東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも多摩愛してもらいたい番組「立飛グループpresents東京042~多摩もりあげ宣言~」(略して「たまもり」)。MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週も、日本最大級の計画都市「多摩ニュータウン」特集。「多摩ニュータウン学会」の篠原啓一さんに「多摩ニュータウン」のおすすめスポットの紹介やリニア中央新幹線についても言及!

未来は東京の玄関口に!?「多摩ニュータウン」特集②

先週の振り返り~「多摩ニュータウン」は稲城・多摩・八王子・町田4市にまたがる日本最大級の計画都市

土屋:さっそくゲストの方をご紹介です。先週に引き続き、「多摩ニュータウン学会」の篠原啓一さんです、今週もよろしくお願いします!

篠原さん:よろしくお願いします。

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土屋:簡単なプロフィールの紹介、つる子さん、お願いします!

つる子:はい! 篠原啓一さんは、1958年、東京都「多摩市」のご出身。共同通信社 松江支局を振り出しに総務省や国土交通省などをご担当。その傍ら、「多摩ニュータウン学会」の理事をつとめていらっしゃいます。

土屋:前回は「多摩ニュータウン学会」というものがどういうものなのか、「多摩ニュータウン」がどういう狙いで誕生して、どういう計画で進んで行ったのかというお話を伺いました。つる子さん、先週の内容について簡単に説明してもらえますか。

つる子:はい。「多摩ニュータウン学会」というのは住民の方が町の成り立ちを学びたいという機運が高まったことから生まれた組織です。また老朽化、高齢化といったネガティブな声が挙がったことに対し、正確なデータに基づいて、町の価値を最低限検証する必要があるのではということも影響していた、と。

土屋:ネガティブや刺激的な見出しは、記事を書く記者さんとしてはクリックされやすいというのはあるんですか?

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篠原さん:それはあると思います。

つる子:(笑)。

土屋:「多摩ニュータウン」に対してネガティブな印象はあるけど、そうではないということも含めて、ちゃんとしたデータを出そうということなんですね。

篠原さん:はい。

つる子:そして、「多摩ニュータウン」は、「稲城市」「多摩市」「八王子市」「町田市」の4市にまたがる日本最大級の計画都市で、しかも今も完成していない、と。その面積およそ3000ヘクタールは、山手線の内側に入るくらいの大きさで、高度経済成長期の住宅難の解消と、乱開発の防止を目的として建設されました。1971年から入居開始となりました。

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土屋:はい。

つる子:ちゃんとした設計思想の元に開発され作られた町ですが、時間が経って、例えば、当初は徒歩移動という設計だったのが、クルマ社会への変化で商店街の衰退や時代背景とのズレが生じている、という所まで伺いました。

「多摩ニュータウン」の課題

土屋:僕はこういうズレやネガティブに捉えられる部分は、新規の人間からすると逆にチャンスというか。だからこそ新しい発想が導入される、良いばかりだと淡々と進められて、結果、それが時代遅れになっちゃう気がしていて。僕はこの状況は良いこととして捉えているんですが・・・。「多摩ニュータウン」、どういった所が課題とされているんですか?

篠原さん:良い所とそうでない所、冷静に分析して時代にあわせて変えていくことが本当に必要だと思います。例えば、“歩車分離”も初めは良かったと思うのですが、夜は人目が無くて怖いという声が出てきたり。

土屋:ああ なるほど。

つる子:うんうん。 

篠原さん:必ずしも良いことばかりではない、というなかなか難しい面がありますよね。それは「多摩ニュータウン」に限ったことではないんですけど。これから必要だと考えられるのは、住み替えが促進できるような文化が必要だと思っています。

土屋:はい。

篠原さん:昔は、アパート暮らしから始まって、マンション、庭付き一戸建てという“人生の階段”“住宅すごろく”という憧れがあったんですよね。それをやっているとキリが無い。「多摩ニュータウン」の場合、人口が減りはじめているんですけど、減っていることの大きな要因は大人に成長した子供の独立なんですよ。

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土屋:ああ、そういうことか。 

篠原さん:その子供たちが住む住宅の受け皿が整っているのか、あるいは子供たちが抜けてしまった親世帯の大きな住宅はどうしたら良いのかという問題が起きるんですよ。

土屋:ああ、ほんとだ。

篠原さん:大きな間取りと小さな間取り、そういうものが相互に住み替えられるようなことが進めば、この地域から出る必要が無くなりますよね。

これは、そういう文化を作らないといけないんだと思うんですよ。いつまでも“上る”のが人生という考えではダメなんだと思うんですよね。

つる子:はい。

篠原さん:それから古くなった建物の建て替えも重要なんですけど、隣り合う2戸の住宅を1戸にして大きな家にするとか、逆に家族人数にあわせて住宅を減築、減らすとか、その分の緑地が増えるといった工夫もあって良いと思うんですよね。

土屋:なるほど。当時は本当に住宅が必要だったから、だいたい同じ年齢の人が一気に住んだから。商店街や区画だけでなく、住居もバランスというか。今の需要は家族かもしれないけど、後々考えて小さい家、大きい家というものも作っておかないといけないということですよね。

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篠原さん:そうですね。そういう準備が必要だと思いますね。それが無いものだから、結局、新築マンションを探すことになってしまって。いくらマンションを作ってもキリが無いという形になります。

土屋:今後は、リフォームでそういう機運が高まってくるかもしれない、と。

篠原さん:そうですね。あと、私たちの「多摩ニュータウン学会」で重要だと思っているのが、正しい情報発信だと思っています。あるテレビ番組で、首都圏の他の地域で進めている民間デベロッパーの住宅開発の取り組みを持ち上げる目的で、「多摩ニュータウン」をボロクソにコキおろして、“「多摩ニュータウン」の失敗を繰り返さないように!”と、言うんですよ!

つる子:ええ!?

土屋:ああ。 

篠原さん:これには私たち「多摩ニュータウン学会」のメンバーも大変腹を立てたということがありました。番組制作者にはまったく悪意は無いんでしょうけど、「多摩ニュータウン」の一部の不都合な部分だけを取り上げて、これが全体だと決めつけてしまう人が多過ぎるんですよね。

つる子:はい。

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篠原さん:ですので、改めてこれを正していくには、多摩といえばどこを指すのか、「多摩市」はどこなのか、「多摩ニュータウン」はどこからどこまでなのか、こういった地域を正しく認識してもらうということが大事だと思うし、それをぜひ、全国に向けて情報発信することをやろうということを「多摩ニュータウン学会」で考えています。

土屋:なるほど。

篠原さん:そのために、毎年1冊ずつ「多摩ニュータウン研究」という冊子を作っておりまして。

つる子:すごい!

土屋:けっこう分厚い!

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篠原さん:これは「多摩ニュータウン研究」の基礎データを取り込んだものなんですよね。その意味では、今回出させてもらった番組「多摩もりあげ宣言」の取り組みというのは、大いに期待してます!

土屋:我々も頑張らないと!

つる子:そうですね! 頑張りましょう! 

土屋:僕も勝手なイメージで、「調布駅」前の計画には問題があるのではないかと言ってまして・・・僕はどっちかというと篠原さんがおっしゃっている由々しき問題の、イメージだけでエンタメをしようとしている側の人間ではあったので、今後は奥行きが大事で、そこにちゃんとして根拠があるのかどうかが大事と思いました。

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「多摩ニュータウン」の魅力

土屋:篠原さんはこれだけ「多摩ニュータウン」愛に溢れているじゃないですか。「多摩ニュータウン」の魅力、改めて言うと、どういう所になりますか?

篠原さん:ゆったりとしていて、安全・安心な町だというのを一番に思っております。子育てが安心してできますよね。「多摩ニュータウン学会」ではよく防災関係のテーマも取り上げるんですけど、大雨の対策などはよく出来ていると思います。

つる子:おお! 

篠原さん:「多摩ニュータウン」エリアの中では、道路が広くて、あまり渋滞がありません。

土屋:はいはい。

篠原さん:バス会社が運転手養成のための路上教習をやっています、大型バスの。

つる子:ほう。

土屋:練習がしやすいのかな。 

篠原さん:だと思います。あと、自然環境が豊かなんですけど、強調しておきたいのが、自然はただ残せば良いというものではないんですね。私も仲間から学んだんですけど、人の生活圏にある自然環境とか生態系は手入れが必要で、放置しているだけではダメなんです。

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つる子:はい。

 

篠原さん:武蔵野の雑木林の風景などもそうやって手入れすることで続いてきたと言われていますよね。どこも緑の手入れが課題になっています。

土屋:ああ、逆に自然が多すぎて。

つる子:そうか。

篠原さん:計画的に植えた素晴らしい街路樹も、今では大きく育ち過ぎてしまって、定期的な剪定が必要になっています。

土屋:なるほど。

篠原さん:そうしたことへの対策として、公園の剪定木で炭を焼く活動をしているグループがあるんですよ。そこのリーダーは「多摩ニュータウン学会」の仲間でもあるんですけども。そこで作った炭、「たまニュー炭」というんですよ。

土屋:あらま! 

つる子:(笑)。

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篠原さん:「たまニュー炭」は、「多摩市」のリサイクルセンターなどで買うことができますので、ぜひ、焼き鳥などやると良いと思います、私もやっています(笑)。

土屋:いいじゃないですか!

つる子:(笑)。

篠原さん:そういう自然との付き合いは行政任せにしてしまうとお金がかかるばかりですが、市民自身が楽しんで動くということがこれから大切なんだろうなと感じています。

土屋:大きな庭という感覚で自分たちの町や自然をどうするか考えて見るといいかもですね。

「多摩ニュータウン」のおすすめスポット①多摩よこやまの道~尾根緑道~高尾山

土屋:そんな「多摩ニュータウン」に行ったことが無いという人もいらっしゃると思うので、ここ行ってみると良いよというおすすめのスポットを教えていただきたいのですが?

篠原さん:「多摩ニュータウン」を“歩車分離”という言葉を使った通り、実は遊歩道が隅々までずっと張り巡らされているんですね。中でも、ニュータウンの南のヘリにある、およそ10kmの長さがある「多摩よこやまの道」というのがあるんですよ。

つる子:へえ。  

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篠原さん:これは万葉集の防人の歌にも出てくる「多摩の横山」という言葉に由来しています。

つる子:はい。

篠原さん:それから西側の方に「多摩ニュータウン」の「多摩境」という所ですが、コストコとかあるあたり、ここに大きな尾根がありまして「尾根緑道」というおよそ8kmの歩道があるんです。実は歩道と言いながら80年前に、旧日本陸軍が軍用車両の試験コースとして造成したのが、元々のルーツなんですよ。

土屋:へえ! なるほどね。

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篠原さん:地元では長い間、“戦車道路”という言い方をしてきたんですよ。それを今では綺麗に遊歩道に整備して、歩けるようになっています。この10kmの「多摩よこやまの道」と8kmの「尾根緑道」、さらにこの東の方に多摩川がありますので、羽田空港からずっと河川敷の自転車道を登ってきて、「多摩よこやまの道」「尾根緑道」に行って、さらにここからずっと丘陵が続くんですけど「高尾山」まで続きます。

つる子:ああ! 

篠原さん:という具合に、壮大な遊歩道を走ってもよし、歩いてもよし、眺めよしの自然探勝ルートが出来ていますので、ぜひそれを実感していただければ。

つる子:なるほど。

「多摩ニュータウン」のおすすめスポット②「橋本駅」(神奈川新駅)

土屋:「多摩ニュータウン学会」の篠原さんは鉄道好きでもあります。我々はすぐ新宿に近い!というような言い方をしてしまいますが、他の都心に近いというような言い方はありますか?

篠原さん:今、ポン!と閃きました! リニア中央新幹線の話をしたくなっちゃいましたね!

土屋:ああ、それはいい! 

つる子:なっちゃった(笑)。

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篠原さん:リニア中央新幹線が出来ると、この「多摩ニュータウン」のすぐ脇にある「橋本駅」が、仮称<神奈川新駅>ですよ! そうしたら「橋本駅」が一大ターミナルになる可能性があるんですけど、そうすると「多摩ニュータウン」は“名古屋・大阪に最も近い東京”になる!

土屋:やったーっ!! まさに、その通り!! そういうことですよね!! 

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つる子:(笑)。

土屋:そう、ここから名古屋・大阪にも行けちゃうんですもんね! 計画によると、1時間に1本は「橋本駅」に停まるということになっているんですよね。そうなると、そこから名古屋まで各駅停車でも1時間かからないくらい。

つる子:ええっ!?

篠原さん:まあ、土屋さんはご存知かと思いますけど、リニア中央新幹線の工事は大変難しい! いろんな意味で難しいので簡単には出来ないだろうな、と。

土屋:そうですね、どこを掘るか、と。これ、「地図研究家で鉄道好きの今尾恵介さん」や「古街道の宮田太郎さん」を入れて話し合ったら・・・これは良いですね! リニア中央新幹線の議論のこの4人はヤバいですね!!

つる子:ホントに(笑)。

土屋:篠原さん、ぼくとツボが一緒! 「多摩ニュータウン」でどこを推すか、そりゃあ「橋本駅」ですよね!

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「謎解き多摩ニュータウン」

土屋:お時間です! 「多摩ニュータウン学会」の篠原さん、何かお知らせはございますか?

篠原さん:「多摩ニュータウン学会」のこれからの予定ということで、去年から「謎解き多摩ニュータウン」という市民向けの講座を地元の「多摩市」の「多摩市立中央図書館」とタイアップして年2回くらいのペースでやっているんです。

つる子:へえ!

篠原さん:「多摩ニュータウン」も人工的に作った町だからこそ、建物の配置から公園の樹木の剪定まで、あらゆる所に意味があるんですよ。作った人の思いがこもっているんですね。それを今一度、紐解いてそれが今役に立っているのかどうかを検証して、次に繋げて行こうという企画です。3月に“消えた池、残った池、作った池”という町中の水辺をテーマに謎解きをします。

つる子:おもしろそう! 

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篠原さん:それから5月には「サンリオピューロランド」を運営する会社の役員をお招きして、それこそどうやって多摩を盛り上げるのかというミニシンポジウムを準備しているところです。

土屋:呼ばれてないですよ! 

つる子:(笑)。

土屋:いろんな立場からの目線で多摩を盛り上げようとしている人がいっぱいいらっしゃるということですよ。いやー、今回はワクワクしたなあ。またぜひ、お話を聞かせてください。ゲストは、「多摩ニュータウン学会」の篠原啓一さんでした! どうもありがとうございました!

篠原さん:ありがとうございました。

未来は東京の玄関口に!?「多摩ニュータウン」特集②

TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)

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