冬に飲みたいココア特集に続き、今週スポットを当てるのは、日本国内のみならず世界からも熱い視線が注がれている「和紅茶」です。

先日、将棋の藤井聡太王将が対局中のおやつとして注文したことでも大きな話題となりました。

最近ではスターバックスやコメダ珈琲などの身近なチェーン店でもメニューに見かけるようになり、気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、和紅茶専門オンラインショップ「レインブラントティー」代表の森本禎志さんに、その深い魅力と味わい方を伺いました。

150年の時を経て、今まさに「新時代」へ

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和紅茶の歴史は、約150年前の明治初期に遡ります。開国後の日本は欧州との貿易を模索する中で、需要の高い紅茶の製造・輸出を本格化させました。生産量は順調に伸び続け、1955年には過去最大の8,525トンを記録。当時は輸出産業の柱の一つでした。

しかし、次第に海外産紅茶の勢いに押され、1971年の輸入自由化が決定打となって市場からほぼ姿を消してしまいます。

転機が訪れたのはここ20年ほどのことです。国内の生産現場は復調の兆しを見せ、年々その品質は劇的な進化を遂げています。2022年には、ロンドンで開催された国際茶品評会「THE LEAFIES」にて、熊本県の「お茶のカジハラ」が全カテゴリーの最高賞『BEST IN SHOW』を獲得。世界を驚かせる活躍を見せる和紅茶は、今まさに新たなフェーズに突入しています。

海外の紅茶と何が違うの?

最大の違いは日本独自の「品種」と「製法」にあります。

  • 130種以上のバラエティ: 日本には独自に品種改良されたチャノキが130種以上あります。その多くは緑茶用ですが、それを使って紅茶を作ることで、海外産にはない「甘み」や「旨み」そして「渋みの少なさ」が生まれます。

  • 職人技(クラフトマンシップ): インドやスリランカの大規模農園とは異なり、日本では小規模な家族経営の農家が、栽培から製茶まで一貫して行うケースがほとんど。緑茶の技術を応用した「ほうじ紅茶」など、日本ならではの独創的なお茶が生まれています。

和紅茶選びのポイント

種類が多くて迷ってしまうときは、「紅茶品種」「緑茶品種」かをチェックするのがコツです。

タイプ特徴主な品種紅茶品種紅茶らしい渋み、ボディ感がある。べにふうき、べにひかり緑茶品種渋みがマイルドで、緑茶のような甘み・旨みがある。やぶきた、さやまかおり、おくみどり

★迷ったらこれ!

入門編なら、世界的な受賞歴も多くブームの立役者である「べにふうき」がおすすめ。日本らしさを存分に味わいたいなら、和食や和菓子とも相性抜群な「やぶきた」を選んでみてください。

美味しく淹れるコツ

今、世界が注目する「和紅茶」の魅力とは?緑茶と同じ葉から生まれる深い味わい

和紅茶は茶葉が大きく、味が出るまでに時間がかかるものが多いため、沸騰したての100℃の熱湯で、長めに蒸らすのがポイントです。海外の紅茶は長く蒸らしすぎると渋みが強く出てしまいますが、和紅茶は渋みが穏やかなため、失敗を気にせず簡単に淹れることができる紅茶とも言えます。

冬におすすめのアレンジ:和紅茶チャイ

ボディの強い「べにふうき(二番茶)」を使い、ジンジャーやシナモン、たっぷりのお砂糖と一緒にミルクで煮込めば、芯から温まる極上のチャイが出来上がります。

①水140mlを手鍋に入れます。
②「べにふうきセカンドフラッシュ」などのボディが強い茶葉6グラムとお好みのスパイス(ジンジャー、シナモン、カルダモンなど)を手鍋に入れ、沸騰するまで強火で加熱します。
③沸騰したら弱火にして、さらに3分ほど煮込みます(長く煮込むとさらにコクが出て美味しくなります)。
④牛乳160mlを加え、強火にして沸騰直前まで温度を上げます。


⑤茶こしで茶葉を漉して、出来上がり。お砂糖はお好みで、10~12グラムくらいたっぷりと入れると美味しいです。

和紅茶はどこで買える?

今、世界が注目する「和紅茶」の魅力とは?緑茶と同じ葉から生まれる深い味わい

最近では「道の駅」や地域の物産店、高速のパーキングエリアでも見かけるようになりました。よりこだわりたい方は、専門のオンラインショップが便利です。

  • 和紅茶専門店「レインブラントティー」(今回お話を伺った森本さんのお店)

  • 和紅茶専門店「紅葉」

関東の紅茶専門店で和紅茶も取扱い始めている:青鶴茶舗(台東区)、和紅茶専門店SANKODO(練馬区)、KAGUWA(神楽坂)など。

また、秋から冬にかけては全国各地でお茶のイベントも開催されています。作り手である生産者さんから直接お話を聞きながら、自分だけの一杯を探してみるのも楽しいですよ。

今、世界が注目する「和紅茶」の魅力とは?緑茶と同じ葉から生まれる深い味わい

今、まさに新しいフェーズに入った「和紅茶」。この冬は、優しく奥深い日本の香りで、ほっと一息ついてみませんか?

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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