今までの傾向からすると、なんつうかやっぱりこう飛行機の中で、こう字幕を追いかけるみたいなこと出来ないみたいな。だんだんダルくなってようみたいな。

玉置: あー、確かに。そうかもね。画素数低いしななんか。

TaiTan: ってなった時に、でもこれなんなら昔の日本の名作ドラマとかの方が、飛行機の上では相性いいんじゃねみたいなことを思って『白い巨塔』を何にも興味なかったのにダウンロードしたの。いざ16時間のフライトですってわーって乗ったら、もうずっと16時間『白い巨塔』見てた。

玉置: おもろすぎて。

TaiTan: おもろすぎて。

玉置: いいね。

TaiTan: っていうのも込みで、なんていい出会い方だろう。そういうのを含めて『白い巨塔』です。

玉置: 『白い巨塔』の話しろよ。

TaiTan: 『白い巨塔』の話をしてんだよ。

それがめちゃくちゃ面白いなってなるくらい。16時間俺が見てたんだって。飛行機の上で。そのくらい面白い。

玉置: なるほど。はいはい。

TaiTan: マジで良かったものランキングって言ってるけど、流石に何でもいいんだったら何でもいいってなっちゃうから。やっぱり俺の中で基準値があって、俺の絶対値的な心の動きっていうのはあるんだけど、こう「これ2025年前的だな」って思う要素があるかどうかっていうのは一応あの置いてるんですよ。

玉置: そっかそっか。

TaiTan: だから『ワン・バトル・アフター・アナザー』だったらやっぱその映画館っていうものが変わってきてるよねっていうことに引っかかるって話もあるし。加藤小夏さんの話だったら演劇的な時代みたいなことがあるし。9位のモチハグっていうのはやっぱり「ぬい活の時代」だよねと。

10位のきまぐれクックっていうのはインフルエンサーが街の雇用自体を作る時代になったんだっていうことが面白い。どこに2025年性を感じるのかっていうことが、一応俺の中で、ルールとしてあった。

この『白い巨塔』はパッて見て、もちろんその作品自体も面白いんだけど。コンテンツが溢れ返ってった時に、それこそAIとかもガンガン出てきて、これからコンテンツみたいなものをどんどん生成していくぞってなってなった時に、作られた古典みたいなもののレガシー性って、これからますますめっちゃ強いだろうな。みたいなことを思ったわけ。そう。「あ、こういうものっていつ見ても面白いんだ」っていう。

玉置: なるほど。確かに。

TaiTan: それはなぜかって言ったら、今見て面白いNetflixの流行作ですよねみたいなものって、たかだか1年くらいの人の目にっていうか、時間の流れの空気に晒されてないから、やっぱ耐久性みたいなもので言ったら。10年経ったら分からんぞと。

玉置: まあ、でもそうそうだよな。

当たり前の話。

TaiTan: 当た前の話として。う時の流れを通過して、それでもなおめっちゃおもろいとされている作品って、こっから先の時代よりめっちゃ強いだろうなと。だからこそ『もののけ姫』はリバイバル上映されるわけだし。

玉置: うんうん。担保される時間が溜まっていくってことだもん。溜まる一方だもんね。つまり。良かったって言われた年数が溜まっていく一方っていう。

TaiTan: そうそうそうそうそう。つまりだから福利がめっちゃ効いてくるみたいな。作品に溜まるプロップスが。っていう意味で、まめちゃくちゃすごいなと思った。

玉置: なるほど。確かに。

TaiTan: その時代が2025年にこう来た。来たというか、君がかなりこう注意が向いた年だったっていうのもあり。

TaiTan: そう。そうそうそう。俺がPodcastとかで「古典に帰ろう」みたいなこと言い始めたタイミングとかもこの『白い巨塔』とかを見てたタイミングで。なぜかって言ったら、残ってるものってヤバすぎるみたいな。時代の何かの共振×そっから先の時の流れ。時の流れそのものを耐え抜く耐久力みたいな。この2つがないと絶対残んないか。っていう意味で、まめちゃくちゃすごいなと思った。

玉置: いやー、確かに。

TaiTan: 白い巨塔。面白い。

玉置: 今年それこそ『教皇選挙』がわーって話題になったのが今年。映画もそうだし、実際の現実の世界でもそうだけど。まあそういうものが好きな人はまあ『白い巨塔』はもうたまらんのではないかと思うね。唐沢さんと江口洋介氏のやつも、あのリメイクなんだよね。

玉置: なるほど。確かに。もうリメイクされる時点で名作という話もあるしな。

TaiTan: そう。だやっぱリメイクってすげえなみたいな。リメイク、でさらにそっから先何年か前にもリメイクされてるし。すごいよね。いやだから名作ってめっちゃすごい。今IPとかってみんな言い出して、こう作品のことがこう経済の論理で語られすぎているが、IPとかって言われる前って、いや普通に「作品だから」みたいな。

玉置: うんうんうん。

TaiTan: みたいなことの風格を感じた。

玉置: なるほど。コンテンツ以前みたいな。

TaiTan: そうだから、今こうそれを指し示す言葉の変遷としては、作品と呼ばれていたものがいつの間にかコンテンツっていう言葉に変わり。だんだんIPって呼ばれるようになったって流れがあるんだけど。普通に「作品」ってもう一回言わね?みたいな気持ちになるっていう。

玉置: いやー、いいね。その回帰はいいですね。

TaiTan: そうそうそうそう。みたいなことを思ったのが『白い巨塔』第6位。全21エピソードですけれど。めちゃくちゃ面白かった。そして、その話をその周りの友達とかにわーって話したら、『白い巨塔』だんだんみんな見始めて。おもしれーみたいになって。なんならオモコロの原宿さんとかは、俺が言ったからじゃなくて「あ、俺も『白い巨塔』人生のベストワンドラマです」って言ってたりとか。

玉置: へえ、すご。

TaiTan: そう。そういうところでね、新しい出会いがあったりした。という感じでございましたよというのが第6位でございました。

玉置: はい。

TaiTan: さあ、なんと。

玉置: うん。

TaiTanが選ぶ「2025年マジで良かったものベスト10」第5位:ユーロシルムの傘

TaiTanが選ぶ”2025年マジで良かったものベスト10”第6位~第5位

TaiTan: 私が選ぶ2025年マジで良かったものベスト10。今日の放送はここで最後でございます。第5位の発表で最後でございますけれども。

玉置: 熱量がね。

TaiTan: 熱量がすごかったということで。じゃあ今日で、はい。締めとして相応しい、えー、第5位発表します。デラララララン。「ユーロシルムの傘」。

玉置: なんでもだな!マジで。

TaiTan: ありがとうございます。『白い巨塔』と傘で競って、ギリ・傘が勝った。この「ユーロシルムの傘」っていうのは、1919年創業の90年を誇るドイツのアンブレラ作り一筋のメーカーの傘です。

玉置: 傘。傘ってそんな前からあんだね。

TaiTan: 今年もいろんなものを買いましたけれども。服からガジェットから何からまあ色んな。だけど、まあいわゆる「モノ部門」のベストバイは結構これかも。感じですね。

玉置: いや面白い。なんで傘?

TaiTan: あのー、何がすごいって。これね、実際見てもらったらい一番分かりやすいんだけど、写真がねえな。写真が、写真がねえな。でもさ、俺がさ、傘を背負って家を出てる瞬間とか見たことない?

玉置: あるわけないだろ。向かいに住んでるならわかるけど。ないんだよね。

TaiTan: いやいや、ほ、ほ、本当に冗談じゃなく聞いてんだけど。

玉置: 冗談じゃなく見てないよ。

TaiTan: あ、そう。あ、じゃあ、たまたま周啓君の前ではやってないだけで。要はこれユーロシルムの傘は背負えるんです、肩に。今までの傘って。折り畳んで手に持たなきゃいけないじゃん。だから雨の日ってめっちゃだるいわけじゃん。

玉置: まあね、手が塞がるからね。

TaiTan: 手が塞がるから。だって2分の1塞がってんだよ。めっちゃじゃんそれって。ってなった時に。ユーロシルムの傘は、ええ、背負るんです。肩に。

玉置: 背負え、これリュックみたいなあれがついてるってこと?

TaiTan: そう、あのホルダーがついてて、それをこう肩に斜め掛けすると、まあいわゆるショルダーバッグみたいな感じになって、傘を「あ!そっか!しまえばいいんだ」っていう。

玉置: ん?

TaiTan: 使わなくなったら、手に持つんじゃなくて、そのホールドに入れて背負えば、手が塞がらないんだっていう。当たり前の話なんだけど。それをやってくれているっていう。めっちゃ見た目がかっこいい。

玉置: なるほど。え、ちょっと待って、これ背負えるっていうのは収納した時だけってこと?

TaiTan: 刺す時は、えー、もちろん手に持ちます。

玉置: なるほど。持ち運ぶ際にってことね。

TaiTan: そう。そのしまった時に、そう、あのめちゃくちゃ、えー、持ちやすい。これがユーロシルムの傘です。これが何が2025年前的かというと、傘って今まで一回も進化してないじゃないですか。

玉置: 確かにそうだね。そうかも。

TaiTan: なのに!進化したっていう。

玉置: ………はぁ?

TaiTan: ってことが、まだあったんだって。傘ってまだ便利になれるんだって思えた。これってすごい2025年前的だと思いませんか。

玉置: 全然思わないけど(笑)。君に寄り添うなら、確かにこんな時代になってもう何も起きないって言われてるのに、まだ進化するもの身近なとこにあったんだという意味では、2025年前的かもしれない。

TaiTan: というのがユーロシルムの傘です。

玉置: 危ねー。

TaiTan: しかも日傘もある。

玉置: 俺も日傘は欲しい。

TaiTan: あ!そう!日傘ってめっちゃ2025年前的じゃない?

玉置: あ、そういう、あいいめ。そっちのなるほど。はいはい。

TaiTan: なぜなら、日本は二季化していますよねと。

玉置: 二季化ね。四季から二季にっていうね。ツーシーズンズ。

TaiTan: これは主に何によってかって言ったらやっぱり猛暑ですよ。夏がなげえんです日本っていうのは。ってなったときに日傘の一本でもなきゃあもう男が廃るだろうと、流石に。ていう話はもう出てますよね。

玉置: そうね。

TaiTan: 極めて2025年前的。日傘っていうものに対する、なんとなくの男性の抵抗感っていうのは、「やっぱちょっとダサいんじゃないの」っていう目がある。しかし。ユーロシルムの傘のフォルムは。めちゃくちゃかっこいい。スタイリッシュ。

玉置: なるほど。

TaiTan: だから日傘でスターンってこう刺した時に、ギンピカキーンになって、かっこいいんですよ。で、あの、そう。昔ね、その日傘需要っていうものが爆発した時にめちゃくちゃ売れた、男性、男性用ってわけじゃないんだけど、その要はこういわゆるこうガジェット好きみたいな人たち、の、まあまあ男性でも、こう持ちやすいよねってので盛り上がった、バズったものが、モンベルの日傘っていうのがあるんですよ。それこそ今モンベルめちゃくちゃ人気だけど。日傘もすっげー売れてて、もうメルカリに転売されまくって、もう定価の1.8倍とかでなんか取引されるみたいな、たかが日傘があったんですよ。

玉置: あったんだ。

TaiTan: 俺もその時モンベルの日傘めっちゃ欲しいなと思ったんだけど買えなくて。転売されてんの買うの嫌だからっていうので諦めてたんだけど、そんな時に出てきたのがこのユーロシルムの傘。結構似てます、フォルム的には。ギンピカピー。

玉置: なるほどなるほど。

TaiTan: それがドイツの90年間アンブレラを作ってきたメーカーだよ。

玉置: 確かに。

TaiTan: こんなに信頼できることはないだろうと。日傘と雨傘の両方あるんで。どっちも買うといいんじゃないでしょうか。「2025年前タイタンがマジで良かったものベスト10」の栄えある第5位でございました。

TaiTan: はい。疲れたー!

玉置: あんまり直接的な、良かったものランキングの感想の第一発目がそれっていうのもね。

TaiTan: ヤバいね。

玉置: でもまあ、たしか、それぐらい熱量走ってるよ今。ちょ温かいもん。

TaiTan: でも、触った? マジで良かったものを。

玉置: いやなんかやっぱ気持ちいいよね。なんか好きなものを語ってるの聞くのはね。

TaiTan: そう。マジで良かった。あの嘘なし。

玉置: めっちゃ良かった。

TaiTan: 本当の5個。

玉置: だから傘が5位に入るんだよな。

TaiTan: そう。白い巨塔が6位で、傘が5位。

玉置: うん。

TaiTan: これはすごい良いランキング。

玉置: いいっすね。

TaiTan: てことで来週からは4位以降を発表します。そして玉置も。

(TBSラジオ『脳盗』より抜粋)

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