駅や空港で、「フリーWi-Fi」という表示、見たことありますか?スマホやタブレットを無料でインターネットに繋げられるサービスです。このフリーWi-Fiが今、大きな転換期を迎えています。

岐路に立つフリーWi-Fi

全国で通信システムを提供している、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの中尾 潔乃さんに聞きました。

ワイヤ・アンド・ワイヤレス 中尾 潔乃さん

公衆Wi-Fi、いわゆる「フリーWi-Fi」が本格的に普及したっていうのが2015~16年頃という風に言われていて、多くの自治体の設備っていうのが、今、だいたい導入から10年ぐらい迎えてしまっていますので、何でも冷蔵庫にしても洗濯機にしても、あらゆる家電、やっぱり耐久年数みたいなものってあると思いますので、それは通信機器もアップデートされるっていうことが最近増えてきている、10年経ってますので、はい。

ただ、「フリーWiFi自体を、もう提供をやめる」ってご判断をされるところも、「この機にやめちゃえ」みたいな判断をするところもあるので、本当に自治体それぞれのご事情とご判断っていうところですね。

東京オリンピックも見据えて一気に広がったのが、フリーWi-Fi。区役所、電車、カフェ、コンビニ…色々な所で時々「フリーWi-Fiに接続しますか?」という表示が出ます。あれをクリックしてパスワードを入力したりすれば、無料でネットが使えました。主に観光客に向けたサービスだったようです。

ところがコロナ禍で需要が激減。セブン-イレブンや東京メトロでも、続々とサービスが打ち切られました。自治体の中にも、「機器を更新せず、終了します」と、静かに終わっていくところがあるようです。

電話ボックスが変身

ここまで聞くと、フリーWi-Fiはもう役目を終えたかに見えました。しかし実は今、「意外な場所」を使って、フリーWi-Fiを普及させようとしているのが、東京都です。狙いは、「究極の使いやすさ」と「安全性」。東京都デジタルサービス局の小宮 学さんに聞きました。

東京都デジタルサービス局 小宮 学さん

電話ボックスにWi-Fiを設置するんですね。屋根の上に、白い「Wi-Fiを発射する装置」がついております。形状としては小さいバケツみたいなものに蓋がついているような感じですけれども。半径で言うと、Wi-Fiですので、大体25~50メートルぐらいは繋がります。

やはり観光客の方向けの公衆Wi-Fiという側面がございまして。海外から来られた方がグーグルマップとかを開いたりするときに活用いただけるかなと思います。

電話ボックス自体は、確かに以前よりは使われなくなったんですけれども、主要な駅周辺や公園とか、そういうところにはしっかり残っていたと…。

電話ボックスが、「Wi-Fiスポット」になりました。勘違いしがちですが、中に入ったり受話器を上げる必要はなく、近くを通るだけで繋がります。新宿御苑にできた「第一号」を私も見てきましたが、たしかに繋がりました。「TOKYO FREE Wi-Fi」というステッカーが目印。設定はステッカーのQRコードを読み込むだけ。

消えゆく公衆電話が「命綱」に。最新Wi-Fiで変わる街のイン...の画像はこちら >>
消えゆく公衆電話が「命綱」に。最新Wi-Fiで変わる街のインフラ

というのもこれ、「オープンローミング」という世界最新の規格なんです。これまでのフリーWi-Fiは、使うたびに名前やメールアドレスを打ち込む必要があり、それが面倒で使わなかった、という方も多いと思います。でも今回は、その面倒な入力が一切ありません。
一度設定してしまえば、あとは別の電話ボックスや、成田空港、さらに海外のスポットでも、近くに行くだけでスマホが自動でネットに繋いでくれます。

しかも、通信の中身が守られているので、安全性もぐんと高まっています。まさに次世代のWi-Fiということで、世界中で広がっています。

災害時の通信網へ

じつはこれ、観光客だけでなく私たちにとっても欠かせないインフラになりそうです。再び小宮さんに聞きました。

東京都デジタルサービス局 小宮 学さん

もしも万が一ですね、震災が起こったりして、電車が止まりましたということで足止めを受けたときに、電話ボックスに行けば、Wi-Fiが使えて、自分の家族に状況を伝えることができますし、あとは災害情報を収集することもできる。

「オープンローミング」、確かに認知度はあまり高くなくて、東京都の調査の中でも 認知度が10%台っていうところがありますので、多くの方にオープンローミングについても、知っていただきたいと思っております。

この電話ボックスのWi-Fi、一度に300人近くが同時に使えるそうです。これまでは、都庁や都立病院などに整備されてきたそうですが、これからは街のあちこちにある「電話ボックス」を拠点に、東京中を網羅していきます。

今後3年間で、1500か所まで増やしていきたいとのことです。

出番の減っていた公衆電話が、最新Wi-Fiスポットとして復活災害時の通信確保も大切ですが、同時に認知度向上も求められています。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)

編集部おすすめ