今回のゲストは、天気が好きすぎる気象予報士・増田雅昭さん。

「宇宙天気予報」が私たちの生活に影響があるって知ってましたか...の画像はこちら >>

いま、宇宙天気予報が注目されている?

みなさん、「宇宙天気予報」ってご存じですか?

増田:「太陽の活動が今どうなっていて、地球にどんな影響があるか」を観測していて、予報も出しているんです。
・世界各地で行われていて、日本だと国立研究開発法人情報通信機構(NICT)が随時、情報を出しています。

たとえば、情報通信機構のホームページで発表されている宇宙天気予報は…
1月26日午前9時発表の宇宙天気予報は・・・
太陽活動はやや活発でした。
引き続き今後1日間、太陽活動はやや活発な状態が予想されます。
地磁気活動はやや活発でした。今後1日間、地磁気活動は静穏な状態が予想されます。


先週は、太陽活動が活発になり大規模な「太陽フレア」が発生し、ニュースにも。
太陽フレアとは、太陽の表面で巨大な爆発が起こって、強力な電磁波や細かい粒子(電気を帯びた高温のプラズマ)が飛んでくる現象です。

私たちの生活にも関わってくる?

増田 :この宇宙天気予報が、以前より大事な情報になってきているのではと言われています。
去年11月29日、日本国内で天気が荒れていないのに飛行機が複数欠航になったことがありました。
実は、その少し前にアメリカで飛行機が急降下してケガ人が出たのですが、それは太陽フレアによって飛行機の制御等に影響があったようなんです。
なので、同じ型の飛行機の点検や改修が必要ということで、日本国内の飛行機も、急遽、欠航になりました。まさか、太陽活動が飛行機の運航に影響していたとは。驚きですよね。
 

ほかにも影響がでることがある?

増田 :太陽フレアが起こるなど太陽活動が活発になると、GPSの誤差が大きくなります。
これまでもカーナビとかに影響があって困るという話はありましたが、今後は、車の自動運転の制御にも影響してくると言われます。

対策は取られるのでしょうが、車の位置が道から少し外れると想像すると怖いですね。
・ドローンの制御にも影響すると言われます。あと意外なところでは、田植えにも。最近は田植え機がGPSによる自動運転になっているものもあり、太陽活動の活発化によってGPSの誤差が大きくなって、田植えの苗の並びが、本来はまっすぐなはずなのに、一部分だけクネっと曲がったことがありました。
・過去にはカナダで、太陽活動の活発化で、大規模な停電になったことも。

・そういったことに備えるために情報を発信するのが「宇宙天気予報」なんですね。
・ちなみに、太陽からの粒子が地球に到達していると観測しているのは気象庁です。茨城県石岡市に観測所があります。
気象庁の仕事は、地球の空から、地震とか火山とか地面、海、そして宇宙と、本当に幅広い。


Googleマップもズレる可能性がある!

増田 :みなさんがよく使う、Googleマップへも影響が出る可能性があります。

▼いま、スマホを使用できる方は、Googleマップ開いてみてください。
・アプリを開いた 薄い青の円は誤差をあらわしているんですが、この円が大きいときは誤差が大きいときなんです。


・そんなときは、太陽フレアが起こったりして太陽活動が活発になり、地球で磁気嵐が起こっている可能性がある。
・つまり、Googleマップ上で、自分の位置がズレている可能性があるわけです。
・なので、宇宙天気予報で注意情報が出ているようなときは、「ズレてるかも」と頭に入れながら使うのが良さそうですね。
・今後は地球の天気予報のように、宇宙天気予報もニュースに出てくることが増えるのでは?


増田 :突然ですが、ここでクイズです!

太陽フレアが起こると、地球で起こるちょっといいことがあります。
赤気(せっき)と昔は言われていたのですが…どんな現象でしょうか?

正解は「オーロラ」

増田 :「日本書紀」には、推古天皇の時代(西暦だと620年)に、赤気が見られたと書いてあります。鎌倉時代の「明月記」とか、江戸時代とか、各時代の書物にも載っています。
・ここ数年は太陽の活動が活発になっていて、日本でもオーロラが見られています。
最近では一昨年の5月に日本各地でオーロラが観測され、話題になりましたよね。去年の秋も、北海道などで見られました。
・オーロラといえば一般的に高緯度で起こる現象ですが、太陽フレアが起こった時など、低緯度の日本で観測できる場合があります。高緯度ほどカラフルではなく赤っぽいですが(だから昔の人は赤気と言った)、肉眼で見えることもあります。
・オーロラを見たい人は、宇宙天気予報を気にしてみてはいかがでしょうか。


TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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