東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも多摩を楽しんでもらいたい、知ってもらいたい番組「立飛グループpresents東京042~多摩もりあげ宣言~」(略して「たまもり」)。MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週も、“多摩もりあげ団の第2弾”。プラネタリウムの国内トップで世界トップメーカーの一つの「五藤光学研究所」(府中市)を深掘り。その技術の凄さに「国立天文台」の縣先生も驚愕!

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

土屋さっそくゲストの方のご紹介です。先週に引き続き、「国立天文台」の縣秀彦さん、そして「株式会社 五藤光学研究所」の明井英太郎さんです。今週もよろしくお願いします!

縣さん&明井さん:よろしくお願いします!

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天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

「五藤光学」のプラネタリウムの凄い技術~ミクロンの世界!

土屋:今週はプラネタリウムの魅力だったり、「五藤光学研究所」のプラネタリウムの違いなどを伺っていきます。まずは、プラネタリウムはいかにリアルに近づけることが肝なんですか? プラネタリウムの良さは何で変わるんですか?

明井さん:本物の星は、星それぞれの明るさや距離が違ったりして、別々に光っているんですよね。でも、プラネタリウムの星は、同じ光源を使って星の明るさの違いを出しているんです。

つる子:はいはい。

明井さん:そのためには、原板という星を映すためのガラスの板に等級ごとに穴の大きさを変えた穴を開けているんです。

つる子:はあ~、なるほど。

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明井さん:昔、自分の部屋に、プラネタリウムのような光るシールを貼ったりしたことがありませんか?

つる子:あります!

明井さん:1等星は大きい星、3等星はより小さい星。あれと同じようなものを恒星原板に作っているんですね。

縣さん:それはどれくらいの差を作るんですか?

明井さん:あのー、縣先生を前に説明しにくいですが(笑)。天文学の中では、1等星と6等星の違いは、明るさが100倍違うと決まっているんですね。

土屋:そうなんだ。

明井さん:面積でいうと100分の1。原板上に、例えば1等星を1ミリで穴を開けたとすると・・・実際はそんなに大きくないですけど、その100分の1の大きさの穴を開けないと6等星が再現できないんです。

土屋:え、ちょっと待ってください。1ミリでもそんなに大きくないですけど・・・。実際に1等星はどれくらいの穴の大きさなんですか?

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明井さん:何十ミクロンです。

縣さん:うわっ。

土屋:ミクロン??

つる子:もうわからない・・・。

土屋:じゃあ6等星は、それの100分の1。

つる子:ええ、できるんですか!?

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縣さん:1ミリの1000分の1が、1ミクロンです。

明井さん:星をきれいに映そうとすると、全体の星の粒を小さく開けないときれいにならないんですよ。

土屋:はあ~。

明井さん:もう一つは、例えばA4の紙にパンチを使って穴を開けてみるじゃないですか。それぞれがくっ付かなければ点なんですけど、くっ付いてしまうと雪だるまになっちゃうじゃないですか。それに光を映した時に丸い星ではなく、雪だるまが映ってしまうんですね。

つる子:はい。

明井さん:なので、恒星原板に開ける穴は、全部、星が分離していないといけない。

縣さん:ああ。

土屋:縣さんも興奮しちゃって(笑)。

縣さん:これは凄いですよね。「五藤光学研究所」はギネスブックにも載ったことがあるんですよね。同じ多摩の「西東京市」にある「多摩六都科学館」が、「五藤光学研究所」の自信作ですよね。

明井さん:そうですね。

土屋:どういうことでギネスブックに載ったんですか?

明井さん:それは星の数ですね。

でも、「五藤光学研究所」は星の数を競いたいと思っているわけではなくて。美しい星空を作ろうと思って一生懸命やっていたら、たまたま星が増えたという。

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

土屋:結果は後からついてくる! 縣さんからみて、星空をリアルに表現しようというのは、星の愛に溢れていると感じますか?

縣さん:人間の欲望とか愛情って凄いですよね。つまり、自然にあるものを都会では見られないからとか、子供たちにわかりやすく伝えたいという思いでそこまでいくというのは、凄いですよね。

土屋:だって、人間の肉眼ではそこまで判別できないって合理的に考えちゃうけど、そこじゃないんですね?

明井さん:そうですね。例えば、「高尾山」で見る星と町中で見る星は全然見え方が違うんです。それは星が無いわけじゃなくて、周りが明るいから星が見えないだけなんですよね。

つる子:はい。

明井さん:もし、町の明かりがまったく無い所に行ったらもっとたくさん星が見えるじゃないですか。宇宙に行ったらもっと見えるじゃないですか。

つる子:気になっちゃったんですけど、原板の穴はどうやって開けるんですか?

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明井さん:詳しくはお話しできないんですけど、半導体の技術を使っているんです。

「五藤光学」のプラネタリウム「10億個の穴」「星に色を着けて再現」

土屋:同じプラネタリウムのメーカーのカールツァイスさんの真似ではいけない独自の新しいやり方には、どういうった所にあるんですか?

明井さん:「五藤光学研究所」では天の川もすごくきれいに作っていて。肉眼で見える星は9500個までなんですね。

だけど、天の川はそれよりも暗い星が集まってもやっと見えているんです。だから、天の川もきれいに作らないと、本物のような星空に見えないんです。

土屋:天の川のセルで1回でポンってやればいいんじゃないですか?

明井さん:おっしゃる通りで、昔はそうだったんです。今は全部本当の科学的に観測された星のデータの位置を使って穴を開けています。

縣さん:おおっ。 

土屋:縣さんが驚かれている(笑)。

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

土屋:そうなると、原板に何個くらい穴が開くってことですか?

明井さん:今は、一番多い機種で10億個。

つる子:ええ!?

土屋:凄いですね!! 

縣さん:最近プラネタリウムに行くと、本物の天の川や本当の星空に近いので、実物の星を見に行った人が<あ、プラネタリウムみたい!>っておっしゃるのが、圧倒的に多くなりました(笑)。

つる子:なるほど(笑)。

土屋:あらら、本物を超えちゃった(笑)。

縣さん:あと、「五藤光学研究所」では明るさだけでなく、色も変えられるんですよね?

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明井さん:そうなんです。星は個別に色が着いていて。

例えば、“さそり座のアンタレス=赤い”とか、“冬に見えるシリウス=青白い”とかあるんですが、ちゃんと星の固有の色を着けて。最新のケイロンⅢという機械だと3等星までの299個に星の色を再現しています。

土屋:その小さなミクロンの穴でどうやって色を再現するんですか? 同じ光源ですよね?

明井さん:実は最近のプラネタリウムはLED光源と光ファイバーを組み合わせて使っているので、光源も同じと説明しましたけど、色ごとに違うLEDを使っているんです。

つる子:おお!

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土屋:いやいや、とはいえミクロンの近似値でいうと隣も赤くなっちゃいそうですよね?

明井さん:そこは・・・技術ですよね。

土屋:ああ、かっこいい!!

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つる子:(笑)。

縣さん:やられました(笑)。 

土屋:その「五藤光学研究所」のケイロンⅢが今、最新の機種ですか?

明井さん:最新ですね。

土屋:縣さん、これが凄いんですよね?

縣さん:以前、この番組でもご紹介しましたが、ケイロンⅢで見る星空は本物に近いので。それが「府中市」にもあるんですよ、「府中市郷土の森博物館」。

明井さん:はい。プラネタリウムはドームの大きさによって光の明るさが違うんですね。大きなドームには大きな光源が必要で、小さなドームには小さな光源で。

ケイロンⅢという機械が今いちばん大きなドームに映すことができる明るい機種ということになります。こちらは1億個ですね。

土屋:「五藤光学研究所」のプラネタリウムなんですが、何年でこんな進化になったんですか?

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明井さん:3年くらいですね。欧州宇宙機関でガイアという衛星があるんですね。そのガイアが観測した星のデータがあるおかげで10億個の星空が実現したんです。

土屋:そうか。ちゃんと観測したものがあるから。

縣さん:天文学の最新データを素早く取り入れられているということですよね。今、明井さんから話があった欧州宇宙機関が打ち上げたガイアという宇宙望遠鏡を使って精密に星の位置、明るさを測っているんですね。これが天の川の中の星の分布なので、それが再現できるということですよね。

土屋:天文学とプラネタリウムは切って切れない関係だということが非常にわかりましたね。我々はプラネタリウムで星のいろんなことに興味が湧いて天文学を学ぼうとなるし。天文のデータがないとプラネタリウムが出来ないということですもんね。

【心に残る、はじめての星空】企画

土屋:「五藤光学研究所」では、どういうことを大事にしてプラネタリウムを作っていらっしゃるんですか?

明井さん:みなさんがプラネタリウムに思うイメージはそれぞれだと思うんです。星空を見にいきたい人もいるし、番組を見に行きたい人もいるだろうし、場合によっては講演会とか音楽会とか色々とあるので。色々な方の思いに応えられるようなプラネタリウムの装置だけではなく空間も作っていきたいと思っています。

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つる子:「五藤光学研究所」が今後、取り組みたいことはなんですか?

明井さん:「五藤光学研究所」は今年100年目なんですね。1人でも多くの方に星空に興味を持っていただきたいと考えて、【心に残る、はじめての星空】という企画を行なっています。これは、皆さんが初めて星空に興味関心を持つきっかけとなった日の思い出を500字以内の文章で寄せてもらうという取り組みで。

つる子:ああ、実際のエピソードを?

明井さん:そうです。「五藤光学研究所」のホームページに募集サイトを設けてますので、ぜひ皆さん、ご応募をよろしくお願いします。

土屋:僕は、「三鷹市」にある「国立天文台」の縣さんに連れて行ってもらったツアーで、<星空は、自分の世代では研究し終えないから、後世に残すためのバトンの作業だ>というお話を伺って、あれから僕は星空が楽しくてしょうがない! と、僕は今、500文字以内でなんとかまとめました。

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

明井さん:よろしくお願いします(笑)。

日本はプラネタリウム大国!

土屋:そろそろお時間になってしまったのですが、最後にお二人にプラネタリウムの魅力を改めて教えて欲しいのですが、まずは「五藤光学研究所」の明井さん、お願いします!

明井さん:最近、都会だと夜空が明るくなって天気が良くてもなかなかきれいな星が見れなくなっているんですよね。ですけど、プラネタリウムで星を見せるというのは、星を覚えるためではなくて、どちらかというと想像力を湧き起こしたり、見えないものを見せることで身の回りの自然に興味を持ってもらうとか、そういう効果があると思っています。ぜひ、多くの方にプラネタリウムを見た後に本物の星空を見に行って欲しいと思いますね。

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

土屋:縣さんも一言いただけますか?

縣さん:明井さんをはじめ「五藤光学研究所」の皆さんを中心に、プラネタリウムというものが社会の中に本当に浸透してきた100年だと思うんですね。これからの100年というものを考えると、もっと身近な自分にとって当たり前のようなものになっていくと良いと思っているんですよ。その経験が明井さんがおっしゃったような星空や宇宙への興味、または体験に繋がっていくきっかけになるんだろうと思っていて。これからもエールを送りたいと思います!

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明井さん:ありがとうございます!

縣さん:東京にはプラネタリウムがいっぱいあるんですよ、日本はプラネタリウム大国なんです。この多摩でも、「府中市」の「府中市郷土の森博物館」、「西東京市」の「多摩六都科学館」をはじめ、たくさんプラネタリウムがあるので、ぜひ。少し足を伸ばせば身近な所にプラネタリウムがあるという地域は世界中にそんなにないので、多摩にお住まいのメリットをフルに生かしてもらえたらいいなと思います。

土屋:うちの妻が星が好きでホームシアター的なものを買って投影しながら寝るのが気持ち良かったんですよね。なんなら戸建ての屋根を円形にして投影して寝られるなら最高ですよね!

明井さん:ぜひ、我が社のプラネタリウムで!!

つる子:(笑)。

土屋:多摩にプラネタリウムあり!ということで、先週、今週と2週に渡ってお話を伺いました。ゲストは「国立天文台」の縣秀彦さん、そして「株式会社 五藤光学研究所」の明井英太郎さんでした。ありがとうございました。

縣さん&明井さん:ありがとうございました!

天の川まで完全再現!「五藤光学」(府中市)のプラネタリウム

TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)

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